419 / 597
カルベリアツリーのダンジョン再々攻略Ⅴ
しおりを挟む「アリシア。念波動で俺の戦闘値分かるか?」
「そうですね。現在のナリユキ様の戦闘値は8,500です」
「――殺戮の腕を外してみるか」
数値が高すぎるので俺は一旦殺戮の腕を取り外してみた。これで一体どれくらいの戦闘値になっているのか――。
「アリシア。もう一回頼む」
「そうですね。8,100です。強さ又は危険度に関してはZになっています」
「まじか――」
「ナリユキ君がとうとう世界を亡ぼせる人間になってしまったね」
「流石だな――いつかは成し遂げると思ってはいたが」
「Z級になると何かあるのか?」
「特には無いな。強いて言うなら未来永劫語り継がれる強さと言う訳だ。それに、Z級の人間の国主は存在したことがない。ナリユキ殿は確実に伝説の存在となる」
「伝説の存在……」
「ナリユキ様は、マーズベルを開国し、長く続いたアードルハイム帝国の闇を葬り去りました。さらにはZ級の強さです。語り継がれない理由がありません」
「俺が伝説の存在か……」
全然実感が湧かないな。それにだ。俺が世界を亡ぼせる存在になったのも正直に言うと違和感しかない。
「まあ全然実感が湧かないのと一番気になるのは龍騎士のユニークスキルなんだよな。結局何のユニークスキルを持っていたんだろう?」
「そもそもだけど、何でステータスが視えなかったんだろうね?」
「ユニークスキルを使わずに戦っていた可能性もありますしね」
俺、ミクちゃん、アリシアの順番でそう話した。
「Z級は特別な存在だからステータスが視れないという訳ではないよな? だとするとナリユキ殿のステータスを我は視ることができない筈だ」
そうなんだよな~。
「まあ考えていても仕方ない。皆が体力回復しているならこのままダンジョンを進めようぜ」
「いいのか? ダンジョンに入ってから3日は経っているぞ?」
「黒龍があとどれくらいで復活するかだよね。残り5日くらいで復活してしまうんじゃないかな?」
「――それはヤバいな」
俺とミクちゃんは転移イヤリングを使えるから一瞬で行けるとして、ランベリオンとアリシアが無理だもんな~。
「俺とミクちゃんはもう少しダンジョンに潜る。ランベリオンとアリシアは先に行っていてくれ」
「――大丈夫ですか? 確かに強くはなりましたが、敵は桁違いに強いですよ?」
「大丈夫だ。俺とミクちゃん2人でさらに強くなって帰るから2人は安心して戻りな。指揮はランベリオンに任せた。あと、助言はマカロフ卿がしてくれるだろう」
「分かった。マカロフ卿の助言は頼もしいが恐ろしいな」
「まあ、完全に信用し切るのはまだまだ難しいからな。それいいな! と思ったものだけ取り入ればいいさ」
「ああ。言われなくてもそうする」
そう話しを終えると、ミクちゃんがいつも通りカルベリアツリーの結界を解除した。そして人型化を解除してアリシアを背中に乗せるランベリオン。
「ヤバいと思ったら必ず帰って来るんだぞ?」
「くれぐれも気を付けて下さい」
「ああ。2人共気を付けてな」
俺がそう言うと2人は返事をして、ランベリオンの龍の咆哮とアリシアの殺戮の爆風撃でいつも通り壁を破壊してこのタワーから出て行った。
「よし、行こう」
「そうだね! ナリユキ君の邪魔にならないようにサポートするよ」
「邪魔になんかなった事ないよ。それより2人きりで戦う事ができなんて久しぶりだな」
「確かにそうだね。2人でのんびりやっていこう!」
と、言われてダンジョンを登って行った。ここからは新しい階層だけど未知の領域だ。いつも通り知らない魔物や、ボス級のモンスターが雑魚敵のモンスターのノリで出てくる。
例えば、俺達の国を散々苦しめた疫病竜。魔界の魔物バフォメットや魔妖烏。とまあ色々な魔物が出てくるものだ。それに一番驚いたのは天使と魔族の混合種なども新たに出現してきた。龍騎士ではないけど、龍騎士のような風貌の人間も襲い掛かって来たりとまあ大変だ。
そして950層に来た訳だが――。
「あれ? 中ボス戦じゃないのか?」
「みたいだね?」
人の気配も魔物の気配も無い。
「どうなっているんだ?」
「いつもなら部屋の中央に分かりやすくボスがいるのにね」
