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新たな情報Ⅳ
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「ではまずはどうしますか? カルカラに誰を調査に行かせるかなんですけど」
「ああ。それは大丈夫だ」
「大丈夫?」
アマミヤはそう訊いてきたがランベリオンも同様に怪訝な表情を浮かべていた。
「カルカラにはカーネル王国の冒険者が向かってくれている。レンさん達と同格の実力集団のパーティーだ」
「因みにそのパーティーというのは?」
「魔族と人間のハーフのカルディア。水蛇竜のカリブデウス。妖鬼のスカーの3人だ。幻幽蝶の話で出ていただろ?」
俺がそう言うとアマミヤとランベリオンは目を丸くしていた。
「まさかとは思うが……」
「幻幽蝶はもう捕まえたって話じゃないですよね?」
ランベリオンの後にアマミヤが続けてそう言った。
「そうだぞ」
俺がそう言うと開いた口が塞がらない状態の2人。
「待ってください。100年に1度しか見られないって言ったはずじゃ……!」
「ああそうだ。いや、正直仕事の早さには恐れ入ったよ。こんな呆気なく任務をこなされてしまっては、幻幽蝶を見つけることができなった人達の顔が立たないよな」
「確かにそうだな――話を聞く限りでは相当クセがありそうだったが、大したものだな」
「本当だよ」
「それに疫病竜の子供まで討伐して頭だけ持ち帰ってきたから、それをステーキにして食べたんですよ! めちゃくちゃ美味しかったうえに、滅菌Ⅴというパッシブスキルが付きました! 因みに、一緒にいたアリスちゃんもベルゾーグさんもです!」
そう嬉しそうに話すミクちゃんに、アマミヤもランベリオンも気圧されていた。
「ミクちゃん身体は大丈夫なの? 異常はない?」
「大丈夫ですよアマミヤさん。お心遣いありがとうございます」
そう話すミクちゃんにアマミヤは思わず――。
「眩しいわね」
と、超小声で呟いていたことを俺は聞き逃さななかった。ミクちゃんはどういうこと? みたいな顔をしているけど。
「話を少し戻すが、カルディアは強いとは聞いていたがマカロフ卿に敗けたそうだな」
「そう言ってやるな。実力だけでいうと多分お前より強いぞ? それだけマカロフ卿が強くなっているんだ」
俺がそう言うとランベリオンは少し機嫌を損ねたのか「ぬうう……」と唸っている。
「別に傷付けるつもりで言ったわけじゃない。あくまで現実的な話をしたまでだ」
「それは分かっているが――確かにあのカルディアという男は相当腕が立つと聞く。それに念波動の数値はアテにならないらしいしな」
「そんな人がいるの?」
ランベリオンの言葉にアマミヤがそう驚いていた。
「そうらしいんですよ。ナリユキ君が見ても念波動の数値は4,600だったんだよね?」
ミクちゃんにそう再確認されたので「そうそう」と相槌を打った。
「その数値は飾りだって言っていたからな。不意打ちとはいえ、あの仮面男のワイズを退けたくらいだ。実力的にはマカロフ卿よりか少し弱いくらいで、ワイズと対等に戦える実力――6,500くらいは見ておいていいだろう」
俺がそう言うと、ランベリオンは首を傾げていた。
「どうした?」
「それほど強いのに、我は何故彼の存在を知らなかったのだろうか――」
「それは知らん。でもまあ自由人が集まったようなパーティーだったからな。どれだけ自由かと言うと、気に入らない依頼主は殺すらしい」
「それ自由というか傍若無人なだけでは?」
ランベリオンが苦笑いを浮かべながらそう言うと、俺も「確かに」と苦笑いするしかなかった。
「私もアードルハイムでやってきたことを考えると人の事言えないけどなかなかね」
「まあ、しかもそれが元からの性格だからな。アマミヤの場合はこの 悪魔との機密契約で縛られていたからな」
俺がそう言うとアマミヤは首を左右に振った。
「そもそもそのレールに乗っかってしまったのがいけなかったかも。心を取り戻した今、未だにアードルハイムに関わらずに生きていく方法は無かったのか? とすら思えるから。結局、元第2騎士団団長を殺害して、新しい第2騎士団団長になったというのは紛れもない事実だし、その他沢山の人をあの世へと葬ってしまっているわ」
「まあそれより多い人を救えばいいさ。散々言っているけどな」
「そうですね」
アマミヤの口元が少し緩んだ。
「ナリユキ殿――話が脱線しているぞ」
「確かに――!」
普通に話していたわ。生産性どこにいった?
