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翌日、いつものように会社へと向かう途中、偶然にも同僚の女性と出会います。
向こうもこちらに気づいたようで、こちらに向かって歩いてくると話しかけてきました。
(もしかして、昨日のことを根に持っているのかしら?)
そう思った私は、彼女に対して身構えるのですが、予想に反して、笑顔で挨拶をしてきたのです。
拍子抜けしつつも、こちらも挨拶を返すと、そのまま通り過ぎていきました。
そんな彼女の後ろ姿を見つめているうちに、不意に昨晩の出来事を思い出してしまいます。
あの情熱的なキスの感触を思い出してしまい、顔を真っ赤に染めながら、慌てて頭を振って忘れようとするのですが、中々忘れられそうにありませんね……。
仕事を終えて帰宅すると、玄関の前で悠真が出迎えてくれました!
嬉しくなった私は、彼に抱きつきます。
彼もそれに応えるようにして抱きしめ返してくれるので、幸せを感じつつ、しばらく抱き合っていました。
しかし、いつまでもこうしている訳にはいきませんので、名残惜しい気持ちを抱きつつも離れることにします。
それから晩御飯を食べることになったのですが、ここで問題が発生してしまいます。
それは、テーブルを挟んで向かい合うように座って食べている最中のことなのですが、
彼がチラチラとこちらを窺いながら食事を口に運んでいることに気づいた私は、首を傾げました。
(一体、どうしたんだろう?)
と思っていると、不意に彼から話しかけられたので、それに応じるべく耳を傾けます。
ですが、彼の口から発せられた言葉は、予想外のものでした!
なんと、私が口をつけた箸で食事を摂りたいと言ったのです!
一瞬、何を言われたのか理解出来なかった私でしたが、すぐに正気に戻ると、拒否する旨を伝えようとしたところ、
既に手遅れのようで、すでに目の前に差し出されているではありませんか!?
「はい、あーん」
という彼の言葉に観念した私は、差し出された料理を口にするのでした……。
その味は、とても美味しかったです。
こうして、彼と一緒に夕食を食べた後、食後のデザートとしてケーキを頂くことになったのですが、
その際に出されたフォークで刺して食べさせる方法ではなく、自分で食べることが出来ると言うと、
残念そうな表情をして、渋々といった感じで了承してくれたのでした。
そんな彼の様子に、少し悪いことをしたかなと思いつつも、これ以上、恥ずかしい思いをしたくないので、こればかりは譲れません!
結局、その後は普通に食べただけで終わりましたが、最後の一口だけは、お互いに食べさせ合うことになりましたけどね。
そんな甘い一時を過ごした後、お風呂に入ることにしたのですが、そこでもまたひと悶着あったものの、なんとか無事に入浴を済ませることが出来ました。
そうして、寝室へと移動した私たちは、互いに求め合うようにして激しく愛し合いました。
翌朝、目を覚ました私は、隣で眠っている夫に視線を向けると、そっと頬に手を添えて撫で回した後、
軽くキスをしてから起き上がると、朝食の準備に取り掛かるのでした。
それからしばらくして、起床した夫が洗面所へと向かっていったので、その間に簡単な料理を作ろうとキッチンに向かったところで、
後ろから声をかけられるので、振り返るとそこには息子が立っています。
どうしたのかと聞くと、一緒に遊びたいと言うではありませんか!
なので、抱っこしてあげることにしました。
その後、息子を床に降ろすと、着替えてくるように言ったあと、寝室へと向かった私は、クローゼットを開けて服を選ぶこと数分、
白を基調としたワンピースを選びました。
下着も同じく白色のものを身につけると、その上に白いカーディガンを着て準備完了です。
リビングに向かうと、そこに夫の姿がなかったので、先に息子の元へ向かうことにしました。
我が子の元に到着した私は、早速、彼を抱き上げると膝の上に座らせてあげるのでした。
最初は恥ずかしがっていた息子だったけれど、次第に慣れてきたのか、自分から抱きついてくるようになったため、思わず笑みが溢れてしまいます。
しばらくの間、そうしていたものの、途中でお腹が鳴ったので、ご飯を食べることにしたのです。
テーブルの上には既に朝食が用意されていたので、椅子に座って待っていると、程なくして夫の分が出来上がるので、それを受け取って、二人揃っていただきますをする。
そして、同時に口に運ぶと、咀嚼してから飲み込んでいきます。
その間、会話はなく、黙々と食べていたのですが、ふと気になって視線を上げると、こちらをじっと見つめていることに気づきました。
どうかしたのかと尋ねると、彼は何でもないと答えると、再び食事に戻ります。
私もそれ以上、追及することはせず、同じように食事を続けることにしました――。
そうして、あっという間に完食すると、今度は歯磨きをするために洗面台に向かいます。
まずは、歯を磨いて汚れを落とすことから始めますが、この時に、いつも使っているお気に入りの歯ブラシを手に取ろうとすると、
隣にあった別のものを渡されてしまいました!
戸惑いながらも、それを使い始めたのですが、これが間違いの元でした。
なぜなら、それは普段、夫が愛用しているものだったからです!
