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カルベリアツリーのダンジョン再攻略Ⅳ
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「ランベリオンを何処へやった!?」
「さあ。何処だろうな」
ニーズヘッグはそうニヤリと笑みを浮かべる。
その笑みでミクちゃんとアリシアは一旦俺のところへと戻って来た。
「罠冒険だな。今のアイツはスキルを使用できないはずだ」
「そうです。ですので、ニーズヘッグがここへ上がって来るときに予め仕掛けていた罠冒険ですね」
「どこにあるか分からないんだよな?」
俺の問いにミクちゃんもアリシアも頷いた。
「仮にだ。ランベリオンを何処かへやった罠が、ニーズヘッグの周囲360°にあったら相当厄介だぞ」
「仮にというかその可能性高くないですか?」
「そうですね。何処かに隙を作るなんてあり得ませんし。種類は制限されていますが、仕掛ける個数に制限はないですからね」
「もう一度アルティメットスキルを放つか。けど最後の罠が何か分からないからな」
「なりゆき君。こういうときは行動に移さなきゃ。アルティメットスキルで無理なら、またここから出ればいい。まあランベリオンさんどうにかしなきゃだけど」
「本当に何処に行ってしまったのでしょう」
「よしやるぞ」
俺とアリシアは右手を。ミクちゃんは空高く舞い上がりニーズヘッグの頭上を取った。そして、両手をニーズヘッグの頭に照準を合わす。これまた俺が見たことないがスキルを発動する気だ。
ミクちゃんに集中する明らかに異次元のパワー。
「おいちょっと待って。そのスキルの威力、俺がさっき撃ったやつと変わらないんじゃ――」
案の状、ニーズヘッグも冷や汗をかいている。
「アリシア! 星光の聖域だ!」
「はい!」
「創世の超光星!」
あ、そのスキルね! 厨二臭くてずっと気になっていたアルティメットスキルじゃん。
ミクちゃんから繰り出されたスキルは、俺が放った悪の混沌玉とは比べ物にならないほど眩しい光だった。スキル効果では螺旋状の光の渦を、一度照準に合わせた相手に、必ず当てるという何とも馬鹿げたスキルだ。
しかし、実際には眩しすぎて見ていられない。目を瞑り両手で視界を覆っていても、目が痛いレベルだ。
当然のように響くニーズヘッグ。どうやら効いているらしい。つか、これ普通に死ぬだろ。
「流石ですねミク様。このスキルは噂程度でしか聞いたことが無い、光属性で最上位のアルティメットスキルです。ナリユキ様は視えていたでしょうが、私には視えておりませんでしたので」
「そうだな。しっかし凄い光だな」
「目を閉じているのにこの光ですもんね――」
その光は20秒ほどでようやく収まった。
目を開けると、ニーズヘッグの姿は無かった。
「どうなっていたのだ?」
そう声がしたので後ろを振り向くとそこにはランベリオンがいた。
「お前、どこに行っていたんだよ。無事なのか?」
「ああ。何も無い空間に飛ばされていたのだ。我が元に戻ったということはニーズヘッグはやったのか?」
「多分な」
俺が見上げると、ミクちゃんが右手でVサインを送って来た。
「終わったよ! ニーズヘッグは私のスキルで完全消滅したから!」
「あれで消滅しなかったら、ランベリオンを放っておいて、ここから出るしかなかったな」
「む。それは酷くないか?」
と、ランベリオンは口を尖らさせていた。
「で、扉は何処だよ」
「お城の方にあるよ! 流石に壊れていないみたい」
「良かった」
ミクちゃんの報告に、俺もアリシアもランベリオンも安堵しながらそう呟いた。流石にそこまでクソ仕様ではなかったようだ。
ミクちゃんのステータスをよく見てみると、超回復を習得していた。俺とアリシアとランベリオンは特にスキルはゲットしていないので、単純に疲れただけの話だった。
「今思ったら俺達フル稼働だぜ。もう今日は終わりって言いたいんだけどな」
「でも、それをすると復活したニーズヘッグと戦わないといけないからね。今度はもう簡単には倒せないと思う。というか、一発目でアルティメットスキル放ってきそうだよね」
「確かに」
俺、ランベリオン、アリシアはミクちゃんにMPと体力を回復してもらい、ミクちゃんは超回復で自身の体力とMPを回復していた。
そして、俺達4人は次の扉を開けて、またしばらく地獄のような魔物退治が始まった。この階層まで来ると、今まで中ボスだったレベルの魔物が雑魚として出てくる。強いで有名なジャミングキメラも、この階層になると大分弱い方だ。案の定、ランベリオンも究極の阻害者を習得しており、個々のスキルはグングンと上がっていた。
ボス戦でしか汗をかかない俺達だが、雑魚敵相手でも汗をかくほど苦戦を強いられたが、何とかバテバテの状態で休憩エリアに辿り着いた。
いつものように家を出して、各々の部屋を用意して、エリア内にある自然の恵み? を食料にして家の中へ持ち帰った。
俺はソファにゴロンと寝ころび、ランベリオンは床で仮眠をとっている。ミクちゃんとアリシアは疲れている筈なのに、俺の為に料理を頑張ってくれるそうだ。酷い話だが、ランベリオンはオマケらしい。