「申し訳ない。とりあえず、俺はカルディアに会って、あの時に貴族を襲った人間達の組織を潰してこいという依頼をしている。だからまずはその組織に心当たりがないかどうかの情報取集になるだろうから、Qの足取りを掴んでほしいという依頼を追加する」
「それなら問題ないだろう。他に案が出れば随時行動していけばいい。と、言うのもここ最近ログウェルで我々が調査をしていた結果は、Qの正体は貴族の可能性が高いということだ。ミユキ殿」
ランベリオンがそう言うとアマミヤはアマミヤはA4サイズの紙を出してきた。筆ペンのようなもので調査情報を色々と書き込んでいた。
「アマミヤさん字綺麗。書道か何か習っていたんですか?」
「いえ、特に習っていないわ」
ミクちゃんの言う通り、アマミヤの字はやたらと綺麗なのだ。それは昔からなんだけど、まるで書道の先生のよう
な達筆で見やすい字をしている。ここまで綺麗な字だと、学生の頃にノート貸してって友人に言われた時に、「何て書いているの?」とは言われなかっただろうな。因みに俺はちょくちょくあった。
「説明してもらおうか」
「ええ」
アマミヤはそう頷いた。
「ああ。それは大丈夫だ」
「大丈夫?」
アマミヤはそう訊いてきたがランベリオンも同様に怪訝な表情を浮かべていた。
「カルカラにはカーネル王国の冒険者が向かってくれている。レンさん達と同格の実力集団のパーティーだ」
「因みにそのパーティーというのは?」
「魔族と人間のハーフのカルディア。水蛇竜のカリブデウス。妖鬼のスカーの3人だ。幻幽蝶の話で出ていただろ?」
俺がそう言うとアマミヤとランベリオンは目を丸くしていた。
「まさかとは思うが……」
「幻幽蝶はもう捕まえたって話じゃないですよね?」
ランベリオンの後にアマミヤが続けてそう言った。
「そうだぞ」
俺がそう言うと開いた口が塞がらない状態の2人。
「待ってください。100年に1度しか見られないって言ったはずじゃ……!」
「ああそうだ。いや、正直仕事の早さには恐れ入ったよ。こんな呆気なく任務をこなされてしまっては、幻幽蝶を見つけることができなった人達の顔が立たないよな」
「確かにそうだな――話を聞く限りでは相当クセがありそうだったが、大したものだな」
「本当だよ」
「それに疫病竜の子供まで討伐して頭だけ持ち帰ってきたから、それをステーキにして食べたんですよ! めちゃくちゃ美味しかったうえに、滅菌Ⅴというパッシブスキルが付きました! 因みに、一緒にいたアリスちゃんもベルゾーグさんもです!」
そう嬉しそうに話すミクちゃんに、アマミヤもランベリオンも気圧されていた。
「ミクちゃん身体は大丈夫なの? 異常はない?」
「大丈夫ですよアマミヤさん。お心遣いありがとうございます」
そう話すミクちゃんにアマミヤは思わず――。
「眩しいわね」
と、超小声で呟いていたことを俺は聞き逃さななかった。ミクちゃんはどういうこと? みたいな顔をしているけど。
「話を少し戻すが、カルディアは強いとは聞いていたがマカロフ卿に敗けたそうだな」
「そう言ってやるな。実力だけでいうと多分お前より強いぞ? それだけマカロフ卿が強くなっているんだ」
俺がそう言うとランベリオンは少し機嫌を損ねたのか「ぬうう……」と唸っている。
「別に傷付けるつもりで言ったわけじゃない。あくまで現実的な話をしたまでだ」
「それは分かっているが――確かにあのカルディアという男は相当腕が立つと聞く。それに念波動の数値はアテにならないらしいしな」
「そんな人がいるの?」
ランベリオンの言葉にアマミヤがそう驚いていた。
「そうらしいんですよ。ナリユキ君が見ても念波動の数値は4,600だったんだよね?」
ミクちゃんにそう再確認されたので「そうそう」と相槌を打った。
「その数値は飾りだって言っていたからな。不意打ちとはいえ、あの仮面男のワイズを退けたくらいだ。実力的にはマカロフ卿よりか少し弱いくらいで、ワイズと対等に戦える実力――6,500くらいは見ておいていいだろう」
俺がそう言うと、ランベリオンは首を傾げていた。
「どうした?」
「それほど強いのに、我は何故彼の存在を知らなかったのだろうか――」
「それは知らん。でもまあ自由人が集まったようなパーティーだったからな。どれだけ自由かと言うと、気に入らない依頼主は殺すらしい」
「それ自由というか傍若無人なだけでは?」
ランベリオンが苦笑いを浮かべながらそう言うと、俺も「確かに」と苦笑いするしかなかった。
「私もアードルハイムでやってきたことを考えると人の事言えないけどなかなかね」
「まあ、しかもそれが元からの性格だからな。アマミヤの場合はこの 悪魔との機密契約で縛られていたからな」
俺がそう言うとアマミヤは首を左右に振った。
「そもそもそのレールに乗っかってしまったのがいけなかったかも。心を取り戻した今、未だにアードルハイムに関わらずに生きていく方法は無かったのか? とすら思えるから。結局、元第2騎士団団長を殺害して、新しい第2騎士団団長になったというのは紛れもない事実だし、その他沢山の人をあの世へと葬ってしまっているわ」
「まあそれより多い人を救えばいいさ。散々言っているけどな」
「そうですね」
アマミヤの口元が少し緩んだ。
「ナリユキ殿――話が脱線しているぞ」
「確かに――!」
普通に話していたわ。生産性どこにいった?
「申し訳ない。とりあえず、俺はカルディアに会って、あの時に貴族を襲った人間達の組織を潰してこいという依頼をしている。だからまずはその組織に心当たりがないかどうかの情報取集になるだろうから、Qの足取りを掴んでほしいという依頼を追加する」
「それなら問題ないだろう。他に案が出れば随時行動していけばいい。と、言うのもここ最近ログウェルで我々が調査をしていた結果は、Qの正体は貴族の可能性が高いということだ。ミユキ殿」
ランベリオンがそう言うとアマミヤはアマミヤはA4サイズの紙を出してきた。筆ペンのようなもので調査情報を色々と書き込んでいた。
「アマミヤさん字綺麗。書道か何か習っていたんですか?」
「いえ、特に習っていないわ」
ミクちゃんの言う通り、アマミヤの字はやたらと綺麗なのだ。それは昔からなんだけど、まるで書道の先生のよう
な達筆で見やすい字をしている。ここまで綺麗な字だと、学生の頃にノート貸してって友人に言われた時に、「何て書いているの?」とは言われなかっただろうな。因みに俺はちょくちょくあった。
「説明してもらおうか」
「ええ」
アマミヤはそう頷いた。
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