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「あ、ありがとう……でも、あなたも凄く素敵だよ? ほら、周りの女の子達が皆見てるでしょ?」
そんなやり取りをしている内に注文した飲み物が届いたことで、一口飲んだ後、しばらくの間、
「このコーヒーは香りが良いけど苦みが強いのが特徴で、ミルクを入れるとまろやかになるんですよ、良かったら試してみますか?」
などと説明していた時、突然、何者かが話しかけてきた。
何事かと思って見てみると、そこにいたのは、見知らぬ女性だったものの、彼女は、どうやら私達と同じ社会人らしく、
偶然、隣の席が空いていたため、そこに座って話をしたいと言ってきたので、特に断る理由も無かったため、了承した私達は、一緒に話し始めるのだった。
ところが、最初は普通に話をしていたはずなのに、途中から徐々に雲行きが怪しくなってきたことに気付いた私は、咄嗟に止めようとしたのだが、
何故か上手く言葉が出てこず、その間に、彼女の質問攻めが始まったことから、仕方なく付き合っていると、急に彼が、トイレに行くために席を立ったのをいいことに、
私もついて行こうとしたのだが、その直後、なぜか腕を掴まれてしまったため、身動きが取れなくなってしまった。
「ごめんなさい、私もトイレに行きたいの、ごめんね」
そう言いながら必死に振り解こうとしたものの、なかなか離れてくれないばかりか、次第に強くなっていった力で痛みを感じ始めたところで、
さすがにこれ以上はまずいと思った私は、無理やり手を振り払った直後に、彼の元へ向かって駆け出した。
そして、勢いよく抱き着いた私は、そのまま体を預ける形でもたれ掛かった後、驚きながらも受け止めてくれた彼と共に席に戻ったことで安堵した私は、
改めて謝罪した後に、 彼女からの質問を遮り、もう帰ることを伝えた上で、さっさと店を出ることにしたのだが、
その時に彼女が浮かべていた笑顔を見た瞬間、背筋に冷たいものが走った私は、急いで店を後にしたのだった。
それからしばらくの間、電車に揺られていた私達は、途中、乗り換えを挟みながら、順調に目的地へと向かっていたのだが、
途中の駅で停車した際、何か違和感を感じた私が、辺りを見回してみると、いつの間にか乗客がほとんどいなくなっていたことに気づいた。
そのことに動揺していると、隣にいた彼が、いきなり抱き締めてきたかと思えば、強引にキスをしてきたことで、
抵抗する間もなく受け入れた私が、舌を絡め合うような濃厚なキスを交わしている間、体をまさぐられてしまい、
思わず声を上げそうになったところをなんとか我慢した私は、なおも続けられる愛撫に耐えつつ、
無意識のうちに太腿を擦り合わせるようにしていた時、それに気付いたらしい彼が、意地悪な笑みを浮かべながら、耳元で囁いた。
それに対して、何も言えずにいた私を見た彼は、クスッと笑った後で、今度は耳を舐め始めてきたため、その刺激によって体を震わせた私が、
たまらず声を上げた直後、電車が揺れてバランスを崩した拍子に倒れ込んでしまった私の上に覆い被さって来た彼が、
そのまま、首筋に吸い付いてきたことで、ゾクゾクとした感覚に襲われた私が悶えていると、それを見た彼が、
さらに強く吸ってくると同時に、もう片方の首筋へも手を伸ばしてきて、同じ行為を繰り返そうとしたところで、
ハッと我に返った私は、慌てて抵抗したものの、 両手を抑えられてしまって動けない状態のまま、彼の好きに弄ばれてしまっていた私は、
とうとう耐え切れなくなり、達してしまった直後、放心状態の私に、再びキスしてきた彼が、舌を絡ませるなり、
「気持ちよかったかい?」
と尋ねてきたことで、小さく頷いた私は、トロンとした表情になっていたと思う。
それから程なくして、ようやく目的の駅に到着したことで、立ち上がった彼は、私の手を引くなり、歩き出したので、
それについていく形で改札を出たのだが、その時、ふいに背後から誰かに声をかけられたような気がしたため、
振り返ってみたところ、そこには、一人の女性が立っており、私のことを見つめていた様子だったものの、次の瞬間には、
