国王陛下は悪役令嬢の子宮で溺れる

一ノ瀬 彩音

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「あら?  珍しくあなたが部屋に閉じ籠っているなんてどういう風の吹き回しなのよ?」
そう言ってやって来たのは俺の妻であるエリザベッタ夫人であった。
彼女は俺と同じ銀髪に青色の瞳を持っていて顔立ちの方も端正に整っている女性だ。肌は白磁のように白く透ける様な美しさを持っているが一方で乳房もそこそこある上に体全体から艶っぽさが滲み出ているため俺としては夜を共にするときは特にたまらない相手であった。ちなみに現在妊娠六ヶ月目に入っているが、その兆候が見られないため見た目に関しては健康的な様子を見せている。
「いや。たまには俺だって読書をしたりすることがあるんだよ」
俺が何気なく話すとエリザベッタは何故か意味深長に笑い始めたのだ。
「どうやら上手くいったみたいね」
何を言っているのかさっぱり分からないと首を傾げればエリザベッタはさらに追い打ちをかけてくる。
「私は貴方の妻として
協力してあげたのよ」
一瞬その意味を理解しかねたがやがて何の話をしているかを理解できて頭を抱えた。つまりだ。
「あれは君の仕業なのかい?」
俺がそう聞けばエリザベッタは胸を張って言った。
「そうよ。凄いでしょ」
「あ、そうだ。もう一つ聞きたいことがあるのだけど」
エリザベッタが尋ねてくるが一体なんだと思い、返事をする。
「君がいつも着ている服の件なんだけど。あれってどこかの有名なデザイナーが作っているわけでもないのだろう?」
「もちろんですわ。自分で縫ってますもの。まぁ一応侍女の力を借りたりはしてますけど」
「もしかしてその服って売ったりはできないかい?」
エリザベッタは顔を
真っ赤にすると言った。
「もしかしてその服をお気に召してくだされたのですか!?」
と言って抱き付いてきたものだから押し倒される形に俺はなり、また致してしまうというハプニングがあった。
エリザベッタと俺との間に子供が産まれたのはそれから一年後、無事に男児が誕生してエルモと名付けられた。エリザベッタに似て可愛い子が生まれてくれた。
「ねぇ。見てみてエルちゃんのこと!」
子供は生後2~3ヶ月で立てるようになり、それを見てエリザベッタが
目を輝かせていた。
生まれた時は小さくてかわいかったものだが成長が早い。そして歩くようになって少し経つと早くもハイハイをはじめ今では少しよちよち歩きではあるがしっかりと歩けるようになった。俺とエリザベッタは我が子の健やかな姿を見守り、成長していくのを喜びとしていた。
俺は、
「王子か王女ができるまではこのまま平穏で良いんだけどね」
と言えばエリザベッタは複雑そうな表情をしながら答えた。
「そうでございますわね。もし仮にご子息様が生まれた場合、後継者争いに巻き込まれることになるのでしょうか?」
俺は内心不安だったがあえて口にする事はしなかった。そもそもまだ息子は生まれてもいないのだから。
「それを考えるのはもう少し先でも良いと思うんだが、今の時点で気に留めておくことは大事だとは思うね」
「ではその辺りについては
調べておきます」
そう言うとエリザベッタは部屋に戻って行った。残された俺は息子の様子を見に行くことにしたのだが、
「あんまり甘えるな」
と母親に叱られている姿を目にすることになる。
俺は息子に近づいた。するとその瞬間
「ダァー」
と俺の方に手を伸ばそうとしてくるので思わず抱っこをしてあげようとした。しかし俺よりも早く母親のエリザベッタがその手を引いて、自分の胸に引き寄せてしまった。
「いけません、エルモ殿下。母に乳房を吸わせてくださいませ」
と母親が息子に懇願しているとエリザベッタの息子、第1王子・エルモは不思議そうにエリザベッタの顔を見るばかりでどうすれば良いのか分かっていないようである。
「やはり私似の男の子だけあって可愛くて仕方がないですね。もっとよく顔を見せなさいエルモ」
とエリザベッタが言おうとするが俺の目の前でディープキスを始めてしまう。しかもエリザベッタが舌を入れているようでそれを懸命に受け入れようとする。俺が嫉妬して注意してこようともお構いなしの様子である。
「もう! いきなり現れてきて何をするんですか、親父殿にエリザベッタさん。二人がそんな仲だったとは知りませんでしたよ。そういう事は寝室でしていただきましょうか、二人とも。あと娘にも乳を与えさせてもらいたく思いまして……」
とやってきたのは俺の父親にあたるラザルスであった。そして娘のサライも一緒になって入ってくると俺にこう話した。
「ああ。私の方はまだなんですよ。いくら私が年増で出産をしても、年齢的に身体が受け付けない可能性が高いので、これからずっと乳母任せになるでしょうが……」
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