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コードを捕らえろ
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「配置についたか?」
「はい」
私はレイ達を従えてボスの帰りをヘリポートでメリーザと待っていた。城の周りはレイ達が念の為に私の援護をできるように配置についている。
しばらく待っていると上空からヘリコプターの音がした。ゆっくりと目の前にあるヘリポートに向かって降りてくる。
ヘリコプターが完璧に着陸してしばらくするとボスが出て来た。他にもボスの側近が2人いる。
ボスが眉を寄せて顔がしかめっ面になっていた。
「お前が出迎えに来てくれるとは珍しいな」
私に気付くなり、ボスの機嫌はさらに悪くなっていた。
「マカロフ。正直に言え」
ボスはそう言って私を睨めつけてきていた。
「お前達がマーズベルとこの城を出入りしているという話を聞く。何をしに行っているんだ?」
「何のことでしょうか?」
「とぼけるな!」
ボスはそう言って私の胸倉を掴んできた。
「聞いたぞ!? マーズベルで何かコソコソしているとな! まさかナリユキ・タテワキに寝返ったんじゃないだろうな!?」
「メリーザ!」
「はい」
ボスはそう言ってメリーザに声をかけた。
「コイツを殺せ」
ボスはそう鬼のような形相でメリーザに命令をした。勿論メリーザは「かしこまりました」とだけ言ってボスに風の衝撃波を当てて、私から引きはがした。
ボスは吹き飛んで尻餅をついていた。
「貴様等――!」
そう言って睨めつけてくるボス――。
「私に手をかけるとは――! オブリア! サイント! この2人を片付けろ!」
側近のオブリアとサイント――。サングラスをつけて黒いスーツを着た男達だ。前の世界のSPのような風貌だ。
「やれ!」
私がそう言うとレイ達の暗殺部隊が飛び出して来た。そしてオブリアとサイントはレイ達暗殺部隊によって絶命してしまった。
「貴様等もか!?」
「ええ。俺達は元々黒の殲滅軍だ。リーダーはアンタじゃない」
「マカロフ! 恩を仇で返す気か!?」
「感謝はしている。しかし、無害の兵達を殺そうとしたのはどうしても解せない。アンタが口封じに殺そうとしたメリーザもすっかり元気だ」
すると、ボスは顔色が一気に青褪めた。
「どうした? 当たっているだろ?」
「知らない! 何故部下を殺すような真似をするのだ! 襲撃したのはマーズベルの人間だぞ!?」
「残念ながらそれはない。ナリユキ・タテワキが仮に犯人だとすれば、私達を倒した後、何の交渉もしていないのに、薬を持って、危険を冒してまでここに来てメリーザ達を助けるだろうか?」
「ぬっ……」
私がそう言うとボスは言葉を詰まらせていた。
「何も言えないようだな。それにナリユキ・タテワキはアンタが知っていた通り、メリーザと裏で協力していた。確かに裏切るのは敵同士だから十分に有り得るが、情報が揃っていない段階でメリーザを殺すメリットがどこにある? 」
「貴様等――!」
ボスはそう言って私、メリーザ、レイを睨めつけた。焦燥感もある。恨みもある。悔しさもある。彼の目には色々な感情が籠っていた。
「さあ吐いてもらおうか。Qの正体を――」
「貴様等にあの方の事など喋るものか!」
ボスはそう言って回転式拳銃のコルト・パイソンを取り出した。レイはその瞬間、ボスの首元に小太刀を突き付けた。
「状況が分かっていないようだな。このまま首を刎ねられたいのか?」
レイがそう言うとボスの顔はさらに青褪めていた。
「まさか貴様達がノックをやったのか!?」
「そんなことはどうでもいいだろう。話せ」
私がそう言うとボスの顔は心なしか一気に老いた。完全に逃げ場を無くしてしまったのを悟り、絶望の淵に立たされているといったところか。
「ロクな死に方せんぞ貴様等……」
「黒の殲滅軍という組織のリーダーである以上私はロクな死に方しない。そもそもこの世界に来た時の死に方もロクでは無かったからな。しかし、アンタには言われたくない。アンタも色々と裏で人を殺しまくっていた人間じゃないか」
「ぐううう……」
「こっちには死んだ後でもアンタの情報を奪えるスキルと、生きている間にアンタの情報を奪う事ができるスキルがある。吐かずとも情報は取れるんだぞ?」
私がそう言うとボスはさらに表情を強張らせていた。
「じゃあもしかして――!?」
「ああ。Qの正体は知っている」
「なんてことだ――!」
ボスはそう言って地面を拳で何度も殴り始めた。次第に拳は血に染められていた。
「残念ながらログウェルも終わりだ。アンタにはマーズベルに来てもらうぞ? ナリユキ・タテワキ閣下をこっちまで足を運んでもらうのは申し訳ないのでね」
私がナリユキ・タテワキ閣下と主張すると、ボスは――。
「完全に寝返ったのだな?」
「私は私なりの正義を貫き通す。今までとは違う形でこの世の中に貢献する。それがマーズベルにいると叶えられると思ったからな。勿論、ナリユキ・タテワキ閣下に借りがあるという要素も入っているがな」
「ログウェルの闇はアードルハイム並みに深いと感じましたからね。元より私はナリユキ・タテワキという偉大な人間性に魅力を感じておりました。レイもついてくるのは意外でしたが」
「そうか? 単純にマカロフ卿の判断は正しいと思っただけだ。別にマーズベルがどうとかではない」
「ということだ。ついてきてもらうぞ?」
