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潜入! アードルハイム帝国Ⅰ
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あれから10,000km離れたアードルハイム帝国の帝都に来た。案の定、ネオンちゃんは色々な国や島に行ったことがるから、転移でアードルハイム帝国の近くまで来て、船を使って海を渡りアードルハイム帝国に来たんや。
依頼かけるのは簡単かもしれへんけど、日本やったらヨーロッパ行ける距離やもんな。
「まあ、街並みは普通やな」
俺達4人はアードルハイム帝国の街中を歩いていた。ネオンちゃんは森妖精やから、耳が目立たないよう、俺のユニークスキルの偽装を使って隠してる。
「そうですね。それこそ景観そのものはカーネル王国と変わらないと思います」
ぱっと見た感じはレンガ造りの民家が多いって事だけやった。そんで、大体の家が2階建てで、旅番組とかで紹介されるヨーロッパみたいな景観。まあこの世界ではこの景色が普通なんやけどな。
「でも、皆さんの顔色はよくないですね。生気が無いというか」
「そうやなブラック企業に勤めている社員みたいな顔しとるな」
「ホンマやな。まあうちも会社に行くんはめちゃ嫌やったからな。そのせいで、一時期肌荒れヤバくて化粧のノリめちゃ悪かってん」
「まあ女の子の肌のコンディションは、化粧のときに顕著に出る言うもんな」
「意外と知ってるねんな。あ、べりーちゃんの動画やろ?」
そう言ってアズサがニヤニヤしてるし、当たっているからとりあえず無視や。
「とりあえずどうしますか? 町の人に聞き込んでも違和感がありますし」
「まあ適当にブラブラ散策しようや。それでこれに納めておけば、あの人等にも少しは役立つやろ」
「そうですね」
しばらく散策して分かったんは、魔物はほとんどおらんかった。人間ばっかりや。昔はアードルハイム共和国やったらしいけど、今はその陰すら無い。カーネル王国もレンファレンス王国も、マーズベル共和国も人間と魔物が共存しているから、ここまで人族しかおらんのも何か新鮮や。
特に変わった情報も得ることができずに、夜になったから宿を2部屋予約して、晩御飯を食べることにした。
当然俺達が行くんは酒場や。
俺達は町民の人に聞いて、美味しくて人気がある酒場に入った。当然、アードルハイム共和国の兵士でも使うようなところや。
俺達は入り口から一番遠い奥の席に案内されて、丸形のウッドテーブルを4人で囲い座って店員を待った。
「結構人いっぱいいますね」
「そうやな」
「レン、関西弁禁止な」
「て、言うてもさっきここのお店案内してもらったときみたいに、こっちに引っ越しして来たばかりで、アードルハイム帝国の事情分かってない超田舎者のフリしたら案外いけるやろ」
「レン、それは甘いぞ。この国では気になる人物がいれば通報されて、名前や特徴さえ言えば、調べ上げられる仕組みになっている。そんな正確な情報をどこから入手しているのか分からんが、アードルハイム皇帝のパイプなら簡単な事さ」
「それにクエストで調査してるって話なら尚危ないですよ」
ネオンちゃんがそう小声で言ってくれた。確かにそうかもな。としか思わんな。やっぱり関西弁あかんのか。難しいな。
そう思っていると、店員やお冷と注文を伺いに来た。他の国なら水なんか出て来やんかったりするのに、良心的なんやなと思った。
「ドリンクのご注文をお伺いします」
「ビール4つでお願いします。食べ物もいいですか?」
「ええどうぞ」
「この大皿のトマトとオニオンとペンネのシーザーサラダ1つと、ローストビーフ5切のものを2つで」
「以上でよろしかったでしょうか?」
「はい。大丈夫です」
「かしこまりました。ドリンクは直ぐにお持ちしますので少々お待ちください」
店員はそう言って去って行った。ネオンちゃんに注文させて正解やな。
「で、ネオンちゃんどうや? 異常聴覚で何か聞こえるか?」
「そうですね。どうやら獣人や森妖精が凌辱を受けているのは本当のようですね。私達の4つ後ろの席にいるカウンター近くの3人組が、どうやらアードルハイム帝国の兵士のようです」
「成程な。まあ鑑定士を使って事前に異常聴覚が無い奴がいてるんは分かってるから。俺達の話を聞いている奴はおれへんから大丈夫やろ」
「そうですね。それにしても酷い話ですね。ここの兵士達は女性のことを女性と思っていない――。ただの道具としか思っていないですよ」
噂は本当やったんやな――。
そう思っていると4人のビールが出てきたので、とりあえず乾杯を行った。
あれから、ネオンちゃんの口から特に報告は無かったから普通にお酒を楽しんでいた。ローストビーフもめちゃくちゃ美味しいから、内心こんなんでホンマにええんかな? って思ったりもする。
「レンさん、アズサさん、ノーディルスさん、さっき言った兵士達の席を見てください」
言われた通りに見てみると、さっきの兵士達が隣に来た3人の可愛いらしい女の子達に声をかけていた。兵士達が40代くらいなんに対して女の子達は20前後と言ったところ。女の子達は困っているようやった。
「ああ? アードルハイム帝国の兵士に逆らうってのか!?」
「こ――困ります。私達は次の予定があるのでご一緒することはできません」
