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「ふぅ……さっぱりした!」
そう言って、バスタオルを巻いたまま出てくると、リビングへ向かった私は、冷蔵庫を開けて中から缶ビールを取り出すと、その場で飲み始めました。
しかし、いくら飲んでも酔うことはなく、むしろ喉の渇きが増す一方だったので、あっという間に一本を飲み干してしまったところで、
二本目を取りに行こうとして立ち上がった瞬間、足元がふらついてしまい、倒れそうになったところを咄嗟に支えられたので、
なんとか事なきを得ましたが、その時にはすでに酔いが回ってきていたらしく、頭がボーッとしてきました。
そして、そんな彼に寄りかかるような体勢になった時、突然、キスをされたことで我に返った私は、
「待って、まだ心の準備が出来てないのっ!」
と言って抵抗したものの、強引に唇を奪われてしまい、そのまま押し切られる形で寝室へ連れ込まれてしまいました。
それから、ベッドの上に寝かされると、すぐに覆い被さられ、身動きが取れなくなってしまいましたが、それでも必死に抵抗する私に対して、
彼は容赦なく攻め立ててきます。
その結果、なす術なく組み伏せられた私は、為す術もなく犯され、何度もイカされてしまうことになったのです。
(こんなのダメなのに、どうして逆らえないんだろう……?)
そう疑問に思ったものの、結局答えを見つけることは出来ませんでした。
なぜなら、彼から与えられる快楽によって、思考能力が奪われてしまっていたからです。
そのため、まともに考えることすら出来ない状態だった私が、まともな判断が出来るはずもなく、気がつけば身を委ねるような形になっていました。
こうして、完全に主導権を握られた状態で始まった情事は、最初から最後まで激しいものでしたが、不思議と嫌悪感はなく、むしろ幸福感に包まれていた気がします。
そして、何度目か分からない絶頂を迎えた後、ついに力尽きて気を失ってしまったところで、この夢のような時間は終わりを迎えることとなりました。
翌朝、目を覚ますと、隣に夫の姿がないことに気付き、少しガッカリした気持ちになったのは言うまでもありませんでしたが、
それと同時に昨晩のことを思い出して顔を赤くすると、
「うぅ……恥ずかしい……」
などと呟きつつ、布団を被って悶えていたのですが、いつまでもこうしている訳にもいかないので、仕方なく起きることにしました。
そして、着替えを済ませた私は、朝食の準備をするためにキッチンへ向かいます。
(今日は何にしようかな?)
そんなことを考えながら冷蔵庫の中を確認していると、卵とベーコンを発見したことで、目玉焼きを作ることに決めました。
さっそくフライパンを熱して油を引くと、そこに溶き卵を流し込み、ある程度固まってきたところで火を止めてお皿に移し替えてから、
余った分は別の器に移すなどして使い切るようにします。
続いて、食パンを取り出してトースターに入れると、
「よし! 完成!」
と言いながら、テーブルに並べ終えたところで、ちょうど夫が姿を現したので、一緒に食べることになりました。
それから、食事を終えた後、片付けをしている途中で、ふとあることを思い出した私は、彼に声をかけて呼び止めることにしました。
すると、不思議そうな顔をしながら近寄ってくる彼に向かって、手招きをした後で、耳元で囁くようにして尋ねました。
「昨日、私の部屋に来た?」
それを聞いた彼は、しばらく考え込むような仕草を見せたあとで、ゆっくりと首を横に振りますが、そこですかさず、さらに追及するように尋ねてみました。
「本当に覚えてないの……?」
すると、観念したように頷いた彼が、申し訳なさそうな表情を浮かべながら謝ってきたので、それ以上は追求しないことにしたのですが、
その直後、背後から抱きつかれてしまったことで、再び窮地に立たされることになってしまったのです!
(もう、どうしてこんな時に……!)
