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マカロフ卿から見たマーズベルⅥ
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「御言葉ですがマカロフ卿――私にはどうしても解せません」
そう発言したのはレイだった。
「どこがだ?」
「メリーザ達が助かっているのを確認しましたか?」
「そうだな一通りはな。確認方法としては、遠くの距離まで念話のように遠くにいる人と話をできるガラス玉を使ってメリーザと直接話をして確認した。そしてもう1つはその場にいた兵士達の記憶が合致しているかどうかだ。これはシンプルにナリユキ・タテワキがメリーザ達を助けに行ったという指示を出していたかどうかを知性・記憶の略奪と献上で確認した」
確かに「それなら――」と反対側の人間の何名かは納得していた。しかしそれでも勿論納得しない人間はいる――。
「マカロフ卿――貴方はナリユキ・タテワキへの憧れが強いです。それ故にいつもなら気付くべき点を素通りしています」
「というと?」
「1つ目の確認方法に関してはメリーザ達のなりすましをした人物と会話をした可能性があるという点です。確かに念話のように遠くの距離まで話すことができるガラス玉はあります。確か名前は通話ガラス玉。ブラックマーケットにも稀に出てくる代物ですね。あれは確かに顔を見て話すことができますが、本人という本当に話しているかを判別する機能はついていません。映っている兵士達ですら偽物の可能性は十分あります」
ごもっともな意見だ――。
「それにガープさんの知性・記憶の略奪と献上も本人も、共有される側には共有する知性や記憶は選べなかったはずです。仮にマカロフ卿が納得いくような言い方で、ナリユキ・タテワキが共有する知性と記憶を口に出しながら言ったとしても、その情報が本当かどうか分からないです。スキル効果は鑑定士で確認することができますが、細かいことは本人しか分かりませんからね」
「確かにその通りだ。それに今回の決定に関しては重要な事だ。それらが原因でついてこれないのであれば、ナリユキ閣下がオスプレイを貸してくれると言っている。それでログウェルまで向かい自分の目で確かめて来てもよい。それに、ついて来れないというのであれば、除隊してもらっても構わないと思っている」
マカロフ卿がそう言うと反対側の兵士達は神妙な顔つきをしていた。恐らくここにいる皆もマカロフ卿の世話になった人間達でもあるし、死線を潜り抜けた仲間と思っている者もいるだろう――。そんな想いがあるのに易々と辞めますと言えないのだろう。
メリーザといいレイといいマカロフ卿は本当に良い部下達を持っているなと思った。そこは俺と似ているかもしれない。俺にもその意見が納得できない。違うと思ったら発言してくれる仲間がいる。忠実そうに見えても、実はこういうところで小さな衝突をしているんだ。だからこそ、信頼し合っているだろうなと感じた。
「マカロフ卿の指示は確かに正しいものばかりです。しかし、今回の件に関してはどうも納得がいきません。私は自分の目で確かめたいと思います」
レイがそう言うと他の人間も挙手をして「見に行きたいです」と発言していた。結局反対側の人間はレイを入れて10人だった。
「ナリユキ閣下いいか?」
「ああ。勿論だ。戦力は強いに越したことはないしな」
「万が一――マーズベルの人間達が妙な真似をしていたら遠慮無く殺しにかかるぞ?」
「ああ――分かった。って言ってももう戻ってきているから多分会わないと思うぞ?」
「ではまたここに来て殺してやるから覚悟しておくんだな」
冗談キツイぜ。それに俺に挑んだところで犬死になるだけなのに――まあそれくらい意気込みなんだろうな。しかしまあ、報告だと無事に回復させることができたみたいだった。ベリト達は戻ってきているところだし、戻って来たタイミングで、記憶をレイ達に共有するればいいんだけど、多分直接見ないと信じ無いって事だろうしな。