「だよな」
俺とミクちゃんがそう話をしていると、突如人が俺達の前に現れた。純白のドラスを着た金髪の綺麗な女性だ。耳が長いので森妖精だと思うけど、目が魔族と同じような真紅なんだよな~。と思ってステータスを視ると、魔族と森妖精と天使の混合種らしい――まあ多分コヴィー・S・ウィズダムはもう何でもありなんだろうな~。名前はメシアと言うらしい。
「もう貴女達程の実力であれば感じ取っているかもしれませんが、今の私に貴女達に対する敵意はございません」
「凄いな。魔眼持ちの人はやっぱり心が読めるんだな」
「貴女達の脈の動きや、ちょっとした表情を読み取っていますからね。どれだけのポーカーフェイスをしようとしても魔眼持ちの前では意味を成さないですから」
「確かにその通りかもな。それで? 俺達と戦わないならどうしたんだ?」
「単刀直入に申し上げますと、私も貴女方の御力になりたいです。どちらにせよ951階層からは敵が強くなり、かなり時間が押されてしまいます。黒龍が復活するので強くなるためにここに来たのでしょう?」
――何でそれを知っているんだ?
「不思議だと思いますよね? 私は世界の理を知ることができるのです。黒龍が暴れてこの世界が火の海に変えられてしまうのはあってはならない事です。ノアを出したときのように、私も外の世界へ連れていってくれないでしょうか?」
そう真っ直ぐな目で俺を見てくるメシア。
「ナリユキ君どうするの?」
「勿論答えは決まってる」
「そうですね。現在のナリユキ様の戦闘値は8,500です」
「――殺戮の腕を外してみるか」
数値が高すぎるので俺は一旦殺戮の腕を取り外してみた。これで一体どれくらいの戦闘値になっているのか――。
「アリシア。もう一回頼む」
「そうですね。8,100です。強さ又は危険度に関してはZになっています」
「まじか――」
「ナリユキ君がとうとう世界を亡ぼせる人間になってしまったね」
「流石だな――いつかは成し遂げると思ってはいたが」
「Z級になると何かあるのか?」
「特には無いな。強いて言うなら未来永劫語り継がれる強さと言う訳だ。それに、Z級の人間の国主は存在したことがない。ナリユキ殿は確実に伝説の存在となる」
「伝説の存在……」
「ナリユキ様は、マーズベルを開国し、長く続いたアードルハイム帝国の闇を葬り去りました。さらにはZ級の強さです。語り継がれない理由がありません」
「俺が伝説の存在か……」
全然実感が湧かないな。それにだ。俺が世界を亡ぼせる存在になったのも正直に言うと違和感しかない。
「まあ全然実感が湧かないのと一番気になるのは龍騎士のユニークスキルなんだよな。結局何のユニークスキルを持っていたんだろう?」
「そもそもだけど、何でステータスが視えなかったんだろうね?」
「ユニークスキルを使わずに戦っていた可能性もありますしね」
俺、ミクちゃん、アリシアの順番でそう話した。
「Z級は特別な存在だからステータスが視れないという訳ではないよな? だとするとナリユキ殿のステータスを我は視ることができない筈だ」
そうなんだよな~。
「まあ考えていても仕方ない。皆が体力回復しているならこのままダンジョンを進めようぜ」
「いいのか? ダンジョンに入ってから3日は経っているぞ?」
「黒龍があとどれくらいで復活するかだよね。残り5日くらいで復活してしまうんじゃないかな?」
「――それはヤバいな」
俺とミクちゃんは転移イヤリングを使えるから一瞬で行けるとして、ランベリオンとアリシアが無理だもんな~。
「俺とミクちゃんはもう少しダンジョンに潜る。ランベリオンとアリシアは先に行っていてくれ」
「――大丈夫ですか? 確かに強くはなりましたが、敵は桁違いに強いですよ?」
「大丈夫だ。俺とミクちゃん2人でさらに強くなって帰るから2人は安心して戻りな。指揮はランベリオンに任せた。あと、助言はマカロフ卿がしてくれるだろう」
「分かった。マカロフ卿の助言は頼もしいが恐ろしいな」
「まあ、完全に信用し切るのはまだまだ難しいからな。それいいな! と思ったものだけ取り入ればいいさ」
「ああ。言われなくてもそうする」
