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ヴァース島からの脱出
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私達は案の定敵に見つかってしまって、飛行で逃げている所だった。私は天使の翼を使い、ランベリオンさんはアマミヤさんを乗せ、フーちゃんは自身の翼を使い、アヌビスは金色の杖の不思議な力で飛行を可能にして、メルム・ヴィジャもその恩恵を使って、全員飛行で逃げていた。
追手も創世の空中戦闘員という戦力がいて、ドラゴノイドという竜と人間の混合種や、魔物と人間の混合種などが私達を追って来ていた。
「本当にもう、また新しい敵が次々と出てくるわね」
そう言ってランベリオンさんに乗っているアマミヤさんは悪の破壊光を使って追手を払っていた。
「仕方ないだろう」
そう言って後ろ向きで灼炎や雷光を使って敵を撃墜しているのはアヌビスだった。Qとは激闘を繰り広げていたのに、今ではアクティブスキルを連発することができる程余力を残している。
「キリが無いな。憤怒の大災害を使うか――」
「絶対に駄目。そんなの使ったら地獄の果てまで追いかけてくるよ!」
「ぬうう……」
アヌビスはそう唸っていた。そんな時だ――。
「予測通り面倒ごとに巻き込まれているようだな」
突如現れて私にそう飛びながら話しかけてきたのは青龍さんだった。
「どうしてここに!?」
「アリシアが戻って来たから面倒ごとに巻き込まれているだろうと思ってな」
「青龍様! ご無沙汰しております!」
そう少し高揚している様子で青龍さんに話しかけたのはランベリオンだった。アマミヤさんも「こんにちは」と声をかけていた。
「ランベリオン息災だったか」
「勿論です。青龍様も何よりのようで」
「そちらの2人は?」
青龍さんはフーちゃんとメルム・ヴィジャの事を気にかけていた。
「味方です」
「そうか。話は後だ。ここにいる全員の事を認知できたので余は一旦戻ってお主達をマーズベルに強制的に呼ぶ。ここは特殊な結界が施されているようだから、ミク殿の加護で効果を受けないようにしておけ」
一瞬意味が分からなかったけど、青龍さんの力なら全員この場から一瞬で脱出できる。
「――そうか! 強制転移ですね!?」
「そうだ! 15秒後に実行する。それだけあれば準備できるな?」
「はい!」
私がそう返事をすると「頼んだ」と言って青龍さんは姿を消した。
「さっきの龍族、随分と都合のいいスキルを持っていたな」
「大分珍しいスキルだけどね。さあ皆私の周りに集まって!」
私のその掛け声で皆が集まった。それを確認した私はこう唱えた。
「風精霊の加護!」
これを唱えた事によって、周囲の味方はあらゆる風の影響を受けない。また、妨害無効Ⅴという少し珍しいパッシブスキルを一時期的に付与することができる。
私がスキルを付与したほんの1、2秒後に私達は白い光の渦の中に迷い込んだ。これは強制転移の中の時空間だ。
その空間にほんの3秒ほど留まった後、景色は一気に別のものへと変わった。
「ナリユキ君!」
「ミクちゃん! 皆! 無事だったか!」
ナリユキ君が手を広げてくれていたので私は真っ先に飛び込んだ。
「本当に仲良いわね」
「羨ましいのだろう?」
そう、ランベリオンとアマミヤさんがやりとりしているのはひとまず置いておこう。
「そっちの2人は?」
ナリユキ君がそう質問をぶつけてきた。
「私は不死鳥だ。名前はとかは特に無いので好きに呼ぶとよい。ここの皆にはフーちゃんと呼ばれている」
「俺はナリユキ・タテワキ。マーズベルの国主だ。フーちゃん宜しくな!」
と、ナリユキ君が手を差し伸べると、フーちゃんはナリユキ君の手を握っていた。
「我はメルム・ヴィジャだ。アヌビス様の僕だ」
そうメルム・ヴィジャが挨拶をすると僕という言葉に一瞬戸惑いながらも「宜しく」と言った。
「我は人間と馴れ合う気はない」
と、鼻を鳴らしたので、ナリユキ君は苦笑を浮かべていた。そしてその横暴な態度にアリシアさんがメルム・ヴィジャに殺意を向けていた。
「何か言いたげだな?」
「挨拶くらいはしたほうがいいですよ」
と、満面の笑みを浮かべているので逆に怖い。
「カーネル王様も。クロノスさもいたんですね!」
「やあ! 無事で何よりだよ」
「ミク様の笑顔を見れて安心ですよ。皆様もご無事で何よりです」
と、クロノスさんんがランベリオンさんや、アマミヤさんにもそう声をかけていた。
そして、私のなかで気になるのはレイに捕らえられているコードだけど――。
「気になるのか? ミク・アサギ」
「そりゃね! もう捕まえたの?」
「そうだ。ナリユキ様がコードから情報は奪っているから、情報を擦り合わせた方がいいだろうな」
「そうだね。アリシアさんがそっちに戻った後、フーちゃんから得た情報があるからまずは報告するね」
「結局私の小太刀取り返せなかった」
「我の刀もだ」
ランベリオンさんとアマミヤさんがそうショックを受けているところ。
「後でベリトに造ってもらったらいいだろ? 前のよりいいの造ることができるさ」
と笑顔を浮かべていた。
「ありがとう!」
