【電子書籍化決定!】生産性厨が異世界で国造り~授けられた能力は手から何でも出せる能力でした~

天樹 一翔

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宴会Ⅱ

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 ミクちゃん達も戻ってきたところで、宴会が間もなく開始しようとしていた。人間、獣人、森妖精エルフ電黒狼ボルト・ウルフ、怪鳥、小型鳥、猪戦士オーク牛獣人ミノタウロス、ゴブリン、そしてランベリオンが連れてきたワイバーン。他にも説明し辛いよう分からん魔物も混ざっている。

 平和なのか? 何はともあれ屋敷から少し離れた場所で盛大で祝う。よくまあこれだけ食料が調達できたもんだ。実は俺が虜になってしまったビガーポークまである。あんなに大きい魔物が5頭もいるんだ。そして、ニンジン、カボチャ、白菜、などの野菜もあれば、巨大なマグロに似た魔物だっている。これは武器生成の仕事が早く終わったベリトと、魔物を従わせているノアが方舟ノアズ・アークで運んできたらしい。つか方舟ノアズ・アークは空に浮く事ができるらしいので、カーネル王国から戻って来るときに方舟ノアズ・アークで帰って来ればよかったのだが、ノアにそれを聞いたら「だって、馬車に乗りたかったんだもん! 怒らないでよ!」と言われたのでもう何も言えなかった。

 どうやら、人間の言葉が喋れない魔物に、お酒やらをやると体調を崩すらしいので、言語を喋るチームと喋れないチームに分けて宴会を開始することになった。人型化ヒューマノイドは、使う時間が長いほど、人間の感覚に似てくるらしい。だからランベリオンのようにお酒も飲めるわけだ。

「この椅子可愛いですね! キャンプするみたいで凄くいいです。それにナリユキさんの顔が彫られている!」

 ミクちゃんはそう言ってウッドチェアを褒めてくれた。と、言うのも、従者サーヴァント達のなかに、イラストが上手い女の子がいたから、ミクちゃん、ランベリオン、ノア、ミーシャ、ベリト、アリシア、ベルゾーグの顔を描いてもらい、そのイラストをイメージしながら適当なウッドチェアを手から出したのである。当然俺の顔は恥ずかしいから彫らなくてもいいからと言ったのだが、ベリトと従者サーヴァント達のご希望で渋々造る羽目になった。そして、この後は消えろと念じるだけで片すことできるのだが――。

「ひゃっ」

「悪い。今考え事していたら、消えろに反応したらしい」

 ミクちゃんが座っていた椅子が消えてしまった。ダンジョンに潜っているときもちょくちょくあったので久々のミスだ。俺はミクちゃんに手を差し出すと、ミクちゃんは俺の手を取り立ち上がり、服についている砂を払った。

「あとで新しいの用意するから許して」

「添い寝もしてくださいね」

「それいつもじゃない?」

「一週間ぶりです。2人きりじゃないと何か違うんです」

「成程。よう分からん」

 こういなしているが内心は一緒に寝るのが楽しみだ。美女と寝れるなら誰だって楽しみだろう。朝、起きたら「あ、天使いるじゃん」ってなるんだぜ?

 まあ部屋に来る前にココアを飲んで読書でもしておくか。

 俺は、ミクちゃんに椅子をもう一度用意すると、壇上に立ちあがってスピーチを始める事となる。まあ別にいらない気もするがな。

 手からマイクを取り出し、一呼吸を置くと皆の視線が集まっているのが良く分かる。空気を読んでくれたのか、話すのを止めて俺に注目してくれている。

「皆。このような形で集まっていただき有難う。まさか魔物とこれほど簡単に打ち解けることができるとは思わなかった。それも魔物使いビースト・テイマーのスキルを有するノアと、マーズベル森林の管理者であるアリシアに協力してもらったことが大きい。本当にありがとう。マーズベル共和国のトップとして、このナリユキ・タテワキが君達を引っ張っていくことになる。この地を国として築き上げたのは、他でもない。君達がより豊かな生活を送ってほしいからだ。家も食べ物も用意する代わりに、労力としてこの国の発展の為に力を貸してほしい。魔物の君達は思ったはずなんだ。人間がぬくぬくと敵に襲われる心配も無く寝ているのが羨ましいって。人間と少しでもコミュニケーションをとったことあるなら、ほんの少しでも嫉妬したはずだ。だから、寝ることと食べることに妥協してほしくないから、その環境を作っていくことを約束する。それに伴い2つ守ってほしいことがある。それは、今ここにいる人間と魔物で争いを行わないこと。殺すなんてもってのほかだ。そして、もう1つは観光客を襲うな。部外者が入って来たときの仕組みはきちんと取るから必然的に俺のところへ情報が入って来るので、勝手な行動は起こさないことだいいな?」

 その問いに言語を話すことができる者は「はい」という心地の良い返事を。魔物は吠えたり鳴いたりしていた。どうやら理解をしてくれているようだ。いや、本当にノアのスキル凄いな。魔物使いビースト・テイマーが無かったら、絶対に今大暴れしている魔物いただろ。本当に助かる。

「それでは皆さん、お手元のグラスを持って下さい。そして俺が乾杯と言ったら、乾杯と返事をしてください」

 その言葉に皆が頷いてくれた。

「それでは乾杯!」

「乾杯!」

 何とも言えない気持ちの良い返事だった。人間も獣人も森妖精エルフも、各々自分のグラスを持って挨拶に回っていた。魔物は目の前に置かれたご飯を食べているようだ。

「ナリユキ様。素晴らしいスピーチでした」

 そう声をかけてきたのはベリトだった。

「そんな大したこと言って無いぞ。それより食料調達本当に有難うな。お蔭で助かったぞ」

「有難きお言葉。しかし、ナリユキ様のように屋敷の家具を一通り整えた後、数百の家を建てるなど、たった数時間では私にはできません。まだまだ実力不足なので、精進したいと思います」

「真面目すぎるだろ。やることやってんだから胸を張ってくれ」

「は!」

 ベリトはそう言って跪いた。毎回思う。そこまでしなくても良くない? って。

 ベリトと話し終えた後、改めて森妖精エルフにめちゃくちゃ寄られた。男性もいるが女性のほうが圧倒的に多いので、当然いい匂いがするんだわ。森妖精エルフってだけに天然のアロマセラピーみたいになってる。一家に一人必要だぞこれは。

 そして、心なしかミクちゃんがムスっとしていた。いや、仕方なくね?
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