まるで興味を失ったかのように視線を外すと、どこかへ立ち去って行った。
そんなやり取りをしている内に注文した飲み物が届いたことで、一口飲んだ後、しばらくの間、
「このコーヒーは香りが良いけど苦みが強いのが特徴で、ミルクを入れるとまろやかになるんですよ、良かったら試してみますか?」
などと説明していた時、突然、何者かが話しかけてきた。
何事かと思って見てみると、そこにいたのは、見知らぬ女性だったものの、彼女は、どうやら私達と同じ社会人らしく、
偶然、隣の席が空いていたため、そこに座って話をしたいと言ってきたので、特に断る理由も無かったため、了承した私達は、一緒に話し始めるのだった。
ところが、最初は普通に話をしていたはずなのに、途中から徐々に雲行きが怪しくなってきたことに気付いた私は、咄嗟に止めようとしたのだが、
何故か上手く言葉が出てこず、その間に、彼女の質問攻めが始まったことから、仕方なく付き合っていると、急に彼が、トイレに行くために席を立ったのをいいことに、
私もついて行こうとしたのだが、その直後、なぜか腕を掴まれてしまったため、身動きが取れなくなってしまった。
「ごめんなさい、私もトイレに行きたいの、ごめんね」
そう言いながら必死に振り解こうとしたものの、なかなか離れてくれないばかりか、次第に強くなっていった力で痛みを感じ始めたところで、
さすがにこれ以上はまずいと思った私は、無理やり手を振り払った直後に、彼の元へ向かって駆け出した。
そして、勢いよく抱き着いた私は、そのまま体を預ける形でもたれ掛かった後、驚きながらも受け止めてくれた彼と共に席に戻ったことで安堵した私は、
改めて謝罪した後に、 彼女からの質問を遮り、もう帰ることを伝えた上で、さっさと店を出ることにしたのだが、
その時に彼女が浮かべていた笑顔を見た瞬間、背筋に冷たいものが走った私は、急いで店を後にしたのだった。
それからしばらくの間、電車に揺られていた私達は、途中、乗り換えを挟みながら、順調に目的地へと向かっていたのだが、
途中の駅で停車した際、何か違和感を感じた私が、辺りを見回してみると、いつの間にか乗客がほとんどいなくなっていたことに気づいた。
そのことに動揺していると、隣にいた彼が、いきなり抱き締めてきたかと思えば、強引にキスをしてきたことで、
抵抗する間もなく受け入れた私が、舌を絡め合うような濃厚なキスを交わしている間、体をまさぐられてしまい、
思わず声を上げそうになったところをなんとか我慢した私は、なおも続けられる愛撫に耐えつつ、
無意識のうちに太腿を擦り合わせるようにしていた時、それに気付いたらしい彼が、意地悪な笑みを浮かべながら、耳元で囁いた。
それに対して、何も言えずにいた私を見た彼は、クスッと笑った後で、今度は耳を舐め始めてきたため、その刺激によって体を震わせた私が、
たまらず声を上げた直後、電車が揺れてバランスを崩した拍子に倒れ込んでしまった私の上に覆い被さって来た彼が、
そのまま、首筋に吸い付いてきたことで、ゾクゾクとした感覚に襲われた私が悶えていると、それを見た彼が、
さらに強く吸ってくると同時に、もう片方の首筋へも手を伸ばしてきて、同じ行為を繰り返そうとしたところで、
ハッと我に返った私は、慌てて抵抗したものの、 両手を抑えられてしまって動けない状態のまま、彼の好きに弄ばれてしまっていた私は、
とうとう耐え切れなくなり、達してしまった直後、放心状態の私に、再びキスしてきた彼が、舌を絡ませるなり、
「気持ちよかったかい?」
と尋ねてきたことで、小さく頷いた私は、トロンとした表情になっていたと思う。
それから程なくして、ようやく目的の駅に到着したことで、立ち上がった彼は、私の手を引くなり、歩き出したので、
それについていく形で改札を出たのだが、その時、ふいに背後から誰かに声をかけられたような気がしたため、
振り返ってみたところ、そこには、一人の女性が立っており、私のことを見つめていた様子だったものの、次の瞬間には、
まるで興味を失ったかのように視線を外すと、どこかへ立ち去って行った。
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