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ナリユキVSワイズⅡ
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「効かねえよ」
俺はそのまま邪悪で強大なエネルギーが込められている悪の破壊光を弾き飛ばした。
「なっ!」
悪の破壊光は見事にワイズの方へと飛んでいく。当然ワイズは驚いていたものの、宙に跳んで跳ね返って来た悪の破壊光を避けていた。
そのまま悪の破壊光は遠くまで飛んでいき、見えなくなったと思えばどこかに当たったのだろう。大爆発と地面を揺るがす衝撃。ドオオオン! という爆発音と共に煙が上がっていた。
普通に当たっていれば間違いなく死人が出るほどの威力。それもそのはず、煙かと思いきや茸雲が空高く舞上がっていた。
「私のスキルリターンでもあのレベルは威力は無理ですね……」
「ただのアクティブスキルがアルティメットスキルばりの威力やったなナリユキさんが無事でも俺等まずかったやろ。無論、敵の兵士達はもれなく死ぬな」
「そうですね。どうやら彼には敵味方関係ないようですね」
「すげ~威力だな」
「チッ……化物め」
化物に化物って言われたくないが、流石にあの威力のアクティブスキルを跳ね返したらそう言われても仕方ないか。
ワイズに関しては先程と比べて息があがっている。そりゃ、あんな悪の破壊光をぶっ放したらそうなるだろうよ。
「そろそろ余興は止めにしようか」
俺がそう言うと、ワイズは「ふざけるな!」と怒号を散らしながら襲いかかってきた。
俺はワイズに掌を向けた。
「排除」
そう唱えるとワイズの体は容易く後ろに吹き飛んで行った。
「す――凄い。あれがナリユキ様の排除――!」
「あんな巨体も容易く飛ばすのは少しセコイ気もするな」
と、さっきから実況と解説ありがとうございます。幸いにも、皆はいい勝負をしており、ミニガンをぶっ放していた兵士達も今はいないようだった。戦況は五分五分かそれ以上。ワイズ以外は特に心配することは無い。
俺は全力の身体向上を使って、吹き飛んでいるワイズの頭を持ちながら地面に思い切り叩きつけた。当然俺が体に触れている以上はタダでは済ませない。金色に光る右手で、ワイズの戦闘センスとスキルに関する知性を奪ってやった。咄嗟に殴られたが俺は物理攻撃無効のパッシブスキルが付いているので俺には無意味だ。
故に――。
そう攻撃を続けようと思っていた時だった。
ワイズの目がギラリと光る。スキルに関する知性を奪ったので分かる。怒りの冷眼がくる。
今の状態で怒りの冷眼を発動されるとどんな攻撃を仕掛けてくるか分からなかった俺は、一旦、転移イヤリングを使ってベリトの前に移動した。
ワイズは怪訝な表情を浮べながら俺の方をギロリと睨む。しかし、今回に関しては怒りの冷眼は発動しない。何故なら怒りの冷眼は一度発動すると、クールタイムは15秒必要らしい。
「貴様、人間なのに転移を使えるのか」
「まあそんなところだな」
「その割には神経を削っていない。何か別のタネがありそうだな」
ワイズはそう言いながら考察を始めた。戦いに集中するという意味ではワイズは物凄いモノを持っているのではないだろうか? 知性・記憶の略奪と献上を使った相手は知性や記憶を奪い取られるから、思い出せないことへの恐怖を感じる。アードルハイム皇帝もマカロフ卿も表情が変わり動揺していた。しかし、ワイズにはそれが無い――。ワイズにとって俺が奪った情報など、さほど影響ないようだ。全く――マカロフ卿とは対照的で野性的に動くからやりづらいったらありゃしない。
「俺の何を奪ったのか分からねえがぶっ潰すまでだ。人のモン盗んだんだから覚悟は出来ているんだろうな」
そう睨みをきかせてくるワイズ。俺は「さあて?」とトボケたフリをすると。
「その余裕。いつまで続くかな?」
ワイズはそう言って地面に思い切り踏んだ。
「ベリト! レンさん! 飛べ!」
俺が必死にそう訴えると、「どういうことなんですか?」と悠長にレンさんが聞いてきた。
地割れを起こして沈下していく大地。そしてベキベキと卵の殻のようにひび割れを起こす現象は、まさに大型の地震だ。
「大地の怒り!」
ワイズのその言葉と同時に、徐々に割れていった大地は勢いを増した。ワイズの容赦の無い攻撃に、ワイズの部下にあたるであろう兵士達も悲鳴をあげていた。当然、俺の部下達も騒然としてて戦闘どころでは無く、皆必死に横へと逃げていった。
俺は大きくジャンプしてその割れていくサマを見た。当然、レイとスーも「あの馬鹿!」といちゃもんを付けながら割れていく大地から横に逸れて避難していた。
結果として、直径2km、横幅50m程の巨大な地割れを起こした影響で、マーズベルの兵士も、黒の殲滅軍の兵士も何名かの命が犠牲となってしまった。
避ける事しかできなかった自分が何とも腹立たしかった。うちにはワイズのさっきの攻撃を止めることができる人間は誰一人としていなかった。自分の無力さを痛感したと同時に、ワイズがいかに遠慮が無い生き物なのか理解できた。コイツだけは生かしていては駄目だと――。
