公爵家のご令嬢は婚約者に裏切られて～愛と溺愛のrequiem～

91.

ミミリィはマハティスに謝罪をしてマハティスへの愛の感情をはっきりと伝えた。
マハティスは、それを聞き入れると、ミミリィを強く抱き締めたのでありました。
マハティスは、ミミリィに
「僕がミミリィを嫌いになる事はないから安心して欲しい」
と伝えると、ミミリィは
「ありがとうございます」
と言って涙を流して喜んでいた。
ミミリィは、マハティスに
「私の心の中に秘めていたことを全て吐き出してしまったので、もう隠し事は何もないから、
何でもマハティスに話すことができるようになりました。
だから、遠慮なく何でも話してください」
と伝えて、マハティスは
「分かったよ！  それでは、僕の方からもミミリィに色々と相談させて貰おうかな」
と言うと
「はい。よろしくお願いしますね」
とミミリィは微笑み返していた。
ミミリィは、マハティスと改めて仲直りする事ができました。
それから、2人はお互いに色々な会話をしながら楽しい時間を過ごしていたのでした。
次の日になりました。
こうして夫婦関係として上手くいくようになって本当に溺愛な日々を送っているのですけど、
それでも二人にとって毎日が幸せな日々で本当に良好で周りからも羨ましそうに見られている。
そしてこの日は二人で今、美味しい魔物の肉をとある森の中へ取りに来ているのだった。
「マハティス！  こちらの獲物はいかがですか？  中々の大きさの猪のようですね。
これだとマハティスに食べて頂けると思いますよ。どうでしょう？」
「ミミリィ、これは確かに大きいけど、これだけじゃあ足りないよ。
せっかくだから、もう少し大きな奴を仕留めておきたいところだな。
そうだ、今度は向こうに行ってみるかい？  こっちの方にも中々の大物が居るみたいだよ。
行って確かめて来ようか？」
2人が森の奥深くまで進んで行くにつれて、中からは激しい物音が聞こえてくる。
（何かが暴れているのか？  それともこの辺りに生息している危険な動物でも出たのだろうか？）
マハティスは、ミミリィと手を繋ぎながらも音の鳴る方向へと進んでいくと、
マハティスは、ミミリィの異変に気付いた。
「んっ！？  ミミリィ！  あれを見て！」
マハティスは、ミミリィに注意を促した。
「え！  何があったの！  マハティス！」
マハティスは、ミミリィを庇いながら茂みの影に隠れると、そこから様子を伺ってみると、
そこには、1人の女性が襲われていたのでありました。
マハティスは、ミミリィに向かって言う。
「ミミリィ！  ここは危険かも知れない！  今すぐこの場所から離れるぞ！  いいね」
「はい。分かりました！  急ぎましょう」
二人はその場から離れようとすると後ろを振り向いた瞬間に信じられないものを見てしまうことになる。
なんとその女性は襲っている相手に対して剣を突き刺そうと振りかぶる直前だったのだ。
ミミリィは、慌てて止めに入る。
「やめなさい！」
「邪魔をしないで！」
ミミリィは、必死に止めるのだが、その女性は全く聞く耳を持たないでいた。
「落ち着いてください！」
「うるさい！」
「このままじゃあ、貴方が死んでしまいますよ！」
「私は、こんなところで死ぬわけがないわ！」
「どうしてそこまで死に急ぐのですか！」
その女性の行動を見て、ミミリィは説得を試みようと試みる。
「一体、何をそんなに取り乱しておられるのでありますか！ 
どうか、冷静になって下さい。あなたがここで死んだとしても何も解決にはならないですよ！」