悪役令嬢は姉の身代わりに結婚させられて王子に溺愛される

一ノ瀬 彩音

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(……嬉しいなぁ、私なんかでそんなに喜んで貰えると私自身も嬉しくなる)

私は、彼が喜ぶ様子をみて、嬉しくなった。
それと、フィリスは子供好きだと判明した。
私のお世話をしてくれているメイドに子供が好きなのかどうかを聞いてみた。
どうなのかと尋ねると、彼女は、苦笑いを浮かべてから答えてくれる。

「えっと、王子が子供の面倒をみているのは何度か見たことがありますよ、ただ、あんまり上手くは無いですね、
抱っこの仕方が雑でちょっと怖かったりするんですよ」

彼女がそう答えると、私は、興味を持った。
そうして、彼女に頼み込むと私は、彼と一緒に子守をすることになった。
といっても、まだ赤ん坊で歩けなかった為に私は、ベッドに寝かせた後で背中をさすってあげたりした。
すると、彼は、目を輝かせながら笑うと可愛らしい声で泣き始めた。それを見て、私は、笑みを見せて頭を
撫でてあげると、彼は、また笑顔になって私に抱きついてきた。
私は、それを受けて、彼をぎゅ~と抱き締めて頭を撫で回すと、彼は私の胸に吸い付いた後で気持ち良いと
言ってくれた。
それを聞くと私は彼に興奮してしまったのだがどうにか抑えた後に彼にお乳をあげてみることにすると、
彼はお利口さんで待ってくれたので私は彼の口におっぱいまでは持っていった後で赤ちゃんにお乳をあげ始めると
彼も、私があげやすいように姿勢を変えてくれた為、楽にお乳をあげることが出来た上に彼が満足するまで
飲み続けてくれると安心できたし彼の成長が見れたことが一番うれしく思います。

私はフィリス王子殿下に呼び出されるとすぐに向かう。
場所は王宮内にあったのでそれほど時間はかからなかった。
そして、彼がいる部屋に辿り着くと扉をノックする。
私が来たことを察知すると、中に入るように指示を出したので扉をゆっくりと開くと、
私は中に足を踏み入れる。
そして、彼を見つけると、私は彼の元に近付く。
フィリスは私が来るなり彼女を抱き締めると頭と体を優しく何度も撫で回し始め、やがて
私の体を強く押し付けると私の耳元で囁く。
フィリスが、私に何かを言っていますが、
それは夫として、かっこいいなっと思ってしまうのです。

「それで話とは一体なんですか?」

「夫婦で旅行に行かないか? アンナ、お前に拒否権はないから。ほら行くぞ。さあ、早く支度しろ」

「あ、あの、もう少しゆっくりさせては頂けないでしょうか?」

急かすような言葉を聞いた。
私は慌てて彼に返事をした。
そうすると彼が私に向かって怒るような表情を見せたので、私は、少しだけ萎縮してしまう。
けれどもすぐに立ち直ると慌てて彼に準備をするように告げると、
部屋の外に出てしばらく待つと再び部屋に入った。
そうしてから、私達は馬車に乗り込んだ。
これからどこに行くのだろうと、思いながらも私は窓から見える風景をぼんやりと見つめていた。
しばらくして目的地に辿り着いた。
そこは、王都から遠く離れた温泉街であった。
到着すると、まずは宿を探しに行った。
私は、フィリスと一緒の部屋が良いと伝えたものの、聞き入れてはもらえなかった。
それどころか、別室で、私はフィリスが戻って来るのを待つことにしていた。
なぜこのような事に成っているのだろうか、私達は夫婦では無かったのであろうか?
確かに二年一緒にいるし、体を重ねてもいるけれど、彼は、私の事を愛しているからと、
私は、妻として少し傲慢に振る舞っていた。

それが今回の旅行で別室を与えられた理由である事をアンナはまだ知る由もなかった。
アンナが寂しい思いをしている一方、アンナの知らない所でまた新たな事件が起ころうとしていた。
それは、たまたま居合わせ仕舞うのでした。
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