公爵家のご令嬢は婚約者に裏切られて～愛と溺愛のrequiem～

99.

数日後、自分達の子供を孤児院に預ける日が来たので
連れて行くとそのまま別れて戻って来るのです。
「仕方ないよ、仕事重視だからね」
マハティスはそう言って励ましてくれたのですが中々落ち着かないのです。
それもそのはず3人いた広い家に今は二人なのですから、仕事に精を出して
何とか忘れる事にするのでした。
それからマハティスとミミリィは忙しく仕事をしながらも楽しく暮らしていくのでありまして
その二人の幸せそうな姿を見て使用人達は微笑ましく思うのでありました。
その日の夜には二人の仲睦まじい姿を見た使用人達が微笑ましく思うのでありました。
そんなある日の事であります。
二人の元を訪ねてきた者がいるのです。
ミミリィとマハティスの二人が夫婦になってから半年が経とうとしていた。
2人での生活にも慣れてきて最近ではミミリィに指示されて、
マハティスが畑作業を行い収穫する作業を二人で行いながらも時々は
ミミリィがマハティスに指示を出すのであった。
そんな生活を続けていたある日の事であります。
そして久々に夫婦でデートに行く事と致しまして、
王都の街を二人で歩き回るのであります。
ミミリィはマハティスに尋ねる。
「マハティスは何か欲しい物はある？」
マハティスはミミリィに尋ね返した。
「僕は特に無いかな、それよりミミリィが喜ぶ顔が見たいんだよ」
「もう、マハティスったら、そんな事を言われたら照れてしまうじゃないですか」
「だって本当の事なんだもん、しょうがないじゃないか」
「でも、私ばかり貰っているのは申し訳ないですし、 マハティスだって何か買った方が良いと思いますよ？」
「僕が？ ミミリィにプレゼントをしたいだけだから別にいいんだけど……」
「駄目ですよ、そういうのは、あ、子供に何か差し入れますか」
その言葉にいいねという話になり自分の子供に何か買い与える事となりました。
「どんな物が喜ばれると思うかねミミリィ」
「やっぱり女の子だから可愛らしい物が良いんじゃないかしら、 男の子は剣とか鎧みたいなのが好きだけど、 小さいうちはそんなのよりぬいぐるみとかどうかしらね？ ほら、これなんかどうかしら、 クマさんが抱き締めてくれるのがポイント高いのではなかろうかしら きっと喜んでくれるに違いないわよ」
「そうだな、じゃああとはこれにしよう、 さっきミミリィが言っていたような感じのが有ると良いよね」
二人は買い物を終えると、マハティスがミミリィに言う。
「それじゃあ渡しに行こうか」
「行き成り行って驚かないかしら」
というミミリィにマハティスが答える。
ミミリィだって今更だろうという突っ込みに納得したミミリィだったのだが……。
それからしばらくして二人は自分達の子供の元に辿り着くが何故だか孤児院の担当に
「お会いさせれません」
そう言われてしまう。
この孤児院はあの医者が面会を許可した者だけ会えるシステムのようだった。
そこでマハティスが言う。
「頼む」
「仕事で我が子を放置だ何て、子の未来を何だと思っているんですか」
そう言われれば何も言い返せない。
仕方なく買った物を渡して帰って来た。
それから数か月後にまたマハティスと
ミミリィの2人が街に出掛けた時である。
今度は2人の子供に渡すのではなく、
マハティスとミミリィ2人の子供の為の贈り物を買いに行った。
しかしまたしても会う事が出来なかった。