公爵家のご令嬢は婚約者に裏切られて~愛と溺愛のrequiem~

一ノ瀬 彩音

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でも、お願いです。私の事も見てほしいのです。
私の気持ちも分かってほしいのです。
マハティスは、ミミリィに抱きしめられた状態で固まっていた。
ミミリィの表情はとても悲しげな顔になっていた。
「ミミリィ、僕は別に……」
「誤魔化さなくても良いんですよ。
本当は、私と一緒の時間を過ごしたかったのですよ。違いますかね」
マハティスが、否定しようとする前にミミリィが先に口を開いた。……ミミリィは知っていたのだ。
マハティスが自分に好意を寄せてくれていること、自分のことをとても大切にしてくれている事を。
「どうして、ミミリィは、そんなに……」
「分かります。マハティスの事は、なんでも分かるのですから」
「……」
マハティスは、何も言わずに黙ってしまう。ミミリィの言葉に返す言葉が見つからないでいた。
ミミリィは続けてマハティスに話しかけていく。
「ねぇ、マハティス、本当の事を言って欲しいの。
……本音を言うと、マハティスが居なくて凄く不安だったのです。
毎日、仕事が終わるとマハティスに会いたいと思うようになってしまって……。
それに、マハティスが他の女性に目移りしてしまうのではないかと考えてもしまうのですから……。
こんなのは、嫌なのです。
もし、マハティスが望むのならば、この身を捧げても構わないと思っておりますもの。
ですから……マハティスの事を独り占めしたいのです……。……駄目でしょうか?」
ミミリィは、涙を浮かべながらマハティスに懇願するかのように言ったのであった。
マハティスは、ミミリィのその姿を見て胸を打たれてしまった。
そして、マハティスは、ミミリィの事を抱きしめていた。
マハティスの胸にミミリィは顔をうずくめているのである。
マハティスは、ミミリィに優しく語りかけ始めたのであるが、その声は震えていた。
マハティスは、ミミリィに告白をした。
「ミミリィ、聞いてくれ。
君にそんな風に思われていたなんて、知らなかったんだ。
本当にごめんなさい。
君の事を蔑ろにして、酷い事を言っていたかもしれない。
ミミリィの事を思うと、どうしても我慢できなかったんだ。
だって、君は、僕の妻じゃないか。
それなのに、別の男と仲良くしている姿を見かけるとどうしても腹が立ってきてしまってね。
本当に、申し訳ない。
でも、ミミリィの口からあんな言葉を言われるとは思ってもいなかったんだ。
正直言ってショックだった。
でも、ミミリィがそう思っていたのなら、きちんと話をしておかないといけないと思っていたんだ。
でも、僕も悪かったんだ。
本当に反省しています。
ミミリィの事をもっと考えるべきだったんだ。
でも、これからはミミリィの側にずっと居たいと思っています。
ミミリィの側から居なくなることはありませんから。
それだけは、信じて欲しいんだ。
だから、ミミリィには嫌われたくないから、ちゃんと話を聞いてくれたらと思って、
勇気を出して言ってみたんだ」
マハティスは、ミミリィに謝った後、真剣にミミリィに想いを伝えた。
ミミリィは、マハティスの話を聞くと、マハティスに抱かれたままの状態で泣いている。
そして、ミミリィはマハティスに告げる。
「私こそ、意地を張って、わがまま言って、
マハティスに迷惑をかけてばかりいて、本当にすみませんでした。
私も、マハティスの事を誰よりも愛しております。
私をマハティスの心の底から愛しております。 私には、マハティスが必要なんです」
(ああ、やっと言えた。これで私達は改めて結ばれる事ができる)
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