そう思うと黒の殲滅軍って割と頭が固くて頑固な人多いよな。どれだけ俺が事実だと言っても認めてくれない――。
「これでとりあえず話はまとまったな。悪いがナリユキ閣下はオスプレイの準備を進めておいてくれ」
「でも運転できる奴いるのか? 今思ったけど」
「その心配はいらん。私が全員に戦闘機や輸送機の運転を叩きこんでいるからな。オスプレイも例外ではない」
「――凄すぎないそれ? つうか空軍じゃなかったよね?」
「反乱軍やっていたから一応技術的な事は知っているからな。ただ私の運転は荒いから人を乗せれたようなもんじゃない」
――それでマカロフ卿からパイロットの講習受けるのか。地獄だな。
「レイ達は準備が出来次第向かうのか?」
「勿論です」
「じゃあ俺は早速準備に取り掛かるわ。オスプレイはと――」
創造主でオスプレイを取り出すと、何名かの黒の殲滅軍の構成員は驚いていた。
「改めて見るとスッゲー!」
スーに関しては目をキラキラと輝かせていた。
「どうなっているの!?」
と、俺の目を真っすぐ見てきやがった。あの――眩しいです。
「スー。遊ぶな。ユニークスキルに原理なんて無い」
マカロフ卿は正論だけど身も蓋も無ぇな。
俺はそれから念話でミーシャに連絡をして燃料を持ってきてもらった。そこから準備はマカロフ卿達に頼んだ。マーズベルの国民には、昔空軍にいた日本人もいるから、うち取り扱うオスプレイもその人がいれば大丈夫だ。興味があったから、ログウェルに向かう時、離陸準備をしているところを立ち会っていたけど、正直うろ覚えだ。
「では気を付けてな」
マカロフ卿は葉巻を咥えながらオスプレイに乗り込む自分の部下を見守っていた。
「マカロフ卿も気を付けて下さい。皆も気は抜かないように」
レイがそう言うと、マカロフ卿以外の黒の殲滅軍の構成員が敬礼を行った。
「では行ってきます」
「ああ」
2人がそうやりとりしてレイが中に入ってくと、オスプレイのハッチが閉まった。数十秒ほどでプロペラが回転して無事に離陸し、レイ達はアジトへと戻った。
そう発言したのはレイだった。
「どこがだ?」
「メリーザ達が助かっているのを確認しましたか?」
「そうだな一通りはな。確認方法としては、遠くの距離まで念話のように遠くにいる人と話をできるガラス玉を使ってメリーザと直接話をして確認した。そしてもう1つはその場にいた兵士達の記憶が合致しているかどうかだ。これはシンプルにナリユキ・タテワキがメリーザ達を助けに行ったという指示を出していたかどうかを知性・記憶の略奪と献上で確認した」
確かに「それなら――」と反対側の人間の何名かは納得していた。しかしそれでも勿論納得しない人間はいる――。
「マカロフ卿――貴方はナリユキ・タテワキへの憧れが強いです。それ故にいつもなら気付くべき点を素通りしています」
「というと?」
「1つ目の確認方法に関してはメリーザ達のなりすましをした人物と会話をした可能性があるという点です。確かに念話のように遠くの距離まで話すことができるガラス玉はあります。確か名前は通話ガラス玉。ブラックマーケットにも稀に出てくる代物ですね。あれは確かに顔を見て話すことができますが、本人という本当に話しているかを判別する機能はついていません。映っている兵士達ですら偽物の可能性は十分あります」
ごもっともな意見だ――。
「それにガープさんの知性・記憶の略奪と献上も本人も、共有される側には共有する知性や記憶は選べなかったはずです。仮にマカロフ卿が納得いくような言い方で、ナリユキ・タテワキが共有する知性と記憶を口に出しながら言ったとしても、その情報が本当かどうか分からないです。スキル効果は鑑定士で確認することができますが、細かいことは本人しか分かりませんからね」
「確かにその通りだ。それに今回の決定に関しては重要な事だ。それらが原因でついてこれないのであれば、ナリユキ閣下がオスプレイを貸してくれると言っている。それでログウェルまで向かい自分の目で確かめて来てもよい。それに、ついて来れないというのであれば、除隊してもらっても構わないと思っている」
