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創世の軍団Ⅰ
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「捕らえろー!」
「奴等を殺せー!」
そう大勢の人達の声がした。この時点で私は悪い気しかしない――。
目を開けるとそこに映っていたのは白い鎧を着た兵士達だった。ざっと見ただけでも1,000人くらいはいそうだ。そしてその兵士と戦っているのは、ランベリオン、アマミヤさん、赤髪の知らない女性、3m程の長い銀髪に鎧を着た大男――のはず。後姿で髪が長いからどっちか分かりづらいけど、骨格は明らかに男だ。と、言いつつも稀に骨格が太い女の子もいるからな~。
辺りを見渡すと、コンクリートで出来た地下シェルターのようだった。吃驚するくらい現代的な造りだ。床から天井までの高さが30m程あるので、開放的過ぎて逆に気が遠くなる。
「どけ! 雑魚共!」
そう聞き覚えのある声がした。10人程の兵士が私の足元まで吹っ飛んで来た。兵士達は見事に気絶している――。
正面を見てみると黒い魔物が金色の杖をクルクルと器用に回していた。調査に行くって飛んで行ったアヌビスだ。
「ん? 小娘も来たのか。いきなり新しい気配がしたから新手かと思った」
「ちょっと状況が色々変わってね」
「そうか」
アヌビスは私と話をしながら白い鎧を着た兵士達を次々と薙ぎ払っていた。全て一撃で沈めている。
「余の実力くらいなると朝飯前だ。お主が来るということは急用なのだろう?」
「そうだけど、ここにいる人達結構強そうだから私も加勢するね」
「それは助かる。では余と今から競争しようか」
「――何か無謀な勝負な気がするけど」
「余はこの杖と拳しか使わん。その条件で余に勝ったら運命の羅針盤でお主の寿命と死因を教えてやろうではないか」
それは私がずっと気になっていたユニークスキルだ。以前からこの世界での寿命と死因って何なんだろうと思っていた。アヌビスは心を読むことができるから、そんな要求を出してきたんだろう。
「分かった! やろう!」
私のその声にランベリオンとアマミヤさんが反応した。何故かは分からないけど、ランベリオンは刀を持っていないし、アマミヤさんは小太刀を持っていない――。
「ミク殿どうしてここに!?」
「ちょっと状況が変わったからね。アマミヤさん刀とレイピアならどっちがいいですか?」
「え!? 申し訳ないわよ」
「いいからいいから。元々スキルは武器が無ければ私と同じで中距離と遠距離での攻撃しかできないですよね?」
「そうね――刀を借りていい?」
「勿論!」
私はアマミヤさんに刀を鞘に入った状態で放り投げた。アマミヤさんは「やっぱりいい刀ね」と言いながら抜刀した。
「アヌビスと勝負をするから要件は後で」
「分かった!」
と言ってランベリオンは一斉に襲い掛かって来た5人の兵士達を蹴散らしていた。
「それでは始めるぞ」
「ええ」
私がそう頷くとアヌビスはニッと口角を吊り上げた後、兵士達が密集している中に潜り込んだかと思えば、数十人の兵士達を一気に倒していた。攻撃された兵士達は超越者のスキル効果もあり完全に気絶指定していた。私も負けてられない。
「燦爛の光線!」
私は一気に倒すならMPを使った方がいい。私の掌から放たれた極大で美しく輝く光は見事に100人程を蹴散らした。とは言っても、ただの兵士だけど立ち上がって再度私に襲い掛かって来る敵もいた。私は容赦なくこのお気に入りのレイピアで切り伏せた。
「やるな」
アヌビスは振り返って私にそう言ってきた。勿論、アヌビスは不意打ちを仕掛けようとしてくる敵をノールックで倒していたりするので、まるでハリウッド映画のアクションシーンを見ているようだった。味方にアヌビスがいれば負ける気がしない。まるでナリユキ君と一緒にいるときのようだ。
「まあ奴とは戦闘値は同じだからな」
と言って杖を振り回して近付いて来る敵を次々と倒していく。私は再びアクティブスキルを使うことにした。
私の足元には光の魔法陣が出現する。
「させるか!」
敵兵は立ち止まることなく私に襲い掛かってきた。
「無限の光線園」
詠唱と同時に私の身体から大きな光が1つ現れた。そしてその光はやがて無数の光線となって部屋全体に行き渡る。その光に当たった壁はみるみると溶けていった。
このスキルは私が敵だと思った対象者にのみ直撃する光線。1つ1つの威力が高く、少し掠っただけでも皮膚が&剝がれるけど、この光線に関しては無数の光――その光が敵だけを無作為に襲う。当然、たくさん当たった人は酷い激痛と戦う事になる。と言うのも、身体に硫酸をかけれたかのような激痛が走ると共に、一部だけが釜茹でされているかのような熱さが襲い掛かるWパンチ。ぶっちゃけ威力が強すぎて鎧を着ている人にしか使いたくないスキルだ。強硬な防具に覆われていないと、死んだ方がマシなくらいの苦痛を与えてしまうからだ。
「なかなかやるな」
アヌビスがそう言うと、中央に立っていた残りの1人が地面に倒れた。私がこれで全滅させたから――。
「お主の勝ちでよい。ざっと200人くらいか」
アヌビスはそう言って転がっている敵兵を見て満足気な笑みを浮かべていた。
「流石にアクティブスキルを私だけが使ってもいいのはやりすぎたかもしれないね? それかレディファースト?」
