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目的地に到着するまでの間、手を繋いだり腕を組んだりして歩いていたのですが、その際、周囲の人達の視線が集まっていることに気づいた私は、
内心ドキドキしながら歩いていました。
しかし、そんな中、突然腕を引かれて立ち止まるよう促されたので、何だろうと思いながら振り向くと、彼がいきなりキスをしてきたので、
驚いた私は、思わず硬直してしまいました。

そして、しばらくの間、されるがままになっているうちに、徐々に気持ちが昂ってきたところで、ようやく解放されたので、
ホッと胸を撫で下ろしたものの、今度は耳元に顔を寄せられたことで、囁かれた言葉に動揺してしまい、その場から動けなくなってしまいました。

「今夜、君を抱く」
それを聞いた瞬間、頭の中が真っ白になりかけた私ですが、辛うじて理性を保つことに成功すると、必死に取り繕いながら言葉を返すことにしました。

ところが、そんな私の態度を見た彼は、フッと笑うと、さらにとんでもないことを言い出したのです。

「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ? ちゃんと優しくしてあげるからね?」
その言葉を聞いた私は、思わず赤面してしまったものの、何とか気持ちを落ち着かせると、意を決して口を開いたところで、
彼に遮られてしまったので、反射的に顔を上げると、視線がぶつかった拍子に心臓が跳ね上がります。

そして、次の瞬間、彼の唇が近づいてくるのを見た私は、咄嗟に目を閉じて受け入れていました。

「んっ……」
柔らかな感触とともに、全身に甘い痺れが広がっていく中、しばらくの間、夢中でキスを続けていた私達でしたが、
やがてどちらからともなく離れると、互いに見つめ合った後で、クスッと笑い合うことになりました。

それから、気を取り直したところで、当初の目的を果たすために歩き始めたのですが、その途中で立ち寄ったお店で買い物を済ませた後、帰宅する途中、
ふと思いついたことがあるので、尋ねてみることにしました。

「そういえば、もうすぐ誕生日だよね? 何か欲しいものとかあるかな?」
すると、少しの間、考え込んでいた彼が出した答えは、意外なものでした。

というのも、以前から気になっていたカフェがあるらしいのですが、そこに連れて行って欲しいという要望だったので、
特に断る理由もなかったので、快く引き受けることにしたのです。
こうして、デートの約束を取り付けた後、帰宅した私は、早速支度に取りかかることにしたのですが、当日になって気づいたことがありました。

それは、服装についてです。
これまでは、動きやすい格好を好んで着ていたせいか、スカートなどはあまり履かなかったのですが、彼と付き合い始めてからは、
ファッションにも気を遣うようになり、最近では、おしゃれを楽しむようになっていたので、どんな格好で行こうか迷った末に、
結局、以前購入したワンピースを着ていくことに決めた私は、メイクを済ませてから、髪をセットして、軽くお化粧をしたところで、
準備が完了したので、彼と一緒に家を出ることにしました。
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