【溺愛の恋】～あなたは、私だけのモノ～

26.

そんな強引な手に抗うことができないまま、なすすべもなく彼の好きにさせてしまった私は、またしてもされるがままになってしまったものの、
既に抵抗する気力すらなくしていた上に、昨夜の出来事のせいで、かなり敏感になっていたせいもあって、もはや成すがままにされることを選んだ私は、
すっかり蕩けきってしまい、完全に油断していたせいで、突然与えられた刺激に、悲鳴にも似た嬌声を上げてしまったことで、
慌てて口を塞ごうとしたのだけれど、そうする前に再び絶頂を迎えた私が仰け反りながら果ててしまうと、
それを見た彼が満足げに微笑む姿を目にした私は、恥ずかしくて死にたくなっていた。

「ふふっ、可愛い」
その言葉を耳にした瞬間、ますます恥ずかしくなった私は、彼から顔を背けたものの、すぐに顎を掴まれたことで元の位置に戻されてしまい、
至近距離から見つめられたことで、思わず目を伏せてしまったものの、そこでフッと笑った気配がした後、
耳元に口付けられたことによってゾクリとした感覚に襲われて身震いした次の瞬間、耳に舌を這わされて、ビクッと体が震えてしまった私は、必死に声を堪えていた。

ところが、その程度で満足するはずがないことは、これまでの経験から分かっていただけに、いつ始まるのかと身構えていたのだが、
「もう少しだけ待っててね」
そう言った彼は、本当に何もしないつもりらしく、言葉通り、そのままの状態でじっとしていた――。

結局、最後まで何事も起きなかったおかげで、すっかり緊張が解れた私は、ホッと安堵の溜息を漏らしたところで、
不意に立ち上がった彼が、どこかへ行ってしまったことに気づいた私が慌てて後を追うと、そこには、テーブルがあったことから、
その上には、食事の準備がなされていることを知った私は、 お腹が鳴ったのを合図に食事を摂ることにしたのだが、
ここでもまた驚かされることになった。

というのも、テーブルの上に並んでいたものは、これまで食べたこともないほど豪華な料理ばかりであり、どれも美味しかったからである。
そんな夢のようなひと時を過ごした後で、食後のお茶を楽しんだ後、
「それじゃあそろそろ行こうか」
という彼の言葉を聞いた私は、慌てて立ち上がると、彼に連れられてお風呂へと向かったのだが、
ここで、ある重大な問題が発覚したため、どうしたものかと考え込んでしまったものの、意を決して口を開いた私は、彼に正直に話すことにした。

それは、お風呂に入って汗を流したいと思っていたからだ。
だが、それを聞いた彼は、なぜか一瞬の間を置いた後、ニッコリと笑ってきたかと思うと、とんでもないことを言い出したの。

「大丈夫だよ、気にしないで。俺が全部してあげるから」
と――。
それからしばらくの間、彼によって体中を隅々まで洗われた挙句、すっかり蕩かされてしまった私は、 湯船に浸かった頃には、
息も絶え絶えな状態だったにもかかわらず、
「続きは、ベッドに行ってからね？」
などと耳元で囁かれてしまったため、すっかり骨抜き状態にされてしまっていたのでした――。

（どうして？　こんなことに……）
ベッドの上で仰向けになった私を見下ろしている彼は、相変わらず微笑んだまま動こうとしなかった。
それどころか、一向に服を脱ぐ気配すら見せようとしないどころか、シャツのボタン一つ外そうとしないまま、ただジッと見つめているだけなのである。