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王からの礼Ⅲ
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「さて、後ろにいるベリト君は仲間にして、レイドラムを捕まえてくれてありがとう。ジェノーバ・マカロフ卿と繋がっていると聞いたので、彼からはそのマカロフ卿の情報を聞きだす必要があるね。これはカーネル王国が責任を持って調査するよ」
「かしこまりました。それまで私は本来の仕事に取り掛かります。書類がたくさんあるので」
ルイゼンバーンさんはそう言って自分のデスクを苦笑いしながら眺めていた。分かる分かるぞ。営業から帰って来た時に山積みになっている書類みたいなもんだよな。ルイゼンバーンさんはギルドマスターだから当然書類は多い。30cmくらいの高さの山が2セットあるからやってらんないよな。組織運営の会議やこのカーネル王との打ち合わせなどもあるだろうし。
「ルイゼンバーンさん大変ですね」
俺はルイゼンバーンさんにそう問いかけると、そうなんだと力なく答えた。
「仕事は楽しいのだが、書類を片付けるのだけは本当に嫌なんだ。見るだけで頭が痛い」
「気持ちめちゃくちゃ分かるね。この政治の仕事も割とルイゼンバーンに振っているし」
いや、負担減らしてやれよ。カーネル王も何気に加害者だったのかよ。
「そのほうが早いからね。前王だった私の父が、ルイゼンバーンは優秀だと聞いていたから本当に優秀だし助かっているよ。いつもありがとう」
と、多分カーネル王はお茶の間を騒がせるよな愛嬌たっぷりに笑顔を見せているルイゼンバーンさんは有難きお言葉って言っているが、これ多分騙されているぞ。給料上げてやれよ。
「後はそうだね。ナリユキ君達には金貨を渡さないといけないんだった。700層到達ということは699層までクリアって認識であっていたよね?」
「はい。実のところノアは私が降参させたのですが、ノアは 不死の体を持っているので、倒せていません。701層目にはいけていないので」
「あれ? ノアってそんな凄いスキルあったけ? 考えたご先祖様はどうやって倒させようとしたんだろ?」
いや、本当にそうだよ。でも、700層のボスって事はやっぱり何らかの穴があるんだよな。マジで分からん。ノアに聞いても無敵だよ? の一点張りだし、ノアには鑑定士のスキルが無いから、何が使えそうかっていう分析もできないから。まあ――しばらくの課題だな。
「情報通りで何よりだ。報酬は金貨1,000枚だね」
「へ?」
思わず間抜けな声が出てしまったが、それは俺だけではないようだ。ノアとクロノスさん以外は俺を含めて全員驚いている。
「それほど凄いことをしたんですよ」
クロノスさんはそう言ってニコっと笑みを浮かべた。そして俺、ミクちゃん、ランベリオンにサンタクロースが持っているような大きめな巾着袋を渡してくれた。
「巾着3つで合計1,000枚となっておりますよ。まあ重たいでしょうからこちらで馬車を用意させていただきますよ」
「金貨1,000枚もあっても余るのではないか?」
「まあ、農作物の発展させるために、モトリーナの村の人を何人か雇ったり建国するために使いますよ」
「我は資産は十分持っているからな。ナリユキ殿に預けてもいいと考えている」
「まあ、とりあえず自分で持っていてくれ」
「ベリトには割と大きい家を渡すからとりあえずそれで我慢してくれ。生きていくのに不便はさせない。衣食住は確保するからよ」
「勿論それで充分です。頂ける恩恵が多すぎるくらいです」
いや、急にめちゃくちゃ忠実になったんだけど。そんなに俺寛容な心持っていたか?
「ナリユキ君ならマーズベル森林を上手く活用できると思うから、資源の宝庫のあの土地を思う存分使ってくれ。あ、いい鉱石やお酒やココアとかできたら教えてね? 貿易しようと考えているから」
「勿論そうしますよ。カーネル王にお会いできて光栄です」
「私もです。ダンジョンにいたときに、ランベリオンさんからはカーネル王のお話は聞いていたので」
「そうだったか! いや~そう言ってもらえるて嬉しいよ。また何かあったときに力を借りるけど大丈夫かな? うちのギルドだけじゃどうしても処理できない案件だとか、ナリユキ君達に頼んだ方が効率がいい案件とか」
「勿論構いませんよ。その代わり報酬は弾んでもらいますからね」
「う~む。状況によるね」
カーネル王はそうはぐらかせてきたが、実際今回の金貨1,000枚というのは大分多いからな。1枚10万円の価値だから日本円にすると1億円だ。
「どうしますか? すぐにマーズベル森林に戻りますか?」
「そうですね。女性達もいるので馬車は結構必要になりますけど大丈夫ですか?」
「勿論大丈夫です。ルイゼンバーンさん、ギルドの兵士借りますね?」
「勿論だ。好きに使ってくれ」
こうして、俺達はカーネル王国が手配した馬車で三日かけてマーズベル森林に戻ることになった。まあ、勿論途中で魔物が出てきたりはしたけど、カルベリアツリーのダンジョンで経験を積んだ俺達からすると全く問題なかった。こっちの世界に来て初めて出会った魔物、グァイアスと久しぶりに戦ったが、相手にならなかった。ちゃっかりあの魔物A級らしいからそこそこ危険なようだ。そら、モトリーナの村人が困るわけだ。