1人の兵士が眉間に皺を寄せて女の子の胸ぐら掴んでいるっていうまさにヤバい展開。店の雰囲気は一気悪くなって、会計を済ませるか、見て見ぬふりをするかの2択。
まさに聞いてたアードルハイム帝国って感じの最悪な雰囲気やった。
依頼かけるのは簡単かもしれへんけど、日本やったらヨーロッパ行ける距離やもんな。
「まあ、街並みは普通やな」
俺達4人はアードルハイム帝国の街中を歩いていた。ネオンちゃんは森妖精やから、耳が目立たないよう、俺のユニークスキルの偽装を使って隠してる。
「そうですね。それこそ景観そのものはカーネル王国と変わらないと思います」
ぱっと見た感じはレンガ造りの民家が多いって事だけやった。そんで、大体の家が2階建てで、旅番組とかで紹介されるヨーロッパみたいな景観。まあこの世界ではこの景色が普通なんやけどな。
「でも、皆さんの顔色はよくないですね。生気が無いというか」
「そうやなブラック企業に勤めている社員みたいな顔しとるな」
「ホンマやな。まあうちも会社に行くんはめちゃ嫌やったからな。そのせいで、一時期肌荒れヤバくて化粧のノリめちゃ悪かってん」
「まあ女の子の肌のコンディションは、化粧のときに顕著に出る言うもんな」
「意外と知ってるねんな。あ、べりーちゃんの動画やろ?」
そう言ってアズサがニヤニヤしてるし、当たっているからとりあえず無視や。
「とりあえずどうしますか? 町の人に聞き込んでも違和感がありますし」
「まあ適当にブラブラ散策しようや。それでこれに納めておけば、あの人等にも少しは役立つやろ」
「そうですね」
しばらく散策して分かったんは、魔物はほとんどおらんかった。人間ばっかりや。昔はアードルハイム共和国やったらしいけど、今はその陰すら無い。カーネル王国もレンファレンス王国も、マーズベル共和国も人間と魔物が共存しているから、ここまで人族しかおらんのも何か新鮮や。
特に変わった情報も得ることができずに、夜になったから宿を2部屋予約して、晩御飯を食べることにした。
当然俺達が行くんは酒場や。
俺達は町民の人に聞いて、美味しくて人気がある酒場に入った。当然、アードルハイム共和国の兵士でも使うようなところや。
俺達は入り口から一番遠い奥の席に案内されて、丸形のウッドテーブルを4人で囲い座って店員を待った。
「結構人いっぱいいますね」
「そうやな」
「レン、関西弁禁止な」
「て、言うてもさっきここのお店案内してもらったときみたいに、こっちに引っ越しして来たばかりで、アードルハイム帝国の事情分かってない超田舎者のフリしたら案外いけるやろ」
「レン、それは甘いぞ。この国では気になる人物がいれば通報されて、名前や特徴さえ言えば、調べ上げられる仕組みになっている。そんな正確な情報をどこから入手しているのか分からんが、アードルハイム皇帝のパイプなら簡単な事さ」
「それにクエストで調査してるって話なら尚危ないですよ」
ネオンちゃんがそう小声で言ってくれた。確かにそうかもな。としか思わんな。やっぱり関西弁あかんのか。難しいな。
そう思っていると、店員やお冷と注文を伺いに来た。他の国なら水なんか出て来やんかったりするのに、良心的なんやなと思った。
「ドリンクのご注文をお伺いします」
「ビール4つでお願いします。食べ物もいいですか?」
「ええどうぞ」
「この大皿のトマトとオニオンとペンネのシーザーサラダ1つと、ローストビーフ5切のものを2つで」
「以上でよろしかったでしょうか?」
「はい。大丈夫です」
「かしこまりました。ドリンクは直ぐにお持ちしますので少々お待ちください」
店員はそう言って去って行った。ネオンちゃんに注文させて正解やな。
「で、ネオンちゃんどうや? 異常聴覚で何か聞こえるか?」
「そうですね。どうやら獣人や森妖精が凌辱を受けているのは本当のようですね。私達の4つ後ろの席にいるカウンター近くの3人組が、どうやらアードルハイム帝国の兵士のようです」
「成程な。まあ鑑定士を使って事前に異常聴覚が無い奴がいてるんは分かってるから。俺達の話を聞いている奴はおれへんから大丈夫やろ」
「そうですね。それにしても酷い話ですね。ここの兵士達は女性のことを女性と思っていない――。ただの道具としか思っていないですよ」
噂は本当やったんやな――。
そう思っていると4人のビールが出てきたので、とりあえず乾杯を行った。
あれから、ネオンちゃんの口から特に報告は無かったから普通にお酒を楽しんでいた。ローストビーフもめちゃくちゃ美味しいから、内心こんなんでホンマにええんかな? って思ったりもする。
「レンさん、アズサさん、ノーディルスさん、さっき言った兵士達の席を見てください」
言われた通りに見てみると、さっきの兵士達が隣に来た3人の可愛いらしい女の子達に声をかけていた。兵士達が40代くらいなんに対して女の子達は20前後と言ったところ。女の子達は困っているようやった。
「ああ? アードルハイム帝国の兵士に逆らうってのか!?」
「こ――困ります。私達は次の予定があるのでご一緒することはできません」
1人の兵士が眉間に皺を寄せて女の子の胸ぐら掴んでいるっていうまさにヤバい展開。店の雰囲気は一気悪くなって、会計を済ませるか、見て見ぬふりをするかの2択。
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