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私は、リリアーナ・アウローラは、 この国の第一王太子であるサディエル・ヒリス様
と婚約を交わした。
ただ、私はこの婚約にあまり乗り気になれなかったのだ。
理由は簡単である。
この世界では乙女ゲームの知識が使えない。
悪役令嬢で公爵家の令嬢としての地位もあるが、その中には王太子との婚姻なんて
望まれていないのです。
私はこの世界が嫌いでした。
だから、前世の記憶を思い出したとき、歓喜したのを覚えていました。
だって、この世界はゲームの世界ではないからです。
この世界は現実で私はこの世界で生きているのです。
それを教えてくれた王太子に私は感謝しかないのですが
この世界の生き方を気づかせてくれた命の恩人に等しい彼の為に
何かしてあげたいとは思うのですがそれでも
やっぱり……。
でも、あの方は優しいからきっと……。
でも、あの方の為になるのなら私は何でも……。
でも、あの方に嫌われたらと思うと怖くて仕方がないのです……。
でも、あの方をお慕いしている気持ちは本物なのです……。
今日は待ちに待ったデートの日でした。
でも、その日は朝から雨が降っておりました。
なので、お出かけするのは中止になってしまいました。
でも、そのおかげで、久しぶりに二人きりで過ごせる時間が出来ました。
なので、その時間を有効活用して、 二人でお茶会をすることになりました。
とは言ってもその日はお昼過ぎから夕方までずっと降り続いていたのでした。
(せっかくのお休みだったから、本当はもっと一緒に居たかったのだけれども)
(まぁ、また今度機会があれば良いよね)
(今度は晴れた日に)
そう思いながら私は自室に戻りました。
(そうそう、今日の夜は王太子様がいらっしゃる事になっているんですよね)
(だからそれまでに準備をしておかないと)
私はクローゼットからドレスを取り出しました。
(王太子様は何を着て行かれるのかしら)
(まぁ、なんでも似合いそうだけど)
(あ、そうそう、この間買っておいたお菓子を出そうかな)
(喜んでくれるといいんだけど)
扉をノックする音が聞こえた気がしました。
「どうぞー」
扉の向こう側にいるであろう人物に声をかけたのだが返事が返ってこなかった為、不思議に思って
扉を開けるとそこには誰もいなかった。
不思議そうにしていると、窓の外から微かに話し声が聞こえてきた。どうやら誰かが話をしている
ようだが、何を言っているかまでは聞き取れなかったのでした。
不思議そうな顔をしながらも、とりあえず部屋を出てみると、廊下の窓から外を眺めている
王太子の姿があった。
どうやら先程の声は彼のものだったらしい。
彼はこちらに気づくと、笑顔で話しかけてきました。
「おはよう、リリアーナ嬢」
そう言いながら彼は私に向かって手を差し伸べました。
私は嬉しくなって思わず駆け寄ってしまいました。
彼は少し驚いた様子を見せましたが、すぐに微笑んでくれました。
私はそれがすごく嬉しいと感じました。
私は差し出された手を握りました、 彼は少し照れくさそうにしていました。
私は彼にエスコートされ、馬車に乗り込みました。
私は彼と一緒ならば何処へ行っても楽しいと思いました。
(あぁ、幸せだなぁ)
私はそう感じました。
私は彼と一緒に街へと繰り出したのでした、彼が行きたいところがあるというのでついて
行くことにしましたがそこはなんとアクセサリーショップだった。
私は思わず驚いてしまいました、まさかこんなところに連れられるとは思っていなかったからです!
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