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ミクの奮闘Ⅲ
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「私の事をコケにしてくれた分存分に可愛がってやるぞ小娘。なかなかの上玉だ」
そう言って飛び出して来たのは、エロい目をした悪魔のRだ。私は光剣を伸ばして攻撃を仕掛けた。
すると偽物のRは空中でくるっと回転して私の光剣の攻撃を避けてビームサーベルを振りかざして来た。
その隙に本物を含めた2人のRがいなくなっていた。単純に考えれば、私の頭上からか後ろから襲い掛かって来る。
「聖なる波動!」
私は両手を大きく広げながらそう唱えた。すると、3人のRは後ろに吹き飛んだ。既にこの時点で2人がどっちがどっちか分からなかったけど、一太刀を入れた悪魔のRだけは捉えていた。この3人の中では警戒心が一番薄いから、後ろに回り込んで背中を逆袈裟で切り伏せる。
「いったあああ!」
また喰らうんかい。さらにもう一太刀浴びせようとした時に、左方向から殺気を感じた。どっちのRかは分からないけど、ビームサーベルでの攻撃を受け止めた。
魔石の力で強化されている力なのかな? 鍔迫り合いが今にも負けそうだ――!
「ナイスだ」
頭上からそう声がした。Rの拳は光り続けている。
「しまっ――」
私がそう声を漏らしたときに、「彗星撃!」と勢いのある詠唱と同時に私は床に叩きつけられた。身体には強化と身体向上をかけているのに、全身の骨が砕かれたかのように痛かった。彗星撃は元々ふざけた威力のアクティブスキルなのに、魔石の強化か、悪魔の力がそもそも強いのか分からないけど一撃が強烈すぎた。
私は痛みに堪えながら体を起こそうとした時だった。
「喰らえ破壊の滅殺光!」
今度は何と! 3人が一斉に破壊の滅殺光を発射してきた。相変わらずとんでもないエネルギーの集合体だ。
「星光の聖域!」
私が膝をついている場所を中心に魔法陣が描かれて、それを目印に光が私を包み込む。すると、3人の破壊の滅殺光を無力化した。
「流石だな。これほど熟練度が高い星光の聖域は初めて見た。アルティメットスキルすらも無力化されそうだ」
「星光の聖域の効果は原則ユニークスキル以外の攻撃から身を守ることができるが、その分MPの消費量も多い」
「ああそうだ。しかし、小娘は息一つ切れしていない。相当使い慣れているのだろう」
と、何故か分からないけど感心されていた。一方、1人のRは話に入っていなかった。あれ、絶対に悪魔のRだ。しかも駄々っ子のほう。
「油断するなよ?」
と、悪魔のRが私にそう言ってきた。風を切っている音がする。右だ――!
右を振り向くと、殺戮の腕が飛んできていた。私は殺戮の腕をそのまま掴み取りした。
「なにぃぃぃ!?」
そのリアクションを見て私は思わずニマ~と笑みを浮かべてしまった。多分鏡で見たら凄い顔をしていると思う。
この殺戮の腕は義手のタイプだ。ナリユキ君が持っていた装着型とは違う。使い方も分からないから殺戮の腕を宙に投げて――。
「燦爛の光線!」
私の掌から極大で美しく輝く光が放たれた。
「――あれ?」
私がそう声を漏らすと、悪魔のRが「キャキャキャ!」と凄い嬉しそうに笑っていた。
「さっきのは演技だ。殺戮の腕がそう簡単に破壊できるものか! ましてや、その殺戮の腕は変身で作った偽物だ!」
と、指を指しながら涙目になって嘲笑されていた。久々に凄くムカつく。
「よそ見をしている暇はないぞ」
そう後ろから声がした。Rは全身に雷を帯びていた。
「雷光波!」
そう言って放たれたのは波のような形で襲い掛かってくる雷の攻撃――。雷のスキルを持つ人間や魔物が割と少ないので、この雷光波を見る事がそもそも少ない。カルベリアツリーのダンジョンで1、2回見たことがある程度だったけど、その当時は魔物が弱かったから大して強くなかった。しかし今回Rが放った雷光波はひと味違う。
