公爵家のご令嬢は婚約者に裏切られて~愛と溺愛のrequiem~

一ノ瀬 彩音

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「ほーらミミリィ、朝だぞ」
「あと少しだけ」
「全くしょうが無い奴だな」
マハティスは、ミミリィの頭をポンッと叩いて、ミミリィを起こす事にします。
「ミミリィ、そろそろ起きないと」
「もう少し」
「もういい加減にしろ」
マハティスは、ミミリィを強引に起こします。
「きゃっ」
「さあ、起きたのなら早く服を着てくれ」
「もうちょっと余韻に浸らせてよ」
「俺はもう十分楽しんだから」
「マハティスの意地悪」
「はいはい」
それからしばらくして、ミミリィは、着替えを終えると、マハティスにこう質問をする。
「ねえ、マハティス」
「ん?  どうした?」
「昨日、私が嫉妬している姿を見て嬉しかった?」
「ああ、とてもね」
「やっぱりそうなのね。マハティスの馬鹿」
「え? 何がだ」
「何でもありません」
「?」
ミミリィが不機嫌になっている理由がわからないマハティスであった。
朝食を食べ終えた後、マハティスとミミリィがデートに出かける準備をしていると、
マハティスは、ミミリィにこう話かけます。
「ミミリィ、そろそろ行こうか」
「そうね」
二人は、手を繋いで街へ出掛けると途中でミミリィが立ち止まりこう呟いた。
「マハティス」
「なんだい?  ミミリィ」
「マハティスは、私の事好きですよね」
「当たり前じゃないか」
「じゃあさ、どうして、あの女と浮気したのかな?  私の事は遊びだったの」
「え?  あれは、ただの誤解だって」
「言い訳は聞きたくないです」
「ミミリィ、頼む、話を」
「嫌です」
「え?  ミミリィ」
「マハティスとは暫く口を利きません。ふん」
「ミミリィ」
「知りません」
ミミリィはそのまま歩き出して行ってしまい、呆然と立ち尽くすマハティスは、
「ミミリィ、待ってくれ~」」
マハティスは、慌ててミミリィの後を追いかけて行った。
その後、マハティスは、ミミリィの機嫌を直すために必死に謝り続けます。
しかし、ミミリィは、プイッとそっぽを向いてしまいます。
ミミリィは、マハティスに背を向けたまま黙っています。
マハティスは、困り果ててしまいます。
ミミリィは、マハティスにこんな言葉を言います。
「マハティスのバカ」
すると、マハティスは、ミミリィを後ろから抱きしめて、耳元で囁くのです。
「ミミリィ、俺が本当に好きなのはお前だけだ」
すると、ミミリィは、マハティスの方を振り向いて、頬を膨れさせて怒りながらこう言います。
マハティスのバカー!!  マハティスは、ミミリィに平手打ちをされて倒れてしまうと、
ミミリィは、そのまま走り去って行くのであります。
ミミリィの姿が見えなくなると、マハティスは、地面に両手を付いて落ち込んでしまうのである。
ミミリィは、マハティスと喧嘩別れした事を後悔して泣いていました。
(私は、なんて酷いことを言ってしまったのだろう)
すると、そこへマハティスがやって来て、ミミリィに声をかけます。
ミミリィ、大丈夫かい。
マハティスは、ミミリィの側に行くと、ミミリィは、マハティスの顔を見て、
ポロリと涙を流すと、マハティスは、ミミリィを優しく抱きしめて慰めるのでした。
マハティスは、ミミリィに優しく声をかける。
ミミリィ、泣かないでくれ。
お前にそんな顔をさせたかったわけじゃないんだ。
悪いのは全部僕が悪いんだよ。
許してくれ。
僕は、君を傷つけたくなかったから、あんな事を言ったけど、本当は、君の事が大好きで仕方がない。
他の女性に目移りなんかしない。
本当だよ。
でも、君は、僕の事を信用できないかもしれない。
それは、無理もないと思う。
今までの行いを見れば当然だと思う。
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