【電子書籍化決定!】生産性厨が異世界で国造り~授けられた能力は手から何でも出せる能力でした~

天樹 一翔

文字の大きさ
上 下
84 / 597

潜入! アードルハイム帝国Ⅰ

しおりを挟む
 あれから10,000km離れたアードルハイム帝国の帝都に来た。案の定、ネオンちゃんは色々な国や島に行ったことがるから、転移テレポートでアードルハイム帝国の近くまで来て、船を使って海を渡りアードルハイム帝国に来たんや。

 依頼かけるのは簡単かもしれへんけど、日本やったらヨーロッパ行ける距離やもんな。

「まあ、街並みは普通やな」

 俺達4人はアードルハイム帝国の街中を歩いていた。ネオンちゃんは森妖精エルフやから、耳が目立たないよう、俺のユニークスキルの偽装フェイクを使って隠してる。

「そうですね。それこそ景観そのものはカーネル王国と変わらないと思います」

 ぱっと見た感じはレンガ造りの民家が多いって事だけやった。そんで、大体の家が2階建てで、旅番組とかで紹介されるヨーロッパみたいな景観。まあこの世界ではこの景色が普通なんやけどな。

「でも、皆さんの顔色はよくないですね。生気が無いというか」

「そうやなブラック企業に勤めている社員みたいな顔しとるな」

「ホンマやな。まあうちも会社に行くんはめちゃ嫌やったからな。そのせいで、一時期肌荒れヤバくて化粧のノリめちゃ悪かってん」

「まあ女の子の肌のコンディションは、化粧のときに顕著に出る言うもんな」

「意外と知ってるねんな。あ、べりーちゃんの動画やろ?」

 そう言ってアズサがニヤニヤしてるし、当たっているからとりあえず無視や。

「とりあえずどうしますか? 町の人に聞き込んでも違和感がありますし」

「まあ適当にブラブラ散策しようや。それでこれに納めておけば、あの人等にも少しは役立つやろ」

「そうですね」

 しばらく散策して分かったんは、魔物はほとんどおらんかった。人間ばっかりや。昔はアードルハイム共和国やったらしいけど、今はその陰すら無い。カーネル王国もレンファレンス王国も、マーズベル共和国も人間と魔物が共存しているから、ここまで人族しかおらんのも何か新鮮や。

 特に変わった情報も得ることができずに、夜になったから宿を2部屋予約して、晩御飯を食べることにした。

 当然俺達が行くんは酒場や。

 俺達は町民の人に聞いて、美味しくて人気がある酒場に入った。当然、アードルハイム共和国の兵士でも使うようなところや。

 俺達は入り口から一番遠い奥の席に案内されて、丸形のウッドテーブルを4人で囲い座って店員を待った。

「結構人いっぱいいますね」

「そうやな」

「レン、関西弁禁止な」

「て、言うてもさっきここのお店案内してもらったときみたいに、こっちに引っ越しして来たばかりで、アードルハイム帝国の事情分かってない超田舎者のフリしたら案外いけるやろ」

「レン、それは甘いぞ。この国では気になる人物がいれば通報されて、名前や特徴さえ言えば、調べ上げられる仕組みになっている。そんな正確な情報をどこから入手しているのか分からんが、アードルハイム皇帝のパイプなら簡単な事さ」

「それにクエストで調査してるって話なら尚危ないですよ」

 ネオンちゃんがそう小声で言ってくれた。確かにそうかもな。としか思わんな。やっぱり関西弁あかんのか。難しいな。

 そう思っていると、店員やお冷と注文を伺いに来た。他の国なら水なんか出て来やんかったりするのに、良心的なんやなと思った。

「ドリンクのご注文をお伺いします」

「ビール4つでお願いします。食べ物もいいですか?」

「ええどうぞ」

「この大皿のトマトとオニオンとペンネのシーザーサラダ1つと、ローストビーフ5切のものを2つで」

「以上でよろしかったでしょうか?」

「はい。大丈夫です」

「かしこまりました。ドリンクは直ぐにお持ちしますので少々お待ちください」

 店員はそう言って去って行った。ネオンちゃんに注文させて正解やな。

「で、ネオンちゃんどうや? 異常聴覚で何か聞こえるか?」

「そうですね。どうやら獣人や森妖精エルフが凌辱を受けているのは本当のようですね。私達の4つ後ろの席にいるカウンター近くの3人組が、どうやらアードルハイム帝国の兵士のようです」

「成程な。まあ鑑定士を使って事前に異常聴覚が無い奴がいてるんは分かってるから。俺達の話を聞いている奴はおれへんから大丈夫やろ」

「そうですね。それにしても酷い話ですね。ここの兵士達は女性のことを女性と思っていない――。ただの道具としか思っていないですよ」

 噂は本当やったんやな――。

 そう思っていると4人のビールが出てきたので、とりあえず乾杯を行った。

 あれから、ネオンちゃんの口から特に報告は無かったから普通にお酒を楽しんでいた。ローストビーフもめちゃくちゃ美味しいから、内心こんなんでホンマにええんかな? って思ったりもする。

「レンさん、アズサさん、ノーディルスさん、さっき言った兵士達の席を見てください」

 言われた通りに見てみると、さっきの兵士達が隣に来た3人の可愛いらしい女の子達に声をかけていた。兵士達が40代くらいなんに対して女の子達は20前後と言ったところ。女の子達は困っているようやった。

「ああ? アードルハイム帝国の兵士に逆らうってのか!?」

「こ――困ります。私達は次の予定があるのでご一緒することはできません」

 1人の兵士が眉間に皺を寄せて女の子の胸ぐら掴んでいるっていうまさにヤバい展開。店の雰囲気は一気悪くなって、会計を済ませるか、見て見ぬふりをするかの2択。

 まさに聞いてたアードルハイム帝国って感じの最悪な雰囲気やった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった

Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。 *ちょっとネタばれ 水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!! *11月にHOTランキング一位獲得しました。 *なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。 *パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。

放置された公爵令嬢が幸せになるまで

こうじ
ファンタジー
アイネス・カンラダは物心ついた時から家族に放置されていた。両親の顔も知らないし兄や妹がいる事は知っているが顔も話した事もない。ずっと離れで暮らし自分の事は自分でやっている。そんな日々を過ごしていた彼女が幸せになる話。

【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー 不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました 今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います ーーーー 間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です 読んでいただけると嬉しいです 23話で一時終了となります

裏切者には神罰を

夜桜
恋愛
 幸せな生活は途端に終わりを告げた。  辺境伯令嬢フィリス・クラインは毒殺、暗殺、撲殺、絞殺、刺殺――あらゆる方法で婚約者の伯爵ハンスから命を狙われた。  けれど、フィリスは全てをある能力で神回避していた。  あまりの殺意に復讐を決め、ハンスを逆に地獄へ送る。

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

捨てられた私は森で『白いもふもふ』と『黒いもふもふ』に出会いました。~え?これが聖獣?~

おかし
ファンタジー
王子の心を奪い、影から操った悪女として追放され、あげく両親に捨てられた私は森で小さなもふもふ達と出会う。 最初は可愛い可愛いと思って育てていたけど…………あれ、子の子達大きくなりすぎじゃね?しかもなんか凛々しくなってるんですけど………。 え、まってまって。なんで今さら王様やら王子様やらお妃様が訪ねてくんの?え、まって?私はスローライフをおくりたいだけよ……? 〖不定期更新ですごめんなさい!楽しんでいただけたら嬉しいです✨〗

処理中です...