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前夜Ⅱ
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レストランのようなクオリティをしている夜ご飯を食べて、今はミクちゃんと2人きりでローテーブルを挟みながら、ココナッツジュースを堪能していた。
「美味しいね」
「だな!」
「なりゆき君と旅行に来たみたいだね。あっちの世界でいう南国のところに」
「そうだな。それでもあっちの世界じゃ会えなかった訳だしな」
「会えなかったね。でも欲を言うならあっちの世界で――それこそショッピングデートとかしたかったかな。横浜でデートとかもいいね」
「俺、デートっていうデートしたことないから、憧れだけはあったな」
「そうなんだ。なりゆき君の場合、何が楽しそうとかイマイチ掴めないんだよね」
「一緒にいれるだけで楽しいです」
「その回答は100点だ。女の子の買い物面倒くさがる人多いからね」
「だろうな。俺はその空間が楽しかったらそれでいいから、何をやるかはそこまで重要じゃない。誰と楽しい時間を過ごすか。それだけだよ」
「それは、懐に入るまで全く楽しんでもらえないやつだ。そこにいくまでが結構ハードル高め」
「確かにそうかも」
こういう他愛のない話はものすごく楽しい。自然と笑みがこぼれる。
で、ちょっと気になるのだが、そう笑っているとミクちゃんも自然に笑顔になってくれている。屈託のないダイヤのように眩しい笑顔だ。
「お酒があったらもっと今の時間が楽しかったのにな」
「飲みたかった?」
「欲を言えばね。でも私はなりゆき君とこうしていられる時間がとても楽しいから満足だよ。正直しばらく離れるって考えると寂しいけど」
そう言っているときのミクちゃんは寂しそうだった。そう言えば本当にずっと一緒だったもんな。24時間以上離れる時間があるなんて思ってもみなかった。
「おいで」
その言葉にミクちゃんパアと表情が明るくなるなり、俺が両手を広げていると飛び込んできた。
何だろ。凄く幸せなんだけど。
胸に飛び込んでくるなりこっちが恥ずかしくなるくらい匂いをしばらく嗅いだ後、上目遣いでこっちを見てくるまで一連の流れ。
その姿はまるで、家を1日丸々空けてお留守番をしていた犬のようだ。ミクちゃんに尻尾があるなら鞭の如く振ってくれているんだろうなとか考えてしまう。
「なりゆき君?」
我慢ができん。
「ミクちゃん美味しいのあげるよ」
「美味しいの?」
不思議そうに首を傾げていたのがリアクションとしてはgood。俺はココナッツジュースを口の中に少量含みながらそのままミクちゃんに移した。
最後まで全部移した後、余韻を感じるように唇を数回重ねた後に一旦離すと、ミクちゃんはとろんとした表情を浮かべていた。
えろ――。
多分、皆そう思うだろう。つか思わない奴は男じゃない。いや人間じゃない。
そのまま再び抱き寄せて再びキスを数秒して、顔をじっと見ると、ミクちゃんは顔を逸らした。以前のように耳の先まで紅潮している。
「何で顔逸らすんだ?」
「だって恥ずかしいもん」
「面白いね」
「からかうのよく無い――」
「ごめん。ごめん。可愛いからついな」
「――ううう。それはセコい」
ミクちゃんはそう言って俺の胸に顔を埋めたので、頭をゆっくりと撫で続けた。
「俺さ。特定の人と会えないから寂しいっていうの今まで無かったんだけど、案外あるもんだな」
「そうなの? てっきり寂しいって思っているの私だけかと思っていた――。そう言われて何か安心した」
「まあそれって他人から見れば依存になるのかな~と思ったりするんだけどな」
「なりゆき君がそういうので悩むって割と生産性悪いね」
「だよな? 俺もそう思う」
「作戦上手くこなしてみせるよ。ノア君以外にも派遣してくれるんでしょ?」
「ああ。今回の作戦は大まかに考えているし、最終的な目標は――」
続きを言おうとしたら、ミクちゃんが俺の口に指を当ててきた。
「それはまだ早いよ。それは最悪のシナリオでしょ?」
「そうだな」
