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「まあいいか」
一人になったことでそんな思考はあっさり放棄してしまう。
それはそうといつ見ても圧巻の大きさを誇るアレ。
俺は今、エリザベッタの中に挿入しようとしている。
緊張が走る。息が詰まるほどの緊張感の中覚悟を決め先端をあてがい 彼女の様子を窺いながらじわじわと進めていく。
亀頭の部分を難なく飲み込み、 そこから先はエリザベッタが自ら腰を沈めていった。
カリ首までの一番太い部分を過ぎると後はスムーズに進み、
やがて根元付近まで到達。
「旦那さまの子種が
私の中に入ってくる……」
「旦那さまのコレで私のことめちゃくちゃにしてください」
と切なげに喘ぐエリザベッタ。
彼女の方から腰を動かし始めると瞬く間に快楽に支配され、俺は我を忘れ夢中で貪り始めた。
あれから1時間と経っていないと思うがエリザベッタとの行為は、 夜が明ける頃まで続けられた。
ようやく落ち着いたところで、俺達は互いの身体を清めるべく 一旦別行動を取ることにした。俺はその間に着替を行い、エリザベッタは脱衣場にて汗を流していたようだが水音ですぐ分かる。
「んしょ……。ふぅ、終わり!」
先ほどの行為を思い出させないかのような声色で彼女は元気よく声を上げていたのだがやはり疲労の色が見える。
無理をさせて申し訳ないという思いと共に、自分がどれ程の激情をぶつけたとしても耐えられる体力があることにも感心してしまったりしたが流石に疲れが出ているようだった為、
「今日はこの辺にしとくか?」
と提案すれば是非そうしたいとの意向を受け、2人揃って浴場に向かった俺達だが、突然尿意に襲われる羽目になり 用を足したいと告げると何故か彼女と同じトイレに入ってしまった(勿論別々の個室な)俺の方が比較的早めに出られたのもあって彼女の背中を押しやり便器の前に立たせた俺の後ろに立った格好になったところでおもむろに取り出される俺のモノは未だ臨戦態勢を保ったままであり、
「またしていいか、今度は優しくするから」
「うん、良いわよきてちょうだい」
「ああエリザベッタ……!
好きだ。大好きなエリザベッタ!!!!」
俺は再び彼女に抱き付きその滑らかな肌を堪能するかのように全神経を集中させていた。
乳房を包み込んでいた手を徐々に下へ這わせていき、既に隆起し蜜が漏れ出しているそこを見つけ優しく刺激していく。陰核に吸い付いて舐め回すと、更に量を増してきたのが見て取れたので執拗に舌を絡ませる。
「そんなにしたらくたびれるでしょ……」
なんて事を言ってはいるものの彼女は気持ち良さに表情を歪めて嬉しげにしている。
なので調子に乗って行為を続けていると案の定膝立ちの姿勢を維持できなくなったらしく座り込んでしまう。それでも構わず続けたのだが、結局その日はこれで終わってしまい、改めて仕切り直しとなるのであった。
─翌日早朝、皆が朝食を終え城を出発しようとしたところ、俺とエリザベッタの元へ第一王子が現れた。
彼には何度感謝しても足りないくらい世話になっている。彼は、
「やあやあ久しぶりじゃないかエリザベッタ君、相変わらず美人だねぇ」
と馴れ初めを聞いてきたりしながら楽しげに会話をしていたが、唐突にエリザベッタに目配せをしてその場から去っていく。去り際にちらりと見えた彼の横顔はまるで恋する少年のような様子で少々驚いたが、この場で問い質すことではないと判断して特に何も言わずにおくことにした。
城に戻ってきた後、俺とエリザベッタは二人きりで過ごす機会が多かった。公務や勉学から解放されて羽を伸ばすとまではいかないまでも、
「やっと夫婦だけの時間を過ごせて嬉しいです……」
等と言ってくれるようになっていて可愛くて仕方がない状態だったんだが、最近になると子供が生まれるのではないかと不安を募らせており、それを口にしたりしていて少し精神的不安定さが目に付くようになっているため彼女を落ち着けるべく一緒に過ごしていた時の話になる。すると彼女が、 自分の妊娠の可能性については否定的であるような言動をした時に腹が立つかもしれないという旨の事を言い出すもんだから宥めた上で話を聞いていたんだけどそのうち泣き出してしまい……そして今は半狂乱で叫び散らしている状態であるとだけ報告しておくとしよう。
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