私がカルベリアツリーのダンジョンで見た雷光波の練度が低かったのか、雷と雷の幅が数十cm程の間隔で連なっており、それが波のように襲ってきていた。しかし今回の雷光波は雷の幅がほんの数mmという世界――。そしてその1つ1つの雷に強力な力を感じる――。
間に合わない――。
私は咄嗟に星光の聖壁を展開したけど――。
「クッ――」
数か所当たったことにより、体に雷の痛みがビリビリと駆け巡った。同時に「隙あり!」という声と共に、背中に強烈な痛みが走った。
瞬時に硬質化の強化をかけたけど痛烈な痛みが全身を駆け巡った。ビームサーベルで背中を斬られたんだ。背中がものすごく熱い――。それに意識が飛びそうだ――。
私は何とか踏みとどまった。するとRが「ほう」と得意気に笑みを浮かべていた。正直、自力でもここまで強いとは思わなかった。双子の悪戯という強力なユニークスキルの打開策が見当たらない。
「降参してもよいのだぞ?」
「そうだ。このスキルの前ではどれだけの達人だろうと子供同然だ――」
「私の力が殺戮の腕だけではないって事が分かったようだな」
口調は全員合っている。だから私は誰が誰だか全く分からなかった。
「さあて本格的に悪戯を開始するぞ」
と、舌なめずりをしているのが1人いたので、これは確実に悪魔のRだ。
私は息を切らしながらも極力見られないように、光剣を杖代わりにしながら、左手で回復を行って背中を治療していた。
「回復済みそうか?」
「やっぱりバレてた?」
「お互いに鑑定士Ⅵなのだ。当たり前だろう」
そう言ってRは口角を吊り上げた。それが妙に不気味だったけどその意味が直ぐに分かった。いつもなら瞬時に傷を治せるはずなのに、なかなか出血が収まらない――!
そう言って飛び出して来たのは、エロい目をした悪魔のRだ。私は光剣を伸ばして攻撃を仕掛けた。
すると偽物のRは空中でくるっと回転して私の光剣の攻撃を避けてビームサーベルを振りかざして来た。
その隙に本物を含めた2人のRがいなくなっていた。単純に考えれば、私の頭上からか後ろから襲い掛かって来る。
「聖なる波動!」
私は両手を大きく広げながらそう唱えた。すると、3人のRは後ろに吹き飛んだ。既にこの時点で2人がどっちがどっちか分からなかったけど、一太刀を入れた悪魔のRだけは捉えていた。この3人の中では警戒心が一番薄いから、後ろに回り込んで背中を逆袈裟で切り伏せる。
「いったあああ!」
また喰らうんかい。さらにもう一太刀浴びせようとした時に、左方向から殺気を感じた。どっちのRかは分からないけど、ビームサーベルでの攻撃を受け止めた。
魔石の力で強化されている力なのかな? 鍔迫り合いが今にも負けそうだ――!
「ナイスだ」
頭上からそう声がした。Rの拳は光り続けている。
「しまっ――」
私がそう声を漏らしたときに、「彗星撃!」と勢いのある詠唱と同時に私は床に叩きつけられた。身体には強化と身体向上をかけているのに、全身の骨が砕かれたかのように痛かった。彗星撃は元々ふざけた威力のアクティブスキルなのに、魔石の強化か、悪魔の力がそもそも強いのか分からないけど一撃が強烈すぎた。
私は痛みに堪えながら体を起こそうとした時だった。
「喰らえ破壊の滅殺光!」
今度は何と! 3人が一斉に破壊の滅殺光を発射してきた。相変わらずとんでもないエネルギーの集合体だ。
「星光の聖域!」
私が膝をついている場所を中心に魔法陣が描かれて、それを目印に光が私を包み込む。すると、3人の破壊の滅殺光を無力化した。
「流石だな。これほど熟練度が高い星光の聖域は初めて見た。アルティメットスキルすらも無力化されそうだ」
「星光の聖域の効果は原則ユニークスキル以外の攻撃から身を守ることができるが、その分MPの消費量も多い」
「ああそうだ。しかし、小娘は息一つ切れしていない。相当使い慣れているのだろう」
と、何故か分からないけど感心されていた。一方、1人のRは話に入っていなかった。あれ、絶対に悪魔のRだ。しかも駄々っ子のほう。
「油断するなよ?」
と、悪魔のRが私にそう言ってきた。風を切っている音がする。右だ――!