「なりゆき君と、ノア君のスキルがあれば文明なんて一瞬で崩壊してしまうからね」
「まあそれはそうだ。とてもじゃないけど大勢いるところで出来ねえ」
「歴史的大量殺人鬼になっちゃうね」
「間違いないな。なあミクちゃん」
「ん? 何?」
そう言って再度上目遣いするだろ? なんでこんなにイチイチ可愛いの? もう嫁に欲しいって思うレベルなんだけど。
「無事に帰ってきてくれよ?」
「勿論だよ。それでノア君も編成に組み込んでくれたんでしょ? なりゆき君の過保護が爆発したのかな? って思っていたよ」
「お見通しってわけか」
「そうだよ~」
と、微笑みながら言ってくれたので、本当に眩しいです。
「そう言えばまだミクちゃんのジュース残ってるね」
俺がそう言っただけで、再び顔を紅潮させているので多分もう俺がしようとしている行動を先読みされているんだろう。
俺がココナッツジュースが入っているグラスを取ると、ミクちゃんはソワソワし始める。目があったので悪戯な笑みを浮かべると――。
「あう――」
と、変な声を出していた。いや、それ目があったときの声じゃないだろ。
対面で左手にグラスを持ちながら、ミクちゃんを軽く支えつつ、右手を太ももに這わせると、ミクちゃんが息が乱れてきた。
そのままバスローブの中に手を入れて下着に触れてみると――。
「めちゃくちゃ濡れてるね」
「言わないで――」
「いつのタイミング?」
「言わないと駄目?」
「うん。お預けにする」
「セコイよ――」
そう言いながらミクちゃんはしばらくモジモジしていた。
「さっきね。なりゆき君意地悪な目で笑ったでしょ? その時――」
え、そんなんでこんなに濡れるんですか? お年頃の女の子って不思議じゃない? いや、しかもお酒すら飲んでないんだぜ? 素晴らしい。最高です。ありがとうございます。
俺は左手に持っているグラスに入っているココナッツジュースを口の中に含み、そのまま口移しをした。量は半分より少し少ないくらいだったので、三回ほどに分けて同じ事を繰り返した。
「どう美味しかった?」
敢えて口には出さず、うんと頷いてくれた。
グラスをテーブルの上に置いたまま、ベッドに移動して電気を消した。
まあこの後する事と言えばもう1つしかない。
そうしてミクちゃんとしばらく顔を合わせることができない環境を惜しみつつも、濃密な夜を過ごした。
「美味しいね」
「だな!」
「なりゆき君と旅行に来たみたいだね。あっちの世界でいう南国のところに」
「そうだな。それでもあっちの世界じゃ会えなかった訳だしな」
「会えなかったね。でも欲を言うならあっちの世界で――それこそショッピングデートとかしたかったかな。横浜でデートとかもいいね」
「俺、デートっていうデートしたことないから、憧れだけはあったな」
「そうなんだ。なりゆき君の場合、何が楽しそうとかイマイチ掴めないんだよね」
「一緒にいれるだけで楽しいです」
「その回答は100点だ。女の子の買い物面倒くさがる人多いからね」
「だろうな。俺はその空間が楽しかったらそれでいいから、何をやるかはそこまで重要じゃない。誰と楽しい時間を過ごすか。それだけだよ」
「それは、懐に入るまで全く楽しんでもらえないやつだ。そこにいくまでが結構ハードル高め」
「確かにそうかも」
こういう他愛のない話はものすごく楽しい。自然と笑みがこぼれる。
で、ちょっと気になるのだが、そう笑っているとミクちゃんも自然に笑顔になってくれている。屈託のないダイヤのように眩しい笑顔だ。
「お酒があったらもっと今の時間が楽しかったのにな」
「飲みたかった?」
「欲を言えばね。でも私はなりゆき君とこうしていられる時間がとても楽しいから満足だよ。正直しばらく離れるって考えると寂しいけど」
そう言っているときのミクちゃんは寂しそうだった。そう言えば本当にずっと一緒だったもんな。24時間以上離れる時間があるなんて思ってもみなかった。
「おいで」
その言葉にミクちゃんパアと表情が明るくなるなり、俺が両手を広げていると飛び込んできた。
何だろ。凄く幸せなんだけど。
胸に飛び込んでくるなりこっちが恥ずかしくなるくらい匂いをしばらく嗅いだ後、上目遣いでこっちを見てくるまで一連の流れ。