女性って凄いな――。
そう思えた瞬間だった。
「さあ。何処だろうな」
ニーズヘッグはそうニヤリと笑みを浮かべる。
その笑みでミクちゃんとアリシアは一旦俺のところへと戻って来た。
「罠冒険だな。今のアイツはスキルを使用できないはずだ」
「そうです。ですので、ニーズヘッグがここへ上がって来るときに予め仕掛けていた罠冒険ですね」
「どこにあるか分からないんだよな?」
俺の問いにミクちゃんもアリシアも頷いた。
「仮にだ。ランベリオンを何処かへやった罠が、ニーズヘッグの周囲360°にあったら相当厄介だぞ」
「仮にというかその可能性高くないですか?」
「そうですね。何処かに隙を作るなんてあり得ませんし。種類は制限されていますが、仕掛ける個数に制限はないですからね」
「もう一度アルティメットスキルを放つか。けど最後の罠が何か分からないからな」
「なりゆき君。こういうときは行動に移さなきゃ。アルティメットスキルで無理なら、またここから出ればいい。まあランベリオンさんどうにかしなきゃだけど」
「本当に何処に行ってしまったのでしょう」
「よしやるぞ」
俺とアリシアは右手を。ミクちゃんは空高く舞い上がりニーズヘッグの頭上を取った。そして、両手をニーズヘッグの頭に照準を合わす。これまた俺が見たことないがスキルを発動する気だ。
ミクちゃんに集中する明らかに異次元のパワー。
「おいちょっと待って。そのスキルの威力、俺がさっき撃ったやつと変わらないんじゃ――」
案の状、ニーズヘッグも冷や汗をかいている。
「アリシア! 星光の聖域だ!」
「はい!」
「創世の超光星!」
あ、そのスキルね! 厨二臭くてずっと気になっていたアルティメットスキルじゃん。
ミクちゃんから繰り出されたスキルは、俺が放った悪の混沌玉とは比べ物にならないほど眩しい光だった。スキル効果では螺旋状の光の渦を、一度照準に合わせた相手に、必ず当てるという何とも馬鹿げたスキルだ。
しかし、実際には眩しすぎて見ていられない。目を瞑り両手で視界を覆っていても、目が痛いレベルだ。
当然のように響くニーズヘッグ。どうやら効いているらしい。つか、これ普通に死ぬだろ。
「流石ですねミク様。このスキルは噂程度でしか聞いたことが無い、光属性で最上位のアルティメットスキルです。ナリユキ様は視えていたでしょうが、私には視えておりませんでしたので」
「そうだな。しっかし凄い光だな」
「目を閉じているのにこの光ですもんね――」
その光は20秒ほどでようやく収まった。
目を開けると、ニーズヘッグの姿は無かった。
「どうなっていたのだ?」
そう声がしたので後ろを振り向くとそこにはランベリオンがいた。
「お前、どこに行っていたんだよ。無事なのか?」
「ああ。何も無い空間に飛ばされていたのだ。我が元に戻ったということはニーズヘッグはやったのか?」
「多分な」
俺が見上げると、ミクちゃんが右手でVサインを送って来た。
「終わったよ! ニーズヘッグは私のスキルで完全消滅したから!」
「あれで消滅しなかったら、ランベリオンを放っておいて、ここから出るしかなかったな」
「む。それは酷くないか?」
と、ランベリオンは口を尖らさせていた。
「で、扉は何処だよ」
「お城の方にあるよ! 流石に壊れていないみたい」
「良かった」
ミクちゃんの報告に、俺もアリシアもランベリオンも安堵しながらそう呟いた。流石にそこまでクソ仕様ではなかったようだ。
ミクちゃんのステータスをよく見てみると、超回復を習得していた。俺とアリシアとランベリオンは特にスキルはゲットしていないので、単純に疲れただけの話だった。
「今思ったら俺達フル稼働だぜ。もう今日は終わりって言いたいんだけどな」
「でも、それをすると復活したニーズヘッグと戦わないといけないからね。今度はもう簡単には倒せないと思う。というか、一発目でアルティメットスキル放ってきそうだよね」
「確かに」
俺、ランベリオン、アリシアはミクちゃんにMPと体力を回復してもらい、ミクちゃんは超回復で自身の体力とMPを回復していた。
そして、俺達4人は次の扉を開けて、またしばらく地獄のような魔物退治が始まった。この階層まで来ると、今まで中ボスだったレベルの魔物が雑魚として出てくる。強いで有名なジャミングキメラも、この階層になると大分弱い方だ。案の定、ランベリオンも究極の阻害者を習得しており、個々のスキルはグングンと上がっていた。
ボス戦でしか汗をかかない俺達だが、雑魚敵相手でも汗をかくほど苦戦を強いられたが、何とかバテバテの状態で休憩エリアに辿り着いた。
いつものように家を出して、各々の部屋を用意して、エリア内にある自然の恵み? を食料にして家の中へ持ち帰った。
俺はソファにゴロンと寝ころび、ランベリオンは床で仮眠をとっている。ミクちゃんとアリシアは疲れている筈なのに、俺の為に料理を頑張ってくれるそうだ。酷い話だが、ランベリオンはオマケらしい。
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そう思えた瞬間だった。
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