悪役令嬢は姉の身代わりに結婚させられて王子に溺愛される

39.

私はすぐに回避行動に移ると、その攻撃を避ける。
そして、相手の隙を伺うと、私もまた攻撃を仕掛けた。
けれどもその攻撃をその男は難なく避けてしまうと私に向けて魔法を放つ。
私は、その攻撃を受け止めると反撃に出る。
しかし、間合いには居られてお腹に手を当てられた。
魔法が発動する感覚がする。

「あっっっっ」

その後何事も無かったように男は去って行った。
お腹の鼓動が止まっている事に青ざめた、
私は、急いでその場から逃げると、近くの茂みに身を隠そうとした。
だけど、遅かったみたいで、誰かに見つかってしまった。
その人は私の顔を見て驚いたような声を上げるとその人が私に近づいてきた。
恐る恐る振り返ると、そこにはフィリスがいた。
私は、咄嵯に嘘をつくことにした。
だって、言えるはずがないじゃないですか。
貴方の子供が流れてしまったなんて、 私は泣きそうなのを我慢しながら必死に笑顔を作ると、彼に話しかける。
すると、フィリスは、

「お腹大丈夫か？　傷むのか、医者を呼ぼう」

と言ってくるので私は首を横に振ると、心配そうに見つめてくる。
私は彼に抱きつくと、 彼に抱きついたままでいたかったのだ。
すると彼は私を抱き締めてくれる。
その温かさに安心感を覚えると共に私は幸せだった。
そして、彼が私を愛してくれている事が分かったので、私は彼にこう言うのだ。

「ごめんなさい、賊に襲われてお腹に魔法をそしたらこの胎動が」

私がそう言うと、フィリス様は、私をきつく抱いてくれた。
私は、そんな彼の優しさに涙を流すと、彼は私を慰めるように頭を撫でて、私が落ち着くと、彼は私を離すと、私を見つめて、それから、私のお腹に耳を当てると、そこに耳を傾けて、静かに目を閉じていた。
私は、そんな彼の姿を見ていると、とても幸せな気分になるので、私は、そのままの状態でいることにした。
しばらくすると、彼は私のお腹から離れると私を見つめてきた。

「生きている」

その言葉に私は絶句する。
お腹に手を当てるとコンとお腹が動く感触がした。
あの、魔法は明らかに子に向けたモノだった。

その事実を知ると嬉しくなった。
魔法を受けても尚いている我が子に……フィリスに

「本当に良かった」

そう呟いた。
そして、同時に考えた事、お腹の子は王位継承権がある、王子殿下が王になるのは確定だから今のうちに子を殺してしまおうと考えた人がいてもおかしくはない。
それが私だと気づかれないために、私に毒入りの飲み物を飲ませて、殺そうとしてきたのだ。
私は、この子を産んであげたいと思った。
だからと言って、このままでは、この子が殺されかねない。
私は、どうすればいいかと考える。
とりあえずは、この子の安全を確保しなければならない。
そして、私は、この子と二人で生きていく事を決意するのだった。
私は、お腹を擦りながら考える。
これからの事を、私は、お腹の子供を無事に出産したい。
その為にも、私は、幸せになるのでした。