悪役令嬢はお嫁に行けません!~身代わりとしてなぜか婚約者から溺愛されて困っています〜

一ノ瀬 彩音

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「ゲームマスターってすごいのね」
「まぁな」
そう言いながら次は雑貨屋にやってきた。
「何を買うんだ?」
「ペンダントか何か買いたいです」
「じゃあ、これなんかどう?」
そう言って見せてくれたのは銀のロケットだった。
中には家族の写真が入っていた。
サディエルとの2ショットだ。
「うわー欲しいかも」
そう言うとカードで買ってくれる。
ついでに他のものも購入してくれる。
「ありがとうございます」
お礼を言うと照れたようにそっぽを向く。
(あれ?)
(なんだろ、ちょっとかわいい)
そう思うとこちらまで照れて来る。
「恥ずかしいです、サディエル様」
「安心しろ、俺もだから」
そう言いながら頬にキスされて倒れてしまうのです。
そしてそのまま意識を失うのでした。
目が覚めると見慣れた天井があった。
(ここは)
ぼんやりした頭で考えていると ドアが開いて誰かが入って来た。
誰だろうと思っているとその人物が抱きついて来た。
温かい体温を感じる。
(この匂い)
知っている匂いに私は目を開けてほっと息をすると
幸せそうにこう言うのです。
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