ボスは完全に諦めていた。レイの暗殺部隊に人間に枷を嵌められたボスはもう何もすることができない。その無力なボスは私達はマーズベルへとオスプレイで連行するのだった。
「はい」
私はレイ達を従えてボスの帰りをヘリポートでメリーザと待っていた。城の周りはレイ達が念の為に私の援護をできるように配置についている。
しばらく待っていると上空からヘリコプターの音がした。ゆっくりと目の前にあるヘリポートに向かって降りてくる。
ヘリコプターが完璧に着陸してしばらくするとボスが出て来た。他にもボスの側近が2人いる。
ボスが眉を寄せて顔がしかめっ面になっていた。
「お前が出迎えに来てくれるとは珍しいな」
私に気付くなり、ボスの機嫌はさらに悪くなっていた。
「マカロフ。正直に言え」
ボスはそう言って私を睨めつけてきていた。
「お前達がマーズベルとこの城を出入りしているという話を聞く。何をしに行っているんだ?」
「何のことでしょうか?」
「とぼけるな!」
ボスはそう言って私の胸倉を掴んできた。
「聞いたぞ!? マーズベルで何かコソコソしているとな! まさかナリユキ・タテワキに寝返ったんじゃないだろうな!?」
「メリーザ!」
「はい」
ボスはそう言ってメリーザに声をかけた。
「コイツを殺せ」
ボスはそう鬼のような形相でメリーザに命令をした。勿論メリーザは「かしこまりました」とだけ言ってボスに風の衝撃波を当てて、私から引きはがした。
ボスは吹き飛んで尻餅をついていた。
「貴様等――!」
そう言って睨めつけてくるボス――。
「私に手をかけるとは――! オブリア! サイント! この2人を片付けろ!」
側近のオブリアとサイント――。サングラスをつけて黒いスーツを着た男達だ。前の世界のSPのような風貌だ。
「やれ!」
私がそう言うとレイ達の暗殺部隊が飛び出して来た。そしてオブリアとサイントはレイ達暗殺部隊によって絶命してしまった。
「貴様等もか!?」
「ええ。俺達は元々黒の殲滅軍だ。リーダーはアンタじゃない」
「マカロフ! 恩を仇で返す気か!?」
「感謝はしている。しかし、無害の兵達を殺そうとしたのはどうしても解せない。アンタが口封じに殺そうとしたメリーザもすっかり元気だ」
すると、ボスは顔色が一気に青褪めた。
「どうした? 当たっているだろ?」
「知らない! 何故部下を殺すような真似をするのだ! 襲撃したのはマーズベルの人間だぞ!?」
「残念ながらそれはない。ナリユキ・タテワキが仮に犯人だとすれば、私達を倒した後、何の交渉もしていないのに、薬を持って、危険を冒してまでここに来てメリーザ達を助けるだろうか?」
「ぬっ……」
私がそう言うとボスは言葉を詰まらせていた。
「何も言えないようだな。それにナリユキ・タテワキはアンタが知っていた通り、メリーザと裏で協力していた。確かに裏切るのは敵同士だから十分に有り得るが、情報が揃っていない段階でメリーザを殺すメリットがどこにある? 」
「貴様等――!」
ボスはそう言って私、メリーザ、レイを睨めつけた。焦燥感もある。恨みもある。悔しさもある。彼の目には色々な感情が籠っていた。
「さあ吐いてもらおうか。Qの正体を――」
「貴様等にあの方の事など喋るものか!」
ボスはそう言って回転式拳銃のコルト・パイソンを取り出した。レイはその瞬間、ボスの首元に小太刀を突き付けた。
「状況が分かっていないようだな。このまま首を刎ねられたいのか?」
レイがそう言うとボスの顔はさらに青褪めていた。
「まさか貴様達がノックをやったのか!?」
「そんなことはどうでもいいだろう。話せ」
私がそう言うとボスの顔は心なしか一気に老いた。完全に逃げ場を無くしてしまったのを悟り、絶望の淵に立たされているといったところか。
「ロクな死に方せんぞ貴様等……」
「黒の殲滅軍という組織のリーダーである以上私はロクな死に方しない。そもそもこの世界に来た時の死に方もロクでは無かったからな。しかし、アンタには言われたくない。アンタも色々と裏で人を殺しまくっていた人間じゃないか」
「ぐううう……」
「こっちには死んだ後でもアンタの情報を奪えるスキルと、生きている間にアンタの情報を奪う事ができるスキルがある。吐かずとも情報は取れるんだぞ?」
私がそう言うとボスはさらに表情を強張らせていた。
「じゃあもしかして――!?」
「ああ。Qの正体は知っている」
「なんてことだ――!」
ボスはそう言って地面を拳で何度も殴り始めた。次第に拳は血に染められていた。
「残念ながらログウェルも終わりだ。アンタにはマーズベルに来てもらうぞ? ナリユキ・タテワキ閣下をこっちまで足を運んでもらうのは申し訳ないのでね」
私がナリユキ・タテワキ閣下と主張すると、ボスは――。
「完全に寝返ったのだな?」
「私は私なりの正義を貫き通す。今までとは違う形でこの世の中に貢献する。それがマーズベルにいると叶えられると思ったからな。勿論、ナリユキ・タテワキ閣下に借りがあるという要素も入っているがな」
「ログウェルの闇はアードルハイム並みに深いと感じましたからね。元より私はナリユキ・タテワキという偉大な人間性に魅力を感じておりました。レイもついてくるのは意外でしたが」
「そうか? 単純にマカロフ卿の判断は正しいと思っただけだ。別にマーズベルがどうとかではない」
「ということだ。ついてきてもらうぞ?」
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