「かしこまりました。それまで私は本来の仕事に取り掛かります。書類がたくさんあるので」
ルイゼンバーンさんはそう言って自分のデスクを苦笑いしながら眺めていた。分かる分かるぞ。営業から帰って来た時に山積みになっている書類みたいなもんだよな。ルイゼンバーンさんはギルドマスターだから当然書類は多い。30cmくらいの高さの山が2セットあるからやってらんないよな。組織運営の会議やこのカーネル王との打ち合わせなどもあるだろうし。
「ルイゼンバーンさん大変ですね」
俺はルイゼンバーンさんにそう問いかけると、そうなんだと力なく答えた。
「仕事は楽しいのだが、書類を片付けるのだけは本当に嫌なんだ。見るだけで頭が痛い」
「気持ちめちゃくちゃ分かるね。この政治の仕事も割とルイゼンバーンに振っているし」
いや、負担減らしてやれよ。カーネル王も何気に加害者だったのかよ。
「そのほうが早いからね。前王だった私の父が、ルイゼンバーンは優秀だと聞いていたから本当に優秀だし助かっているよ。いつもありがとう」
と、多分カーネル王はお茶の間を騒がせるよな愛嬌たっぷりに笑顔を見せているルイゼンバーンさんは有難きお言葉って言っているが、これ多分騙されているぞ。給料上げてやれよ。
「後はそうだね。ナリユキ君達には金貨を渡さないといけないんだった。700層到達ということは699層までクリアって認識であっていたよね?」
「はい。実のところノアは私が降参させたのですが、ノアは 不死の体を持っているので、倒せていません。701層目にはいけていないので」
「あれ? ノアってそんな凄いスキルあったけ? 考えたご先祖様はどうやって倒させようとしたんだろ?」
いや、本当にそうだよ。でも、700層のボスって事はやっぱり何らかの穴があるんだよな。マジで分からん。ノアに聞いても無敵だよ? の一点張りだし、ノアには鑑定士のスキルが無いから、何が使えそうかっていう分析もできないから。まあ――しばらくの課題だな。
「情報通りで何よりだ。報酬は金貨1,000枚だね」
「へ?」
思わず間抜けな声が出てしまったが、それは俺だけではないようだ。ノアとクロノスさん以外は俺を含めて全員驚いている。
「それほど凄いことをしたんですよ」
クロノスさんはそう言ってニコっと笑みを浮かべた。そして俺、ミクちゃん、ランベリオンにサンタクロースが持っているような大きめな巾着袋を渡してくれた。
「巾着3つで合計1,000枚となっておりますよ。まあ重たいでしょうからこちらで馬車を用意させていただきますよ」
「金貨1,000枚もあっても余るのではないか?」
「まあ、農作物の発展させるために、モトリーナの村の人を何人か雇ったり建国するために使いますよ」
「我は資産は十分持っているからな。ナリユキ殿に預けてもいいと考えている」
「まあ、とりあえず自分で持っていてくれ」
「ベリトには割と大きい家を渡すからとりあえずそれで我慢してくれ。生きていくのに不便はさせない。衣食住は確保するからよ」
「勿論それで充分です。頂ける恩恵が多すぎるくらいです」
いや、急にめちゃくちゃ忠実になったんだけど。そんなに俺寛容な心持っていたか?
「ナリユキ君ならマーズベル森林を上手く活用できると思うから、資源の宝庫のあの土地を思う存分使ってくれ。あ、いい鉱石やお酒やココアとかできたら教えてね? 貿易しようと考えているから」
「勿論そうしますよ。カーネル王にお会いできて光栄です」
「私もです。ダンジョンにいたときに、ランベリオンさんからはカーネル王のお話は聞いていたので」
「そうだったか! いや~そう言ってもらえるて嬉しいよ。また何かあったときに力を借りるけど大丈夫かな? うちのギルドだけじゃどうしても処理できない案件だとか、ナリユキ君達に頼んだ方が効率がいい案件とか」
「勿論構いませんよ。その代わり報酬は弾んでもらいますからね」
「う~む。状況によるね」
カーネル王はそうはぐらかせてきたが、実際今回の金貨1,000枚というのは大分多いからな。1枚10万円の価値だから日本円にすると1億円だ。
「どうしますか? すぐにマーズベル森林に戻りますか?」
「そうですね。女性達もいるので馬車は結構必要になりますけど大丈夫ですか?」
「勿論大丈夫です。ルイゼンバーンさん、ギルドの兵士借りますね?」
「勿論だ。好きに使ってくれ」
こうして、俺達はカーネル王国が手配した馬車で三日かけてマーズベル森林に戻ることになった。まあ、勿論途中で魔物が出てきたりはしたけど、カルベリアツリーのダンジョンで経験を積んだ俺達からすると全く問題なかった。こっちの世界に来て初めて出会った魔物、グァイアスと久しぶりに戦ったが、相手にならなかった。ちゃっかりあの魔物A級らしいからそこそこ危険なようだ。そら、モトリーナの村人が困るわけだ。
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