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そう答える彼女も顔こそ平静を装っていたのだが、どこか熱っぽい雰囲気を纏っており、実は彼に対して恋のようなものを覚えているのかもしれないと思ってしまうような状態だったので僕はつい彼女のことを抱きしめてしまうとキスを
してしまうのだった。
「まぁ、どうしたものか……。ところで、君さえよければこのまま最後までしてしまいたいのならその意思を尊重したいと思えるようになって来たなぁと言う気分なんだが、もしも本気でいいということになれば是非よろしく頼む。今日に至るまでいろいろやってきたからもう俺は君の事が大前提となりかけている気がして来てもいるのだとも実感してもいるのだよ」
そう告げた後に、彼女に甘えるようにして身を寄せたので、私はちょっと困ってから彼の事を後ろからギュっとする格好に決めたうえでしばらくの間過ごしていたがすぐに離れると
「さすがに今回はここまでにしないと駄目なようね」
そう話す彼女は残念がる様子もなく満面の笑で接していたものの私は先程の事を思い出されると思わず恥ずかしくてたまらず顔を隠したくなり、俯いてしまい
「じゃあそろそろ帰りますね。私」
などと意味深な事を話しかけるだけで逃げてきていた。その後も会う機会はあったが、特に何かしらの関係を構築する事はなかったのでその後は特に何も語る必要がないものと考えているけれど実際はエリザベッタの中では、ある程度の変化が訪れており、以前よりも感情は揺れ動いており内面では様々な思いが入り乱れつつも表面上は普段と変わらずに接する努力を行うようにしているために周囲にバレておらずいつも通りの完璧過ぎる悪役令嬢として振る舞う事ができているために対外的には平和と変わらないのでこれは彼女の心境の安定をもたらしてくれている事でもある。しかし本当の所については本人の自覚の有無に関わらず心の内では色々と考えており、それは夫となっている彼に好意を抱いているからであるのだろうが、仮にそうだとしても認めてはいないであろうが。ただ今の時点では表向きには変わりなく対応が出来る状態ではあるものの変化は徐々に起こり続け、それに気付かないまま過ごしているが故にこれまでと同じく日々を過ごす事ができるようになっているようだ。ただし夫の方の意識にもある程度の影響が出ているため、次第に本来の自分ではない思考パターンになる可能性が高まっていったりするのだが現時点ではこの事には全く触れずにいるので本人は一切の異変に遭遇していない状況にあり。むしろ夫との距離をより密接なものにできると思い始めている。またそれと同時に彼との子を授かるためにより頻繁に肌を重ねるようになり妊娠率が高くなる傾向が出てくるようになるのであったがこの時点では当然本人も全く知る事はない状況であった。当然ながら、これから徐々にではあるが、確実に物語の進行と共に登場人物達は人格改変を行い別の存在へと変化していくことになる
運命を辿る事になる。
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