【電子書籍化決定!】生産性厨が異世界で国造り~授けられた能力は手から何でも出せる能力でした~

天樹 一翔

文字の大きさ
上 下
202 / 597

調査報告Ⅲ

しおりを挟む
「とりあえずはしばらくレン君達をこの国に住ませるってのはどうかな? 勿論双方が合意したうえでだけど」

「賛成!」

 そうやって勢いよく挙手しながら立ち上がるレンさんとアズサさん。本当に息ピッタリだなこの2人。そしてネオンさんを見ると、顔を紅潮させていた。

「ということはアリシア様と……」

 あ~。何を考えているか分かったわ。アリシアと共に行動できるのを想像しているんだわ。小声で言っているようですが聞こえてるよ?

「うち、掃除、洗濯、料理何でもできます! ナリユキさんの召使いなら喜んでやります!」

 何言っているのこの人。グイグイ来るな。これが関西人――いや、絶対アズサさんが変なだけだ。

「俺は女子風呂の覗き方の裏技知ってます!」

 変なアピールしてくる~! でも女子風呂の覗き方の裏技気になる。

「アンタしょうもないこと言いなや! どうせ魔眼使うんやろ!?」

「ギクッ!」

「声出てるって」

 アズサさんの呆れたツッコミと驚くレンさん。そうか魔眼って透視スルーの効果があるから見えるのか。いや、めちゃくちゃしょうもない事に使うな。

「レンさん。とりあえず魔眼を使えない魔族に謝っておいた方がいい」

 俺がそうやってクロノスを指すと、クロノスは「アハハハ――」と苦笑していた。

「クロノスさんすんません」

 めちゃくちゃ関西弁で謝っているんだけどこの人――。

「いや、いいよ。でも魔眼を女性の覗きに使わないでほしい。魔眼は全魔族の憧れでありステータスだからね。僕もその中の1人だし」

 あ――。クロノスの一人称の僕って久しぶりに聞いたな。アードルハイムから帰ってきたら、俺の前だと私って言っていたから使い分けているのだろうか? 器用だな。

「多分しません」

 レンさんがそんな怪しい回答をしたので、アズサさんがレンさんにげんこつをお見舞いしていた。

「ふざけるのも大概に」

「sayよ!」

 アズサさんの言葉をレンさんが遮ってふざけたので再度アズサさんのげんこつがレンさんを襲った。まさか、異世界にきてゲームの配信者が怒り散らかして、Twitterに張り付けられてさらにバズったネタを繰り出してくるとは――。

「もうええって! あっちの世界のネタをこっちに持ってこんでもええねん」

 分かるんかーい! 皆結構Twitterやっているのね。この2人はてっきりInstagramかと思っていた。

「ボケが大渋滞。それは多分ランベリオンに聞かせても分からんぞ。俺とミクちゃんなら分かるけど」

「確かに」

 そう驚いた表情を浮かべるレンさん。何で逆に分かると思ったの? 面白いからいいけど。

「で、ナリユキはどうなんだい?」

「勿論OKだ。しばらく俺達の国でゆっくりしているといい。但し用事ができたら、離れていても念話で話しかけるから宜しく」

「了解です」

 レンさんとアズサさんがそう返事をした後、ネオンさんもノーディルスさんも返事をしてくれた。

「決まりだね」

 ルミエールがニッコリと笑みを浮かべていた。

「じゃあ今日も泊まろうかな~」

 と、伸びをしてくつろぐルミエール。

「駄目です。夕方には隣国の貴族達が来られるのです。今から帰って支度をしましょう」

 クロノスがそう言うと、ルミエールは露骨に嫌そうな顔をしていた。

「ルミエール、もしかして俺の国に遊びに来てるな?」

 俺がニヤニヤしながらそう問いかけると――。

「いや、そんなことないよ~」

 と、下手くそな口笛を吹きながら遠い何処かを見ていた。図星かよ。

「て、言うても色々と大変やろうに。俺には頭を使う仕事はできませんからいつも尊敬してますよ」

 レンさんがそう言うとルミエールはニマ~と笑みを浮かべていた。

「よし、行くか」

 さっきまでのやる気の無さがルミエールには消えていた。本当にちょろいな。

 レンさんはそれを見た後、クロノスさんにニッと笑みを浮かべていた。それを見てサムズアップをするクロノスさん。ナイスと言っているのは明らかだった。凄い連携だなおい。

 ルミエールが立ち上がると俺達も揃って立ち上がった。メイが部屋の扉を開けて、ルミエール達に「ありがとうございました」と一言添えていた。冷静に考えたらメイの一連の動作はとてもメイドらしくなっていた。

 そうして俺とレンさん達はルミエールとクロノスを見送った。いつも通りワイバーンで陽気に「またね~」と言いながら去って行った。

「カーネル王ホンマに陽気な人やな~」

「明るいからええやろ。それよりあんな格好いいスーツをピシッと着てんのに、めちゃくちゃ抜けているんが面白おもろいよな。国民の前やったらああいう姿見せへんから新鮮やわ」

「レンさん、アズサさん、ネオンさん、ノーディルスさん。しばらく宜しくな」

「任せて下さいよ」

 レンさんはそう得意気にえっへんと威張っていた。

「俺は修行をしたい。どこかいい場所はありませんか?」

「場所な――。正直実践が一番いいと思うぞ。今の時間ならノアが相手してくれると思うぞ?」

「そうでしたか。ではお言葉に甘えさせて頂きます」

 ノーディルスさんはそう言って小屋の方へと向かって行った。

「うちらはちょっと早いけどお昼ご飯食べたいな」

「そうや! ラーメン屋さんってあるんですか!?」

 レンさんの問いかけに、俺はニッと笑みを返した。

「よっしゃあああ!」

 レンさんとアズサさんは大喜びでハイタッチをしていた。

「どんなお料理何ですか?」

「まあ普通の麺類だ。でもそこは俺だ。ちゃんと拘りがある。ビガーポークの豚白湯ラーメンだ」

 俺がそう言うと、レンさんとアズサさんは案の定、じゅるりと涎を垂らしていた。

「案内するよ」

 俺がそう言うと「やったあああ!」と2人は大喜びで、ネオンさんは申し訳なさそうな表情を浮かべながら「ありがとうございます」と感謝を述べてくれた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク 普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。 だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。 洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。 ------ この子のおかげで作家デビューできました ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった

Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。 *ちょっとネタばれ 水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!! *11月にHOTランキング一位獲得しました。 *なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。 *パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。

放置された公爵令嬢が幸せになるまで

こうじ
ファンタジー
アイネス・カンラダは物心ついた時から家族に放置されていた。両親の顔も知らないし兄や妹がいる事は知っているが顔も話した事もない。ずっと離れで暮らし自分の事は自分でやっている。そんな日々を過ごしていた彼女が幸せになる話。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

処理中です...