その事実に気づいた時、私の顔はみるみるうちに赤くなっていきました。
向こうもこちらに気づいたようで、こちらに向かって歩いてくると話しかけてきました。
(もしかして、昨日のことを根に持っているのかしら?)
そう思った私は、彼女に対して身構えるのですが、予想に反して、笑顔で挨拶をしてきたのです。
拍子抜けしつつも、こちらも挨拶を返すと、そのまま通り過ぎていきました。
そんな彼女の後ろ姿を見つめているうちに、不意に昨晩の出来事を思い出してしまいます。
あの情熱的なキスの感触を思い出してしまい、顔を真っ赤に染めながら、慌てて頭を振って忘れようとするのですが、中々忘れられそうにありませんね……。
仕事を終えて帰宅すると、玄関の前で悠真が出迎えてくれました!
嬉しくなった私は、彼に抱きつきます。
彼もそれに応えるようにして抱きしめ返してくれるので、幸せを感じつつ、しばらく抱き合っていました。
しかし、いつまでもこうしている訳にはいきませんので、名残惜しい気持ちを抱きつつも離れることにします。
それから晩御飯を食べることになったのですが、ここで問題が発生してしまいます。
それは、テーブルを挟んで向かい合うように座って食べている最中のことなのですが、
彼がチラチラとこちらを窺いながら食事を口に運んでいることに気づいた私は、首を傾げました。
(一体、どうしたんだろう?)
と思っていると、不意に彼から話しかけられたので、それに応じるべく耳を傾けます。
ですが、彼の口から発せられた言葉は、予想外のものでした!
なんと、私が口をつけた箸で食事を摂りたいと言ったのです!
一瞬、何を言われたのか理解出来なかった私でしたが、すぐに正気に戻ると、拒否する旨を伝えようとしたところ、
既に手遅れのようで、すでに目の前に差し出されているではありませんか!?
「はい、あーん」
という彼の言葉に観念した私は、差し出された料理を口にするのでした……。
その味は、とても美味しかったです。
こうして、彼と一緒に夕食を食べた後、食後のデザートとしてケーキを頂くことになったのですが、
その際に出されたフォークで刺して食べさせる方法ではなく、自分で食べることが出来ると言うと、
残念そうな表情をして、渋々といった感じで了承してくれたのでした。
そんな彼の様子に、少し悪いことをしたかなと思いつつも、これ以上、恥ずかしい思いをしたくないので、こればかりは譲れません!
結局、その後は普通に食べただけで終わりましたが、最後の一口だけは、お互いに食べさせ合うことになりましたけどね。
そんな甘い一時を過ごした後、お風呂に入ることにしたのですが、そこでもまたひと悶着あったものの、なんとか無事に入浴を済ませることが出来ました。
そうして、寝室へと移動した私たちは、互いに求め合うようにして激しく愛し合いました。
翌朝、目を覚ました私は、隣で眠っている夫に視線を向けると、そっと頬に手を添えて撫で回した後、
軽くキスをしてから起き上がると、朝食の準備に取り掛かるのでした。
それからしばらくして、起床した夫が洗面所へと向かっていったので、その間に簡単な料理を作ろうとキッチンに向かったところで、
後ろから声をかけられるので、振り返るとそこには息子が立っています。
どうしたのかと聞くと、一緒に遊びたいと言うではありませんか!
なので、抱っこしてあげることにしました。
その後、息子を床に降ろすと、着替えてくるように言ったあと、寝室へと向かった私は、クローゼットを開けて服を選ぶこと数分、
白を基調としたワンピースを選びました。
下着も同じく白色のものを身につけると、その上に白いカーディガンを着て準備完了です。
リビングに向かうと、そこに夫の姿がなかったので、先に息子の元へ向かうことにしました。
我が子の元に到着した私は、早速、彼を抱き上げると膝の上に座らせてあげるのでした。
最初は恥ずかしがっていた息子だったけれど、次第に慣れてきたのか、自分から抱きついてくるようになったため、思わず笑みが溢れてしまいます。
しばらくの間、そうしていたものの、途中でお腹が鳴ったので、ご飯を食べることにしたのです。
テーブルの上には既に朝食が用意されていたので、椅子に座って待っていると、程なくして夫の分が出来上がるので、それを受け取って、二人揃っていただきますをする。
そして、同時に口に運ぶと、咀嚼してから飲み込んでいきます。
その間、会話はなく、黙々と食べていたのですが、ふと気になって視線を上げると、こちらをじっと見つめていることに気づきました。
どうかしたのかと尋ねると、彼は何でもないと答えると、再び食事に戻ります。
私もそれ以上、追及することはせず、同じように食事を続けることにしました――。
そうして、あっという間に完食すると、今度は歯磨きをするために洗面台に向かいます。
まずは、歯を磨いて汚れを落とすことから始めますが、この時に、いつも使っているお気に入りの歯ブラシを手に取ろうとすると、
隣にあった別のものを渡されてしまいました!
戸惑いながらも、それを使い始めたのですが、これが間違いの元でした。
なぜなら、それは普段、夫が愛用しているものだったからです!
その事実に気づいた時、私の顔はみるみるうちに赤くなっていきました。
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