そう思ったものの、拒むことも出来ず、されるがままになっていたところ、彼の手が胸元へと伸びてきたことに気づいた私は、
慌てて止めようとしたのですが、既に手遅れでした。
そう言って、バスタオルを巻いたまま出てくると、リビングへ向かった私は、冷蔵庫を開けて中から缶ビールを取り出すと、その場で飲み始めました。
しかし、いくら飲んでも酔うことはなく、むしろ喉の渇きが増す一方だったので、あっという間に一本を飲み干してしまったところで、
二本目を取りに行こうとして立ち上がった瞬間、足元がふらついてしまい、倒れそうになったところを咄嗟に支えられたので、
なんとか事なきを得ましたが、その時にはすでに酔いが回ってきていたらしく、頭がボーッとしてきました。
そして、そんな彼に寄りかかるような体勢になった時、突然、キスをされたことで我に返った私は、
「待って、まだ心の準備が出来てないのっ!」
と言って抵抗したものの、強引に唇を奪われてしまい、そのまま押し切られる形で寝室へ連れ込まれてしまいました。
それから、ベッドの上に寝かされると、すぐに覆い被さられ、身動きが取れなくなってしまいましたが、それでも必死に抵抗する私に対して、
彼は容赦なく攻め立ててきます。
その結果、なす術なく組み伏せられた私は、為す術もなく犯され、何度もイカされてしまうことになったのです。
(こんなのダメなのに、どうして逆らえないんだろう……?)
そう疑問に思ったものの、結局答えを見つけることは出来ませんでした。
なぜなら、彼から与えられる快楽によって、思考能力が奪われてしまっていたからです。
そのため、まともに考えることすら出来ない状態だった私が、まともな判断が出来るはずもなく、気がつけば身を委ねるような形になっていました。
こうして、完全に主導権を握られた状態で始まった情事は、最初から最後まで激しいものでしたが、不思議と嫌悪感はなく、むしろ幸福感に包まれていた気がします。
そして、何度目か分からない絶頂を迎えた後、ついに力尽きて気を失ってしまったところで、この夢のような時間は終わりを迎えることとなりました。
翌朝、目を覚ますと、隣に夫の姿がないことに気付き、少しガッカリした気持ちになったのは言うまでもありませんでしたが、
それと同時に昨晩のことを思い出して顔を赤くすると、
「うぅ……恥ずかしい……」
などと呟きつつ、布団を被って悶えていたのですが、いつまでもこうしている訳にもいかないので、仕方なく起きることにしました。
そして、着替えを済ませた私は、朝食の準備をするためにキッチンへ向かいます。
(今日は何にしようかな?)
そんなことを考えながら冷蔵庫の中を確認していると、卵とベーコンを発見したことで、目玉焼きを作ることに決めました。
さっそくフライパンを熱して油を引くと、そこに溶き卵を流し込み、ある程度固まってきたところで火を止めてお皿に移し替えてから、
余った分は別の器に移すなどして使い切るようにします。
続いて、食パンを取り出してトースターに入れると、
「よし! 完成!」
と言いながら、テーブルに並べ終えたところで、ちょうど夫が姿を現したので、一緒に食べることになりました。
それから、食事を終えた後、片付けをしている途中で、ふとあることを思い出した私は、彼に声をかけて呼び止めることにしました。
すると、不思議そうな顔をしながら近寄ってくる彼に向かって、手招きをした後で、耳元で囁くようにして尋ねました。
「昨日、私の部屋に来た?」
それを聞いた彼は、しばらく考え込むような仕草を見せたあとで、ゆっくりと首を横に振りますが、そこですかさず、さらに追及するように尋ねてみました。
「本当に覚えてないの……?」
すると、観念したように頷いた彼が、申し訳なさそうな表情を浮かべながら謝ってきたので、それ以上は追求しないことにしたのですが、
その直後、背後から抱きつかれてしまったことで、再び窮地に立たされることになってしまったのです!
(もう、どうしてこんな時に……!)
そう思ったものの、拒むことも出来ず、されるがままになっていたところ、彼の手が胸元へと伸びてきたことに気づいた私は、
慌てて止めようとしたのですが、既に手遅れでした。
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