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そして、向かう道中、 他愛もない会話を楽しみながら歩いている内に、あっという間に到着してしまったので、
早速、店内へ入ることにしましたが、そこで、ある事実に気づいたことで、愕然とすることになりました。
なんと、そこはカップル専用の席が設けられている店だったため、周囲からの視線に晒されることになったからです。

(どうしよう……恥ずかしいよ……)
そう思いつつ、なるべく気にしないように努めていた私は、何とか平静を装うことに成功しました。
それからというもの、運ばれてきた料理を食べ始めたところで、不意に話しかけられた私は、驚いてしまい、危うく喉に詰まらせるところでした。

「大丈夫? はい、これ飲んで落ち着いてね」
そう言って、飲み物を差し出してくれたのは、言うまでもなく夫である彼なのですが、お礼を言いつつ受け取った後、
一口飲んだところで、ふと疑問に思ったことがあったので、尋ねてみることにしました。

(どうして、いつもタイミングよく来てくれるんだろう……?)
そんなことを考えている間にも、食事を終えた私達は、会計を済ませた後で、外へ出たのですが、
そこで、またしても予想外の出来事が起こったせいで、頭が混乱してしまうことになってしまったのです。

それは、帰るために駅へ向かっていた時、急に雨が降り出してきたため、近くにあった建物の中へ避難することになった際、
傘を持っていなかった私が困っていたら、彼が自分の持っていた折り畳みの傘を差し出した上で、こう言ってくれたことがきっかけでした。

すると、その直後、背後から抱きつかれた上に、耳元で囁かれたことで、一気に緊張感が高まったせいで、身動きが取れなくなってしまった私は、
そのまま固まってしまうことになったのですが、その時、偶然を装って胸を触られてしまったことで、思わず変な声が出てしまい、
慌てて口を塞ぐ羽目になったものの、そのせいで、余計に意識するようになってしまい、次第に呼吸が荒くなっていったところへ追い打ちをかけるようにして、
耳たぶを舐められた結果、ついに限界を迎えてしまうことになると、その場に座り込んでしまった私を見て、慌てた様子の彼が声をかけてきたので、
大丈夫ですと答えつつ立ち上がろうとしたものの、足に力が入らずに立てないことに気づいた私は、仕方なく助けを求めることにしました。


その結果、お姫様抱っこされた状態で運ばれることになりましたが、その間もずっと密着していたこともあってか、
心臓の鼓動が速まっていくのを感じた私は、一刻も早く離れたいと思う一方で、このまま時間が止まってしまえばいいのに……などと考えながらも、
密かに喜びを感じていたことは、誰にも言えない秘密なのでした――。
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