「好きに捉えるがよい」
私とアヌビスがそう話をしていると、ランベリオンとアマミヤさん達が近付いて来た。
「奴等を殺せー!」
そう大勢の人達の声がした。この時点で私は悪い気しかしない――。
目を開けるとそこに映っていたのは白い鎧を着た兵士達だった。ざっと見ただけでも1,000人くらいはいそうだ。そしてその兵士と戦っているのは、ランベリオン、アマミヤさん、赤髪の知らない女性、3m程の長い銀髪に鎧を着た大男――のはず。後姿で髪が長いからどっちか分かりづらいけど、骨格は明らかに男だ。と、言いつつも稀に骨格が太い女の子もいるからな~。
辺りを見渡すと、コンクリートで出来た地下シェルターのようだった。吃驚するくらい現代的な造りだ。床から天井までの高さが30m程あるので、開放的過ぎて逆に気が遠くなる。
「どけ! 雑魚共!」
そう聞き覚えのある声がした。10人程の兵士が私の足元まで吹っ飛んで来た。兵士達は見事に気絶している――。
正面を見てみると黒い魔物が金色の杖をクルクルと器用に回していた。調査に行くって飛んで行ったアヌビスだ。
「ん? 小娘も来たのか。いきなり新しい気配がしたから新手かと思った」
「ちょっと状況が色々変わってね」
「そうか」
アヌビスは私と話をしながら白い鎧を着た兵士達を次々と薙ぎ払っていた。全て一撃で沈めている。
「余の実力くらいなると朝飯前だ。お主が来るということは急用なのだろう?」
「そうだけど、ここにいる人達結構強そうだから私も加勢するね」
「それは助かる。では余と今から競争しようか」
「――何か無謀な勝負な気がするけど」
「余はこの杖と拳しか使わん。その条件で余に勝ったら運命の羅針盤でお主の寿命と死因を教えてやろうではないか」
それは私がずっと気になっていたユニークスキルだ。以前からこの世界での寿命と死因って何なんだろうと思っていた。アヌビスは心を読むことができるから、そんな要求を出してきたんだろう。
「分かった! やろう!」
私のその声にランベリオンとアマミヤさんが反応した。何故かは分からないけど、ランベリオンは刀を持っていないし、アマミヤさんは小太刀を持っていない――。
「ミク殿どうしてここに!?」
「ちょっと状況が変わったからね。アマミヤさん刀とレイピアならどっちがいいですか?」
「え!? 申し訳ないわよ」
「いいからいいから。元々スキルは武器が無ければ私と同じで中距離と遠距離での攻撃しかできないですよね?」
「そうね――刀を借りていい?」
「勿論!」
私はアマミヤさんに刀を鞘に入った状態で放り投げた。アマミヤさんは「やっぱりいい刀ね」と言いながら抜刀した。
「アヌビスと勝負をするから要件は後で」
「分かった!」
と言ってランベリオンは一斉に襲い掛かって来た5人の兵士達を蹴散らしていた。
「それでは始めるぞ」
「ええ」
私がそう頷くとアヌビスはニッと口角を吊り上げた後、兵士達が密集している中に潜り込んだかと思えば、数十人の兵士達を一気に倒していた。攻撃された兵士達は超越者のスキル効果もあり完全に気絶指定していた。私も負けてられない。
「燦爛の光線!」
私は一気に倒すならMPを使った方がいい。私の掌から放たれた極大で美しく輝く光は見事に100人程を蹴散らした。とは言っても、ただの兵士だけど立ち上がって再度私に襲い掛かって来る敵もいた。私は容赦なくこのお気に入りのレイピアで切り伏せた。
「やるな」
アヌビスは振り返って私にそう言ってきた。勿論、アヌビスは不意打ちを仕掛けようとしてくる敵をノールックで倒していたりするので、まるでハリウッド映画のアクションシーンを見ているようだった。味方にアヌビスがいれば負ける気がしない。まるでナリユキ君と一緒にいるときのようだ。
「まあ奴とは戦闘値は同じだからな」
と言って杖を振り回して近付いて来る敵を次々と倒していく。私は再びアクティブスキルを使うことにした。
私の足元には光の魔法陣が出現する。
「させるか!」
敵兵は立ち止まることなく私に襲い掛かってきた。
「無限の光線園」
詠唱と同時に私の身体から大きな光が1つ現れた。そしてその光はやがて無数の光線となって部屋全体に行き渡る。その光に当たった壁はみるみると溶けていった。
このスキルは私が敵だと思った対象者にのみ直撃する光線。1つ1つの威力が高く、少し掠っただけでも皮膚が&剝がれるけど、この光線に関しては無数の光――その光が敵だけを無作為に襲う。当然、たくさん当たった人は酷い激痛と戦う事になる。と言うのも、身体に硫酸をかけれたかのような激痛が走ると共に、一部だけが釜茹でされているかのような熱さが襲い掛かるWパンチ。ぶっちゃけ威力が強すぎて鎧を着ている人にしか使いたくないスキルだ。強硬な防具に覆われていないと、死んだ方がマシなくらいの苦痛を与えてしまうからだ。
「なかなかやるな」
アヌビスがそう言うと、中央に立っていた残りの1人が地面に倒れた。私がこれで全滅させたから――。
「お主の勝ちでよい。ざっと200人くらいか」
アヌビスはそう言って転がっている敵兵を見て満足気な笑みを浮かべていた。
「流石にアクティブスキルを私だけが使ってもいいのはやりすぎたかもしれないね? それかレディファースト?」
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