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アルボス城での激闘Ⅳ
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俺はLの指を注視しながら突っ込むと、さっきとは比べ物にならない程、落ち着きながらLの方へと向かう事ができた。Lの攻撃が見えない糸であれば動きも予測はつくし、耳も慣れてきて微かな振動音も見逃さないでいた。
「魔界の扉」
俺がそう詠唱を行うと、Lは身動きが全く取れない状態になった。いつも突如現れる高さ10m程の巨大な黒い門。門には様々な魔族が描かれている。そのなかには俺の親父も描かれているらしい。まあ顔は知らんから誰なのか分からんがな。
「お前はこれで終わりだ」
「クソ――このタイミングでこんな大技を――!?」
全く身動きが取れないLは相当焦っていた。まあこのアクティブスキルはアルティメットスキルの強力さと変わらないからな。奴が魔族でなければ、今から行われる拷問は死にたくなるほど苦しいだろう。
「戻ってきたら殺してやる」
「やってみろよ」
俺がそう吐き捨てると、扉は閉まってしまい、Lは魔界へと放り込まれた。
「出て来ても、奴は廃人となっているはずだ。それより――」
Lでも十分強かった。何なら隠し種はあれだけじゃ無くても可笑しくは無い。勝負を純粋に楽しみたい気持ちがあるが、如何せん2人が心配だ。
俺は2人が戦闘しているところに乱入した。ちょうど2人が息を切らして、金色蛇の仮面を付けた人物を睨めつけているところだった。
「また増えたのね」
そう冷たく言い放ったのは女だった。俺が今まで会った創世の幹部で女は初だ。手には拳銃を持っている。勿論殺戮の腕も装着している。
「奴の名前は?」
「奴の名前はIと言うらしい。避けても避けても銃を当ててくる。近距離で詰めても殺戮の腕の性能が強力で防戦一方だ」
スカーが俺にそう説明をしてくれた。
「加えて、あの銃は特注の弾丸を使用しているらしく一発一発が重い」
そうカリブデウスが続けた。
「まあ死んでいないなら大丈夫だろ」
「言っておくがフラフラだ。眩暈もする」
「――そうか」
てっきり「我がそんな事で倒れるはずがないだろう! 誰だと思っているのだ!」とか言いそうな勢いなのにこれは予想外。この馬鹿が俺に全く突っかかってこないのは相当疲労しているな。何ならカリブデウスはすでにピンチの状態に陥っていると言っていい。
「分かった。奴の銃弾が必ず当たるのであれば、対策としては武器でガードするしかないな」
「そうだ。なのでカリブデウスは兵士を盾にしていた」
スカーがそう言ってたのでカリブデウスの方を再度見た。成程――確かに死体が転がっている――。
「貴方のお仲間さん。私の部下をゴミみたいに扱ったのよ? 許せないわ。非人道的行為ができるのも水蛇竜だからかしら?」
「いや、そういう機転は俺の真似だな。元々はこんな事をやるような奴では無かったし」
「――類は友を呼ぶとはこの事ね」
「お前達は敵だからな。敵の死体をどうしようが俺達からすれば何も関係ない。身の回りにあるのは最大限活用するさ」
「成程ね。一理あるわ。ただ非人道的という事実は変わりない。貴方達を殺す」
そう言って女は銃を何発も連射してきた。俺、カリブデウス、スカーに1発ずつだ。避けることができないなら燃やすまで。
「念力!」
俺がそう唱えながら弾丸に手を向けると弾丸はピタリと止まった。
「なっ――!?」
「甘いんだよ」
俺は弾丸をそのままIのところへ飛ばしたが、何故かIは言葉とは裏腹に脈は落ち着ていた。それは余裕の一言に尽きる。
バババババン!