その姿はまるで、家を1日丸々空けてお留守番をしていた犬のようだ。ミクちゃんに尻尾があるなら鞭の如く振ってくれているんだろうなとか考えてしまう。
「なりゆき君?」
我慢ができん。
「ミクちゃん美味しいのあげるよ」
「美味しいの?」
不思議そうに首を傾げていたのがリアクションとしてはgood。俺はココナッツジュースを口の中に少量含みながらそのままミクちゃんに移した。
最後まで全部移した後、余韻を感じるように唇を数回重ねた後に一旦離すと、ミクちゃんはとろんとした表情を浮かべていた。
えろ――。
多分、皆そう思うだろう。つか思わない奴は男じゃない。いや人間じゃない。
そのまま再び抱き寄せて再びキスを数秒して、顔をじっと見ると、ミクちゃんは顔を逸らした。以前のように耳の先まで紅潮している。
「何で顔逸らすんだ?」
「だって恥ずかしいもん」
「面白いね」
「からかうのよく無い――」
「ごめん。ごめん。可愛いからついな」
「――ううう。それはセコい」
ミクちゃんはそう言って俺の胸に顔を埋めたので、頭をゆっくりと撫で続けた。
「俺さ。特定の人と会えないから寂しいっていうの今まで無かったんだけど、案外あるもんだな」
「そうなの? てっきり寂しいって思っているの私だけかと思っていた――。そう言われて何か安心した」
「まあそれって他人から見れば依存になるのかな~と思ったりするんだけどな」
「なりゆき君がそういうので悩むって割と生産性悪いね」
「だよな? 俺もそう思う」
「作戦上手くこなしてみせるよ。ノア君以外にも派遣してくれるんでしょ?」
「ああ。今回の作戦は大まかに考えているし、最終的な目標は――」
続きを言おうとしたら、ミクちゃんが俺の口に指を当ててきた。
「それはまだ早いよ。それは最悪のシナリオでしょ?」
「そうだな」
「なりゆき君と、ノア君のスキルがあれば文明なんて一瞬で崩壊してしまうからね」
「まあそれはそうだ。とてもじゃないけど大勢いるところで出来ねえ」
「歴史的大量殺人鬼になっちゃうね」
「間違いないな。なあミクちゃん」
「ん? 何?」
そう言って再度上目遣いするだろ? なんでこんなにイチイチ可愛いの? もう嫁に欲しいって思うレベルなんだけど。
「無事に帰ってきてくれよ?」
「勿論だよ。それでノア君も編成に組み込んでくれたんでしょ? なりゆき君の過保護が爆発したのかな? って思っていたよ」
「お見通しってわけか」
「そうだよ~」
と、微笑みながら言ってくれたので、本当に眩しいです。
「そう言えばまだミクちゃんのジュース残ってるね」
俺がそう言っただけで、再び顔を紅潮させているので多分もう俺がしようとしている行動を先読みされているんだろう。
俺がココナッツジュースが入っているグラスを取ると、ミクちゃんはソワソワし始める。目があったので悪戯な笑みを浮かべると――。
「あう――」
と、変な声を出していた。いや、それ目があったときの声じゃないだろ。
対面で左手にグラスを持ちながら、ミクちゃんを軽く支えつつ、右手を太ももに這わせると、ミクちゃんが息が乱れてきた。
そのままバスローブの中に手を入れて下着に触れてみると――。
「めちゃくちゃ濡れてるね」
「言わないで――」
「いつのタイミング?」
「言わないと駄目?」
「うん。お預けにする」
「セコイよ――」
そう言いながらミクちゃんはしばらくモジモジしていた。
「さっきね。なりゆき君意地悪な目で笑ったでしょ? その時――」
え、そんなんでこんなに濡れるんですか? お年頃の女の子って不思議じゃない? いや、しかもお酒すら飲んでないんだぜ? 素晴らしい。最高です。ありがとうございます。
俺は左手に持っているグラスに入っているココナッツジュースを口の中に含み、そのまま口移しをした。量は半分より少し少ないくらいだったので、三回ほどに分けて同じ事を繰り返した。
「どう美味しかった?」
敢えて口には出さず、うんと頷いてくれた。
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