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雪国のエルメルダという国をご存知だろうか?
この国は年中降り積もる白銀の世界で観光地としては有名なのだが実はもう一つ大きな特徴がある。
それは毎年必ずと言っていいほど降る大粒のダイヤモンドダストが有名なのだ。
そんな国に生を受けてしまった私は物心つく前から天才少女としてちやほやされてきたが姉であるおっとり美人の姉様とは違い性格が悪い事でも有名だったのだ。
しかも見た目が良いから尚更質が悪く私の性格の悪さを知らない男どもからは毎日のように求婚されたものだ。
まぁそれもこれも全部姉様に原因があるんだよね、あの人ったら私が知らない所で色々と悪さをしていたみたいだからね。
そのせいで私の印象まで悪くなっていたんだけどそれにしても酷かったわよ本当、
何せ私と結婚したいと言う男はみんな決まって自分の事を好きだと思っていてそれを隠そうとしないんだもの。
流石に耐えきれなくなった私はある計画を立てたわけなんだけれどもそれがとんでもない事に繋がってしまうとはこの時は夢にも思わなかった。
だって仕方ないじゃないあんなに傲慢な態度取られれば誰だって頭にくるし許せないって思うはずでしょう?
それなのにあいつらは何を勘違いしたのかしらねぇ~?
勝手に婚約破棄しておいて今度は自分と結婚するべきだとか言って来た時には呆れてものも言えなかったけどまさかあそこまで酷いなんて誰が想像出来たと思う訳!?
そりゃもう怒りまくりましたとも!
いくらなんでもあんまりですもん!
それでつい口答えしてしまった結果がこれですよまったく本当に嫌になるわ。
なんでこんな目に遭わなければならないのか全く意味がわかんないし納得出来ないんですけど!
ああイラっとしてきたマジ腹立つんですけど!
そうやって一人で憤慨していると扉の向こう側からノック音が聞こえてきたと同時に侍女らしき女性の声がかけられてくるのであった。
「メリアナ様、王子殿下がお待ちです」
するとすぐに部屋の外から鍵を外すような音がして私事、アンナは俯き
「分かりました今行きますわ!」
少しだけ声を張って答えると共に椅子に座っていた状態から立ち上がり歩き出すとその先に居たのは予想通り見目麗しい金髪碧眼の男性がいた。
そしてこちらを見るなり嬉しげに手を振りながら笑顔を浮かべるとそのまま近づいてきて抱き締められる形になり思わずドキッとするのですがその反面苛立ちを覚えるのもまた事実なのです。
「どういうことだろうか?」
私は首を傾げて問い掛けてみたのだが彼は頬笑みつつ抱きついたままこう言われる。
「貴女との約束を果たす為に僕はここに居るんですよ。」
そう言いつつも首筋へキスしてくる辺りやはり確信犯なのは間違いないだろう。
だがしかし今は彼に構っている暇はない為適当に追い払うようにあしらうと部屋から出ていこうとした時ふと思い出した事があるため聞いてみることにする。
「私です、殿下、アンナにございます」
そう言うと目の前にいた男性は驚きながらも何処か懐かしそうな表情をするもすぐさま真面目な雰囲気を醸しつつ言葉を続ける。
「久方ぶりですね。最後に会えたのは何時の日でしょうか?」
相変わらず堅苦しい話し方をするものだと思い苦笑いしながら質問に対して素直に応じることにした。
この人は一応はこの国の後継者に当たる人ではあるんだけど何故か昔から私には馴れ馴れしく接してくれている所謂幼馴染という奴なのだ。
「して、姉上は?」
「来ません……」
「は?」
私は耳元で言う彼の言葉を理解出来なかったために聞き返す。
この国は年中降り積もる白銀の世界で観光地としては有名なのだが実はもう一つ大きな特徴がある。
それは毎年必ずと言っていいほど降る大粒のダイヤモンドダストが有名なのだ。
そんな国に生を受けてしまった私は物心つく前から天才少女としてちやほやされてきたが姉であるおっとり美人の姉様とは違い性格が悪い事でも有名だったのだ。
しかも見た目が良いから尚更質が悪く私の性格の悪さを知らない男どもからは毎日のように求婚されたものだ。
まぁそれもこれも全部姉様に原因があるんだよね、あの人ったら私が知らない所で色々と悪さをしていたみたいだからね。
そのせいで私の印象まで悪くなっていたんだけどそれにしても酷かったわよ本当、
何せ私と結婚したいと言う男はみんな決まって自分の事を好きだと思っていてそれを隠そうとしないんだもの。
流石に耐えきれなくなった私はある計画を立てたわけなんだけれどもそれがとんでもない事に繋がってしまうとはこの時は夢にも思わなかった。
だって仕方ないじゃないあんなに傲慢な態度取られれば誰だって頭にくるし許せないって思うはずでしょう?
それなのにあいつらは何を勘違いしたのかしらねぇ~?
勝手に婚約破棄しておいて今度は自分と結婚するべきだとか言って来た時には呆れてものも言えなかったけどまさかあそこまで酷いなんて誰が想像出来たと思う訳!?
そりゃもう怒りまくりましたとも!
いくらなんでもあんまりですもん!
それでつい口答えしてしまった結果がこれですよまったく本当に嫌になるわ。
なんでこんな目に遭わなければならないのか全く意味がわかんないし納得出来ないんですけど!
ああイラっとしてきたマジ腹立つんですけど!
そうやって一人で憤慨していると扉の向こう側からノック音が聞こえてきたと同時に侍女らしき女性の声がかけられてくるのであった。
「メリアナ様、王子殿下がお待ちです」
するとすぐに部屋の外から鍵を外すような音がして私事、アンナは俯き
「分かりました今行きますわ!」
少しだけ声を張って答えると共に椅子に座っていた状態から立ち上がり歩き出すとその先に居たのは予想通り見目麗しい金髪碧眼の男性がいた。
そしてこちらを見るなり嬉しげに手を振りながら笑顔を浮かべるとそのまま近づいてきて抱き締められる形になり思わずドキッとするのですがその反面苛立ちを覚えるのもまた事実なのです。
「どういうことだろうか?」
私は首を傾げて問い掛けてみたのだが彼は頬笑みつつ抱きついたままこう言われる。
「貴女との約束を果たす為に僕はここに居るんですよ。」
そう言いつつも首筋へキスしてくる辺りやはり確信犯なのは間違いないだろう。
だがしかし今は彼に構っている暇はない為適当に追い払うようにあしらうと部屋から出ていこうとした時ふと思い出した事があるため聞いてみることにする。
「私です、殿下、アンナにございます」
そう言うと目の前にいた男性は驚きながらも何処か懐かしそうな表情をするもすぐさま真面目な雰囲気を醸しつつ言葉を続ける。
「久方ぶりですね。最後に会えたのは何時の日でしょうか?」
相変わらず堅苦しい話し方をするものだと思い苦笑いしながら質問に対して素直に応じることにした。
この人は一応はこの国の後継者に当たる人ではあるんだけど何故か昔から私には馴れ馴れしく接してくれている所謂幼馴染という奴なのだ。
「して、姉上は?」
「来ません……」
「は?」
私は耳元で言う彼の言葉を理解出来なかったために聞き返す。
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