公爵家のご令嬢は婚約者に裏切られて~愛と溺愛のrequiem~

一ノ瀬 彩音

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女性は、店に入るなりあたりを見渡して、目的のものを見つけると、
二人の元へと近づいていくのでしたが、その時にマハティスと目があった女性だったのですが、
マハティスは、一瞬驚いたような仕草を見せた後、女性の方に視線を向けて、声をかけました。
(久しぶりだね。まさかこんなところで会うとは思ってもいなかったからびっくりだよ)
(あら、マハティス様。ご機嫌麗しゅう)
(君も買い物に来たのかな?  それとも誰かへの贈り物とか?  まあ、どちらにしても
あまり時間はないと思うから、早く選んだ方がいいんじゃないかな?  ちなみに何を買いにきたんだい?)
(私は、婚約者様に結婚指輪を送ろうと思いましてこちらまで足を運んだ次第ですわ)
そう言って胸を張るのだったが、その豊満な胸に思わず目が行ってしまうマハティスなのであった。
そして、その様子に気付いたのか女は、マハティスに向かってこう言った。
「もしよろしければ、マハティス様もいかがですか?  私は、いつでも大歓迎でしてよ?
むしろ、マハティス様と一緒の方が嬉しいですわ。
それに、その方がマハティス様も喜んでくださると思いますし。
そう思いませんか?  ねえ、マハティス様?」
と妖艶な笑顔で聞いてくるのであるのだが、その瞬間、マハティスは背筋を凍らせる事になるのでした。
マハティスは、何とか誤魔化そうとしますが、 マハティスは、冷や汗をかき始めてしまうのだった。
(そ、そんな事より、ほ、他の人に迷惑がかかるから、お、落ち着いて)
と焦るマハティスに対して、
(私としたことが取り乱してしまい申し訳ございませんでした)
と謝罪するのだった。
(では、マハティスさん。また今度ゆっくりと話しましょう)
と言ってその場を後にするのだった。
マハティスは、ホッと一安心するのであったが、 ミミリィは、そんなマハティスの様子を
不思議そうな表情をしながらも、 マハティスに話しかけるのだった。
(今の方は一体誰なんですか? もしかして恋人……)
(違う!  断じてそんな関係ではないから!)
(本当ですか……)
(本当だと誓える)
(わかりました。
それじゃあ、信じてあげます)
(ああ、助かる)
(それと、さっきの人は、僕の昔の知り合いなんだ)
(それなのにどうしてあんなにも慌てていたのですか)
(あれは、昔色々あってね)
(ふーん。
それなら仕方ありませんよね)
と納得してくれたので、マハティスは内心ほっとするのだった。
それからしばらくして、ようやくミミリィが気になるものを見つけたようでそれを
指差してマハティスに問いかけてきた。
(ねぇ、あそこに飾られているネックレス可愛いと思わない)
(どれのことだい。ミミリィはこういうのが好きだったりするの?)
とマハティスが聞くと、ミミリィは頬を赤く染めながら、小さくコクンとうなずくのだった。
マハティは苦笑しつつも、ミミリィが気になっているという 宝石の付いたペンダントを手に取ると、
ミミリィに渡すのだった。
ミミリィは、渡されたそれを大事そうに受け取ると、早速身に着けようとするのだった。
しかし、慣れていないせいもあり手間取ってしまい、マハティスが手伝ってくれる事になった。
ミミリィは、顔を真っ赤にさせながらも素直に従うのだった。
ミミリィの首には、マハティスがプレゼントした ピンクダイヤモンドの嵌められた首輪が光輝いていた。
(マハティス、このネックレス凄く綺麗ですね)
(ミミリィにとてもよく合っているよ)
(えへっ、ありがとう)
ミミリィは、照れながらもマハティスに微笑むのであった。
それから数日後、マハティスとミミリィは結婚式を挙げる事になり、
マハティスとミミリィは、王都の教会にて式を挙げていた。
教会の中には、沢山の人達が参列しており、その中には、ミミリィの両親の姿もあった。
ミミリィの両親は、涙を流しながら、ミミリィに話しかけるのであった。
(ミミリィ、本当に幸せになるのよ)
(はい!  お母さまとお父さまのおかげです。本当に感謝しています。
お二人が私の事を愛してくれなければきっと、私はここまで頑張る事はできなかったでしょう。
だから、お二方の娘に生まれてきてよかったと思っています。
これからは二人で力を合わせて頑張っていきます。どうか見守っていてくださいませ。
お姉ちゃんはお兄さんの事が大好きだから大丈夫だと思うけどお嫁に行く時は寂しいだろうな……。
その時は私達がお世話をしてあげるから安心していいからね)
とミミリィは、涙ながらに返事をする。
そして式は進んでいくのであった。
2人が誓いの言葉を交わした後で、司祭が口を開く。
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