そう激しい銃声が鳴った。どういう構造か分からないが、拳銃のような形をしているのに、リロード無しで弾をいくらでも発射できるらしい。全くもって出鱈目だ。
俺は必死に全ての弾丸。正確に言うと10発の弾丸を念力で止めた。その間にカリブデウスとスカーがIに襲い掛かる。
全ての弾を地面に落とした後、俺はIに向かって凍結を使った。希望通り、Iは氷漬けとなってしまう。
「今だ! カリブデウス! スカー!」
「おう!」
「御意!」
カリブデウス、スカーがそう返事をすると、カリブデウスは猛毒の吐息を。スカーは獄炎を繰り出す。
「悪の破壊光!」
俺の手から放たれた強力な邪悪で禍々しい闇のエネルギー光。そしてカリブデウスの毒の息と、スカーの地獄の業火の如く襲い掛かる炎の渦。これらの3つが氷漬けになっているIを襲った。普通の敵であればオーバーキルになっていても可笑しくは無い。
しかし――。
「今のは効いたわ」
そう言ってIは出てきた。白いローブが少し破れたくらいで大したダメージは与えていないように見える。この女もまた、なかなかの猛者だ。
「ったく――奴の耐久力はどうなっている」
「ただ我の攻撃は効いているみたいだ。毒の耐性は持っていないらしい」
「カリブデウスの毒は神経毒だからな。そのうち奴の神経に危害を及ぼすはず。奴の動きが鈍くなってきたところで、ありったけの力でアルティメットスキルなり、アクティブスキルを放つといい」
「分かっている」
「これからが本番というものだな」
カリブデウスとスカーはそう意気込んでいた。流石に俺もMPを使いすぎているのでギアをあげないとマズイ。
「魔界の扉」
俺がそう詠唱を行うと、Lは身動きが全く取れない状態になった。いつも突如現れる高さ10m程の巨大な黒い門。門には様々な魔族が描かれている。そのなかには俺の親父も描かれているらしい。まあ顔は知らんから誰なのか分からんがな。
「お前はこれで終わりだ」
「クソ――このタイミングでこんな大技を――!?」
全く身動きが取れないLは相当焦っていた。まあこのアクティブスキルはアルティメットスキルの強力さと変わらないからな。奴が魔族でなければ、今から行われる拷問は死にたくなるほど苦しいだろう。
「戻ってきたら殺してやる」
「やってみろよ」
俺がそう吐き捨てると、扉は閉まってしまい、Lは魔界へと放り込まれた。
「出て来ても、奴は廃人となっているはずだ。それより――」
Lでも十分強かった。何なら隠し種はあれだけじゃ無くても可笑しくは無い。勝負を純粋に楽しみたい気持ちがあるが、如何せん2人が心配だ。
俺は2人が戦闘しているところに乱入した。ちょうど2人が息を切らして、金色蛇の仮面を付けた人物を睨めつけているところだった。
「また増えたのね」
そう冷たく言い放ったのは女だった。俺が今まで会った創世の幹部で女は初だ。手には拳銃を持っている。勿論殺戮の腕も装着している。
「奴の名前は?」
「奴の名前はIと言うらしい。避けても避けても銃を当ててくる。近距離で詰めても殺戮の腕の性能が強力で防戦一方だ」
スカーが俺にそう説明をしてくれた。
「加えて、あの銃は特注の弾丸を使用しているらしく一発一発が重い」
そうカリブデウスが続けた。
「まあ死んでいないなら大丈夫だろ」
「言っておくがフラフラだ。眩暈もする」
「――そうか」
てっきり「我がそんな事で倒れるはずがないだろう! 誰だと思っているのだ!」とか言いそうな勢いなのにこれは予想外。この馬鹿が俺に全く突っかかってこないのは相当疲労しているな。何ならカリブデウスはすでにピンチの状態に陥っていると言っていい。
「分かった。奴の銃弾が必ず当たるのであれば、対策としては武器でガードするしかないな」
「そうだ。なのでカリブデウスは兵士を盾にしていた」
スカーがそう言ってたのでカリブデウスの方を再度見た。成程――確かに死体が転がっている――。
「貴方のお仲間さん。私の部下をゴミみたいに扱ったのよ? 許せないわ。非人道的行為ができるのも水蛇竜だからかしら?」
「いや、そういう機転は俺の真似だな。元々はこんな事をやるような奴では無かったし」
「――類は友を呼ぶとはこの事ね」
「お前達は敵だからな。敵の死体をどうしようが俺達からすれば何も関係ない。身の回りにあるのは最大限活用するさ」
「成程ね。一理あるわ。ただ非人道的という事実は変わりない。貴方達を殺す」
そう言って女は銃を何発も連射してきた。俺、カリブデウス、スカーに1発ずつだ。避けることができないなら燃やすまで。
「念力!」
俺がそう唱えながら弾丸に手を向けると弾丸はピタリと止まった。
「なっ――!?」
「甘いんだよ」
俺は弾丸をそのままIのところへ飛ばしたが、何故かIは言葉とは裏腹に脈は落ち着ていた。それは余裕の一言に尽きる。
バババババン!
そう激しい銃声が鳴った。どういう構造か分からないが、拳銃のような形をしているのに、リロード無しで弾をいくらでも発射できるらしい。全くもって出鱈目だ。
俺は必死に全ての弾丸。正確に言うと10発の弾丸を念力で止めた。その間にカリブデウスとスカーがIに襲い掛かる。
全ての弾を地面に落とした後、俺はIに向かって凍結を使った。希望通り、Iは氷漬けとなってしまう。
「今だ! カリブデウス! スカー!」
「おう!」
「御意!」
カリブデウス、スカーがそう返事をすると、カリブデウスは猛毒の吐息を。スカーは獄炎を繰り出す。
「悪の破壊光!」
俺の手から放たれた強力な邪悪で禍々しい闇のエネルギー光。そしてカリブデウスの毒の息と、スカーの地獄の業火の如く襲い掛かる炎の渦。これらの3つが氷漬けになっているIを襲った。普通の敵であればオーバーキルになっていても可笑しくは無い。
しかし――。
「今のは効いたわ」
そう言ってIは出てきた。白いローブが少し破れたくらいで大したダメージは与えていないように見える。この女もまた、なかなかの猛者だ。
「ったく――奴の耐久力はどうなっている」
「ただ我の攻撃は効いているみたいだ。毒の耐性は持っていないらしい」
「カリブデウスの毒は神経毒だからな。そのうち奴の神経に危害を及ぼすはず。奴の動きが鈍くなってきたところで、ありったけの力でアルティメットスキルなり、アクティブスキルを放つといい」
「分かっている」
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