と、2人して大きな声でお礼を述べていた。
「とりあえず中へ入ろう。レイ、悪いけどコードを収監しておいてくれ」
「かしこまりました」
するとレイはコードを連れてワイズを収監している場所へと向かっていた。そして、私達は館へと戻って、幹部も一旦全員集めて情報を整理する事となった。
追手も創世の空中戦闘員という戦力がいて、ドラゴノイドという竜と人間の混合種や、魔物と人間の混合種などが私達を追って来ていた。
「本当にもう、また新しい敵が次々と出てくるわね」
そう言ってランベリオンさんに乗っているアマミヤさんは悪の破壊光を使って追手を払っていた。
「仕方ないだろう」
そう言って後ろ向きで灼炎や雷光を使って敵を撃墜しているのはアヌビスだった。Qとは激闘を繰り広げていたのに、今ではアクティブスキルを連発することができる程余力を残している。
「キリが無いな。憤怒の大災害を使うか――」
「絶対に駄目。そんなの使ったら地獄の果てまで追いかけてくるよ!」
「ぬうう……」
アヌビスはそう唸っていた。そんな時だ――。
「予測通り面倒ごとに巻き込まれているようだな」
突如現れて私にそう飛びながら話しかけてきたのは青龍さんだった。
「どうしてここに!?」
「アリシアが戻って来たから面倒ごとに巻き込まれているだろうと思ってな」
「青龍様! ご無沙汰しております!」
そう少し高揚している様子で青龍さんに話しかけたのはランベリオンだった。アマミヤさんも「こんにちは」と声をかけていた。
「ランベリオン息災だったか」
「勿論です。青龍様も何よりのようで」
「そちらの2人は?」
青龍さんはフーちゃんとメルム・ヴィジャの事を気にかけていた。
「味方です」
「そうか。話は後だ。ここにいる全員の事を認知できたので余は一旦戻ってお主達をマーズベルに強制的に呼ぶ。ここは特殊な結界が施されているようだから、ミク殿の加護で効果を受けないようにしておけ」
一瞬意味が分からなかったけど、青龍さんの力なら全員この場から一瞬で脱出できる。
「――そうか! 強制転移ですね!?」
「そうだ! 15秒後に実行する。それだけあれば準備できるな?」
「はい!」
私がそう返事をすると「頼んだ」と言って青龍さんは姿を消した。
「さっきの龍族、随分と都合のいいスキルを持っていたな」
「大分珍しいスキルだけどね。さあ皆私の周りに集まって!」
私のその掛け声で皆が集まった。それを確認した私はこう唱えた。
「風精霊の加護!」
これを唱えた事によって、周囲の味方はあらゆる風の影響を受けない。また、妨害無効Ⅴという少し珍しいパッシブスキルを一時期的に付与することができる。
私がスキルを付与したほんの1、2秒後に私達は白い光の渦の中に迷い込んだ。これは強制転移の中の時空間だ。
その空間にほんの3秒ほど留まった後、景色は一気に別のものへと変わった。
「ナリユキ君!」
「ミクちゃん! 皆! 無事だったか!」
ナリユキ君が手を広げてくれていたので私は真っ先に飛び込んだ。
「本当に仲良いわね」
「羨ましいのだろう?」
そう、ランベリオンとアマミヤさんがやりとりしているのはひとまず置いておこう。
「そっちの2人は?」
ナリユキ君がそう質問をぶつけてきた。
「私は不死鳥だ。名前はとかは特に無いので好きに呼ぶとよい。ここの皆にはフーちゃんと呼ばれている」
「俺はナリユキ・タテワキ。マーズベルの国主だ。フーちゃん宜しくな!」
と、ナリユキ君が手を差し伸べると、フーちゃんはナリユキ君の手を握っていた。
「我はメルム・ヴィジャだ。アヌビス様の僕だ」
そうメルム・ヴィジャが挨拶をすると僕という言葉に一瞬戸惑いながらも「宜しく」と言った。
「我は人間と馴れ合う気はない」
と、鼻を鳴らしたので、ナリユキ君は苦笑を浮かべていた。そしてその横暴な態度にアリシアさんがメルム・ヴィジャに殺意を向けていた。
「何か言いたげだな?」
「挨拶くらいはしたほうがいいですよ」
と、満面の笑みを浮かべているので逆に怖い。
「カーネル王様も。クロノスさもいたんですね!」
「やあ! 無事で何よりだよ」
「ミク様の笑顔を見れて安心ですよ。皆様もご無事で何よりです」
と、クロノスさんんがランベリオンさんや、アマミヤさんにもそう声をかけていた。
そして、私のなかで気になるのはレイに捕らえられているコードだけど――。
「気になるのか? ミク・アサギ」
「そりゃね! もう捕まえたの?」
「そうだ。ナリユキ様がコードから情報は奪っているから、情報を擦り合わせた方がいいだろうな」
「そうだね。アリシアさんがそっちに戻った後、フーちゃんから得た情報があるからまずは報告するね」
「結局私の小太刀取り返せなかった」
「我の刀もだ」
ランベリオンさんとアマミヤさんがそうショックを受けているところ。
「後でベリトに造ってもらったらいいだろ? 前のよりいいの造ることができるさ」
と笑顔を浮かべていた。
「ありがとう!」
と、2人して大きな声でお礼を述べていた。
「とりあえず中へ入ろう。レイ、悪いけどコードを収監しておいてくれ」
「かしこまりました」
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