右を振り向くと、殺戮の腕が飛んできていた。私は殺戮の腕をそのまま掴み取りした。
「なにぃぃぃ!?」
そのリアクションを見て私は思わずニマ~と笑みを浮かべてしまった。多分鏡で見たら凄い顔をしていると思う。
この殺戮の腕は義手のタイプだ。ナリユキ君が持っていた装着型とは違う。使い方も分からないから殺戮の腕を宙に投げて――。
「燦爛の光線!」
私の掌から極大で美しく輝く光が放たれた。
「――あれ?」
私がそう声を漏らすと、悪魔のRが「キャキャキャ!」と凄い嬉しそうに笑っていた。
「さっきのは演技だ。殺戮の腕がそう簡単に破壊できるものか! ましてや、その殺戮の腕は変身で作った偽物だ!」
と、指を指しながら涙目になって嘲笑されていた。久々に凄くムカつく。
「よそ見をしている暇はないぞ」
そう後ろから声がした。Rは全身に雷を帯びていた。
「雷光波!」
そう言って放たれたのは波のような形で襲い掛かってくる雷の攻撃――。雷のスキルを持つ人間や魔物が割と少ないので、この雷光波を見る事がそもそも少ない。カルベリアツリーのダンジョンで1、2回見たことがある程度だったけど、その当時は魔物が弱かったから大して強くなかった。しかし今回Rが放った雷光波はひと味違う。
私がカルベリアツリーのダンジョンで見た雷光波の練度が低かったのか、雷と雷の幅が数十cm程の間隔で連なっており、それが波のように襲ってきていた。しかし今回の雷光波は雷の幅がほんの数mmという世界――。そしてその1つ1つの雷に強力な力を感じる――。
間に合わない――。
私は咄嗟に星光の聖壁を展開したけど――。
「クッ――」
数か所当たったことにより、体に雷の痛みがビリビリと駆け巡った。同時に「隙あり!」という声と共に、背中に強烈な痛みが走った。
瞬時に硬質化の強化をかけたけど痛烈な痛みが全身を駆け巡った。ビームサーベルで背中を斬られたんだ。背中がものすごく熱い――。それに意識が飛びそうだ――。
私は何とか踏みとどまった。するとRが「ほう」と得意気に笑みを浮かべていた。正直、自力でもここまで強いとは思わなかった。双子の悪戯という強力なユニークスキルの打開策が見当たらない。
「降参してもよいのだぞ?」
「そうだ。このスキルの前ではどれだけの達人だろうと子供同然だ――」
「私の力が殺戮の腕だけではないって事が分かったようだな」
口調は全員合っている。だから私は誰が誰だか全く分からなかった。
「さあて本格的に悪戯を開始するぞ」
と、舌なめずりをしているのが1人いたので、これは確実に悪魔のRだ。
私は息を切らしながらも極力見られないように、光剣を杖代わりにしながら、左手で回復を行って背中を治療していた。
「回復済みそうか?」
「やっぱりバレてた?」
「お互いに鑑定士Ⅵなのだ。当たり前だろう」
そう言ってRは口角を吊り上げた。それが妙に不気味だったけどその意味が直ぐに分かった。いつもなら瞬時に傷を治せるはずなのに、なかなか出血が収まらない――!
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