マカロフ卿がそう言うと反対側の兵士達は神妙な顔つきをしていた。恐らくここにいる皆もマカロフ卿の世話になった人間達でもあるし、死線を潜り抜けた仲間と思っている者もいるだろう――。そんな想いがあるのに易々と辞めますと言えないのだろう。
メリーザといいレイといいマカロフ卿は本当に良い部下達を持っているなと思った。そこは俺と似ているかもしれない。俺にもその意見が納得できない。違うと思ったら発言してくれる仲間がいる。忠実そうに見えても、実はこういうところで小さな衝突をしているんだ。だからこそ、信頼し合っているだろうなと感じた。
「マカロフ卿の指示は確かに正しいものばかりです。しかし、今回の件に関してはどうも納得がいきません。私は自分の目で確かめたいと思います」
レイがそう言うと他の人間も挙手をして「見に行きたいです」と発言していた。結局反対側の人間はレイを入れて10人だった。
「ナリユキ閣下いいか?」
「ああ。勿論だ。戦力は強いに越したことはないしな」
「万が一――マーズベルの人間達が妙な真似をしていたら遠慮無く殺しにかかるぞ?」
「ああ――分かった。って言ってももう戻ってきているから多分会わないと思うぞ?」
「ではまたここに来て殺してやるから覚悟しておくんだな」
冗談キツイぜ。それに俺に挑んだところで犬死になるだけなのに――まあそれくらい意気込みなんだろうな。しかしまあ、報告だと無事に回復させることができたみたいだった。ベリト達は戻ってきているところだし、戻って来たタイミングで、記憶をレイ達に共有するればいいんだけど、多分直接見ないと信じ無いって事だろうしな。
そう思うと黒の殲滅軍って割と頭が固くて頑固な人多いよな。どれだけ俺が事実だと言っても認めてくれない――。
「これでとりあえず話はまとまったな。悪いがナリユキ閣下はオスプレイの準備を進めておいてくれ」
「でも運転できる奴いるのか? 今思ったけど」
「その心配はいらん。私が全員に戦闘機や輸送機の運転を叩きこんでいるからな。オスプレイも例外ではない」
「――凄すぎないそれ? つうか空軍じゃなかったよね?」
「反乱軍やっていたから一応技術的な事は知っているからな。ただ私の運転は荒いから人を乗せれたようなもんじゃない」
――それでマカロフ卿からパイロットの講習受けるのか。地獄だな。
「レイ達は準備が出来次第向かうのか?」
「勿論です」
「じゃあ俺は早速準備に取り掛かるわ。オスプレイはと――」
創造主でオスプレイを取り出すと、何名かの黒の殲滅軍の構成員は驚いていた。
「改めて見るとスッゲー!」
スーに関しては目をキラキラと輝かせていた。
「どうなっているの!?」
と、俺の目を真っすぐ見てきやがった。あの――眩しいです。
「スー。遊ぶな。ユニークスキルに原理なんて無い」
マカロフ卿は正論だけど身も蓋も無ぇな。
俺はそれから念話でミーシャに連絡をして燃料を持ってきてもらった。そこから準備はマカロフ卿達に頼んだ。マーズベルの国民には、昔空軍にいた日本人もいるから、うち取り扱うオスプレイもその人がいれば大丈夫だ。興味があったから、ログウェルに向かう時、離陸準備をしているところを立ち会っていたけど、正直うろ覚えだ。
「では気を付けてな」
マカロフ卿は葉巻を咥えながらオスプレイに乗り込む自分の部下を見守っていた。
「マカロフ卿も気を付けて下さい。皆も気は抜かないように」
レイがそう言うと、マカロフ卿以外の黒の殲滅軍の構成員が敬礼を行った。
「では行ってきます」
「ああ」
2人がそうやりとりしてレイが中に入ってくと、オスプレイのハッチが閉まった。数十秒ほどでプロペラが回転して無事に離陸し、レイ達はアジトへと戻った。
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