「チッ……やっぱり今の攻撃じゃ無理か。次はどんな攻撃をしようか?」
そうどこか楽し気に言っているワイズの口調に、俺は神経を逆撫でされた。
俺はそのまま邪悪で強大なエネルギーが込められている悪の破壊光を弾き飛ばした。
「なっ!」
悪の破壊光は見事にワイズの方へと飛んでいく。当然ワイズは驚いていたものの、宙に跳んで跳ね返って来た悪の破壊光を避けていた。
そのまま悪の破壊光は遠くまで飛んでいき、見えなくなったと思えばどこかに当たったのだろう。大爆発と地面を揺るがす衝撃。ドオオオン! という爆発音と共に煙が上がっていた。
普通に当たっていれば間違いなく死人が出るほどの威力。それもそのはず、煙かと思いきや茸雲が空高く舞上がっていた。
「私のスキルリターンでもあのレベルは威力は無理ですね……」
「ただのアクティブスキルがアルティメットスキルばりの威力やったなナリユキさんが無事でも俺等まずかったやろ。無論、敵の兵士達はもれなく死ぬな」
「そうですね。どうやら彼には敵味方関係ないようですね」
「すげ~威力だな」
「チッ……化物め」
化物に化物って言われたくないが、流石にあの威力のアクティブスキルを跳ね返したらそう言われても仕方ないか。
ワイズに関しては先程と比べて息があがっている。そりゃ、あんな悪の破壊光をぶっ放したらそうなるだろうよ。
「そろそろ余興は止めにしようか」
俺がそう言うと、ワイズは「ふざけるな!」と怒号を散らしながら襲いかかってきた。
俺はワイズに掌を向けた。
「排除」
そう唱えるとワイズの体は容易く後ろに吹き飛んで行った。
「す――凄い。あれがナリユキ様の排除――!」
「あんな巨体も容易く飛ばすのは少しセコイ気もするな」
と、さっきから実況と解説ありがとうございます。幸いにも、皆はいい勝負をしており、ミニガンをぶっ放していた兵士達も今はいないようだった。戦況は五分五分かそれ以上。ワイズ以外は特に心配することは無い。
俺は全力の身体向上を使って、吹き飛んでいるワイズの頭を持ちながら地面に思い切り叩きつけた。当然俺が体に触れている以上はタダでは済ませない。金色に光る右手で、ワイズの戦闘センスとスキルに関する知性を奪ってやった。咄嗟に殴られたが俺は物理攻撃無効のパッシブスキルが付いているので俺には無意味だ。
故に――。
そう攻撃を続けようと思っていた時だった。
ワイズの目がギラリと光る。スキルに関する知性を奪ったので分かる。怒りの冷眼がくる。
今の状態で怒りの冷眼を発動されるとどんな攻撃を仕掛けてくるか分からなかった俺は、一旦、転移イヤリングを使ってベリトの前に移動した。
ワイズは怪訝な表情を浮べながら俺の方をギロリと睨む。しかし、今回に関しては怒りの冷眼は発動しない。何故なら怒りの冷眼は一度発動すると、クールタイムは15秒必要らしい。
「貴様、人間なのに転移を使えるのか」
「まあそんなところだな」
「その割には神経を削っていない。何か別のタネがありそうだな」
ワイズはそう言いながら考察を始めた。戦いに集中するという意味ではワイズは物凄いモノを持っているのではないだろうか? 知性・記憶の略奪と献上を使った相手は知性や記憶を奪い取られるから、思い出せないことへの恐怖を感じる。アードルハイム皇帝もマカロフ卿も表情が変わり動揺していた。しかし、ワイズにはそれが無い――。ワイズにとって俺が奪った情報など、さほど影響ないようだ。全く――マカロフ卿とは対照的で野性的に動くからやりづらいったらありゃしない。
「俺の何を奪ったのか分からねえがぶっ潰すまでだ。人のモン盗んだんだから覚悟は出来ているんだろうな」
そう睨みをきかせてくるワイズ。俺は「さあて?」とトボケたフリをすると。
「その余裕。いつまで続くかな?」
ワイズはそう言って地面に思い切り踏んだ。
「ベリト! レンさん! 飛べ!」
俺が必死にそう訴えると、「どういうことなんですか?」と悠長にレンさんが聞いてきた。
地割れを起こして沈下していく大地。そしてベキベキと卵の殻のようにひび割れを起こす現象は、まさに大型の地震だ。
「大地の怒り!」
ワイズのその言葉と同時に、徐々に割れていった大地は勢いを増した。ワイズの容赦の無い攻撃に、ワイズの部下にあたるであろう兵士達も悲鳴をあげていた。当然、俺の部下達も騒然としてて戦闘どころでは無く、皆必死に横へと逃げていった。
俺は大きくジャンプしてその割れていくサマを見た。当然、レイとスーも「あの馬鹿!」といちゃもんを付けながら割れていく大地から横に逸れて避難していた。
結果として、直径2km、横幅50m程の巨大な地割れを起こした影響で、マーズベルの兵士も、黒の殲滅軍の兵士も何名かの命が犠牲となってしまった。
避ける事しかできなかった自分が何とも腹立たしかった。うちにはワイズのさっきの攻撃を止めることができる人間は誰一人としていなかった。自分の無力さを痛感したと同時に、ワイズがいかに遠慮が無い生き物なのか理解できた。コイツだけは生かしていては駄目だと――。
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