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そしてすぐに私から離れると、真剣な眼差しで見つめてくる。
「君は一体誰だ!? 俺の知っている君とはまるで別人ではないか。それに、何故そのような格好をしている。まさか、誰かと入れ替わっているとかいうのでは無いのであろうな。もしそうであれば俺は今すぐそ奴の首を跳ね飛ばすぞ。それとも、貴殿と入れ替わられたと申すか。」
それを聞いて思わず笑みを浮かべるとそのまま答える。
「ふぅー。全く相変わらず冗談の通じぬ御仁だ。それにしても、まさか、妹を差し出すとは侯爵のやつも相当姉を差し出したくないと見た。」
私は、俯いた。
あのフィリス王子が私を冷めた視線で睨んでいる。
それ程までに、今の状況はよろしく無いらしい。
確かに、この状況でいきなり抱きつくなど普通に考えれば不敬罪にあたるのは当然と言える。
しかしながら、それについては予め説明を受けていたので理解はしているが、実際にやってみるとかなり緊張するものなのだ。そう考えていると、不意に頬に柔らかいものが触れたので思わず驚きの声を上げてしまう。
それを聞くなり目の前にいる男性はくすりと笑う。
「何を驚く必要があるんだ? キスをしただけでこれ程の反応を示すというのは初めてだよ。実に可愛いものだ。それじゃあ早速始めようじゃないか、お前の方を指すし出すということは、傷ものにされても文句は言わないのだろう?」
それを聞いていた周囲の人々は一斉に笑い出した。
そういえばここは舞踏会の会場だったのを忘れていましたわね。
それにしても、やはり、こいつは屑ですね。
そう思っていても口に出して言うわけにもいかないので仕方なく、大人しく従いますわ。
そう思った矢先、突如として現れた人物により助けられることになる。
突然の乱入者によって救われることになったのだが、私を抱きしめるのは第2王子殿下のフィアンセイアさんであり、どう考えてもこの場において一番危険な人物である。先ほどからずっとニコニコしており非常に機嫌が良い様子なのだが何せ目が笑ってはいない。
それはそうですよね。
何しろ自分の婚約相手が他の男を抱き着かれていれば怒りたくなるものですし。
それはそうと、何でここにいるのか疑問に思う。
そう、確か、今日は他国の王族との会談があるからと言っていましたよね?
それが何でこんなところまで?
いやまぁ別に良いんですけどね。
とりあえず、今はここから逃げないといけませんね。
そう考えたのでとりあえず、走り出そうかと思ったのですけれど、なぜか腰に抱きついている人物が離れません。
仕方ないので力づくでも離そうとしたのですけれど、思いのほか力が強くてなかなか抜け出せません。
まあいっかと思って放置しておこうと思いましたが、あまりにもしつこく抱きついてきた為に再び引き剥がすことになりましたわ。
ようやく、抱きついていた男性を引きはがすことに成功いたしましたの。
すると、彼は不思議そうな顔をしてこちらを見ておりました。
「アンナ嬢はどうしてそんなにも美しい容姿をお持ちでありながら男装をしてらっしゃるのですか?」
と聞いてきたので、思わず笑みを浮かべるとこう答えてあげた。
すると、彼は頬を赤く染めて照れくさそうな表情をしながら微笑むと、こう答えてくれた。
私は思わず笑みをこぼすと、彼にこう言った。
だって、私達にとってこれは当たり前のことだから、私は普段通りの言葉遣いと振る舞いで彼にこう答えてあげることにした。
だって、私達は、姉妹なんだもの。
だから、そんな事は気にする必要なんてどこにもないんだよ?
「君は一体誰だ!? 俺の知っている君とはまるで別人ではないか。それに、何故そのような格好をしている。まさか、誰かと入れ替わっているとかいうのでは無いのであろうな。もしそうであれば俺は今すぐそ奴の首を跳ね飛ばすぞ。それとも、貴殿と入れ替わられたと申すか。」
それを聞いて思わず笑みを浮かべるとそのまま答える。
「ふぅー。全く相変わらず冗談の通じぬ御仁だ。それにしても、まさか、妹を差し出すとは侯爵のやつも相当姉を差し出したくないと見た。」
私は、俯いた。
あのフィリス王子が私を冷めた視線で睨んでいる。
それ程までに、今の状況はよろしく無いらしい。
確かに、この状況でいきなり抱きつくなど普通に考えれば不敬罪にあたるのは当然と言える。
しかしながら、それについては予め説明を受けていたので理解はしているが、実際にやってみるとかなり緊張するものなのだ。そう考えていると、不意に頬に柔らかいものが触れたので思わず驚きの声を上げてしまう。
それを聞くなり目の前にいる男性はくすりと笑う。
「何を驚く必要があるんだ? キスをしただけでこれ程の反応を示すというのは初めてだよ。実に可愛いものだ。それじゃあ早速始めようじゃないか、お前の方を指すし出すということは、傷ものにされても文句は言わないのだろう?」
それを聞いていた周囲の人々は一斉に笑い出した。
そういえばここは舞踏会の会場だったのを忘れていましたわね。
それにしても、やはり、こいつは屑ですね。
そう思っていても口に出して言うわけにもいかないので仕方なく、大人しく従いますわ。
そう思った矢先、突如として現れた人物により助けられることになる。
突然の乱入者によって救われることになったのだが、私を抱きしめるのは第2王子殿下のフィアンセイアさんであり、どう考えてもこの場において一番危険な人物である。先ほどからずっとニコニコしており非常に機嫌が良い様子なのだが何せ目が笑ってはいない。
それはそうですよね。
何しろ自分の婚約相手が他の男を抱き着かれていれば怒りたくなるものですし。
それはそうと、何でここにいるのか疑問に思う。
そう、確か、今日は他国の王族との会談があるからと言っていましたよね?
それが何でこんなところまで?
いやまぁ別に良いんですけどね。
とりあえず、今はここから逃げないといけませんね。
そう考えたのでとりあえず、走り出そうかと思ったのですけれど、なぜか腰に抱きついている人物が離れません。
仕方ないので力づくでも離そうとしたのですけれど、思いのほか力が強くてなかなか抜け出せません。
まあいっかと思って放置しておこうと思いましたが、あまりにもしつこく抱きついてきた為に再び引き剥がすことになりましたわ。
ようやく、抱きついていた男性を引きはがすことに成功いたしましたの。
すると、彼は不思議そうな顔をしてこちらを見ておりました。
「アンナ嬢はどうしてそんなにも美しい容姿をお持ちでありながら男装をしてらっしゃるのですか?」
と聞いてきたので、思わず笑みを浮かべるとこう答えてあげた。
すると、彼は頬を赤く染めて照れくさそうな表情をしながら微笑むと、こう答えてくれた。
私は思わず笑みをこぼすと、彼にこう言った。
だって、私達にとってこれは当たり前のことだから、私は普段通りの言葉遣いと振る舞いで彼にこう答えてあげることにした。
だって、私達は、姉妹なんだもの。
だから、そんな事は気にする必要なんてどこにもないんだよ?
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