そう話しを終えると、ミクちゃんがいつも通りカルベリアツリーの結界を解除した。そして人型化を解除してアリシアを背中に乗せるランベリオン。
「ヤバいと思ったら必ず帰って来るんだぞ?」
「くれぐれも気を付けて下さい」
「ああ。2人共気を付けてな」
俺がそう言うと2人は返事をして、ランベリオンの龍の咆哮とアリシアの殺戮の爆風撃でいつも通り壁を破壊してこのタワーから出て行った。
「よし、行こう」
「そうだね! ナリユキ君の邪魔にならないようにサポートするよ」
「邪魔になんかなった事ないよ。それより2人きりで戦う事ができなんて久しぶりだな」
「確かにそうだね。2人でのんびりやっていこう!」
と、言われてダンジョンを登って行った。ここからは新しい階層だけど未知の領域だ。いつも通り知らない魔物や、ボス級のモンスターが雑魚敵のモンスターのノリで出てくる。
例えば、俺達の国を散々苦しめた疫病竜。魔界の魔物バフォメットや魔妖烏。とまあ色々な魔物が出てくるものだ。それに一番驚いたのは天使と魔族の混合種なども新たに出現してきた。龍騎士ではないけど、龍騎士のような風貌の人間も襲い掛かって来たりとまあ大変だ。
そして950層に来た訳だが――。
「あれ? 中ボス戦じゃないのか?」
「みたいだね?」
人の気配も魔物の気配も無い。
「どうなっているんだ?」
「いつもなら部屋の中央に分かりやすくボスがいるのにね」
「だよな」
俺とミクちゃんがそう話をしていると、突如人が俺達の前に現れた。純白のドラスを着た金髪の綺麗な女性だ。耳が長いので森妖精だと思うけど、目が魔族と同じような真紅なんだよな~。と思ってステータスを視ると、魔族と森妖精と天使の混合種らしい――まあ多分コヴィー・S・ウィズダムはもう何でもありなんだろうな~。名前はメシアと言うらしい。
「もう貴女達程の実力であれば感じ取っているかもしれませんが、今の私に貴女達に対する敵意はございません」
「凄いな。魔眼持ちの人はやっぱり心が読めるんだな」
「貴女達の脈の動きや、ちょっとした表情を読み取っていますからね。どれだけのポーカーフェイスをしようとしても魔眼持ちの前では意味を成さないですから」
「確かにその通りかもな。それで? 俺達と戦わないならどうしたんだ?」
「単刀直入に申し上げますと、私も貴女方の御力になりたいです。どちらにせよ951階層からは敵が強くなり、かなり時間が押されてしまいます。黒龍が復活するので強くなるためにここに来たのでしょう?」
――何でそれを知っているんだ?
「不思議だと思いますよね? 私は世界の理を知ることができるのです。黒龍が暴れてこの世界が火の海に変えられてしまうのはあってはならない事です。ノアを出したときのように、私も外の世界へ連れていってくれないでしょうか?」
そう真っ直ぐな目で俺を見てくるメシア。
「ナリユキ君どうするの?」
「勿論答えは決まってる」
0
お気に入りに追加
345
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル
異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた
なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった
孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます
さあ、チートの時間だ
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった
Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。
*ちょっとネタばれ
水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!!
*11月にHOTランキング一位獲得しました。
*なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。
*パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる