24 / 144
24.
しおりを挟む
しばらくして、ミミリィの元に駆けつけてきたのは、ミミリィ専属の侍祭の女性と、
ミミリィの主治医でもある男が現れた。
ミミリィは、二人から話を聞くことになる。
なんでも、ミミリィは高熱を出して生死の境を彷徨っていたが奇跡的に一命を取り留めたこと。
さらに言えば、ここ数か月の間に急激に痩せ細ってしまったのだという。
そのため、一時は本当に危なかったらしい。
しかし、ミミリィの主治医の話によると、今はまだ体調が悪いだけで
いずれ良くなるだろうとの事だったので安心した。
その後、ミミリィは1週間程してようやく退院する事となる。
(皆様ご苦労をお掛けしました)
と感謝の言葉を述べるミミリィに、一同は笑顔を浮かべる。
ミミリィは、自分の家に帰ると、家族から抱きしめられると、涙を流して喜んでいた。
その後しばらくのんびりと過ごしていたが、ふとマハティスの事を思い出して、
マハティスの屋敷へと向かう。
マハティスの家に着いたミミリィを出迎えたのは、ミミリィの夫と息子のルナティスだった。
2人ともミミリィの姿を見て驚きつつも歓迎してくれたのだった。
その後、ミミリィはマハティスに面会を求め、2人きりで会う事になった。
マハティスは、ミミリィの姿を見た途端に抱き着こうとするが、ミミリィはそれを手で制する。
そして、深々と頭を下げて謝罪をしたのだった。マハティスは、その行動に驚く。
(ミミリィどうしたというのですか)
(マハティスさん、私のせいで大変な事になってしまい本当にすみませんでした)
(そんな事は良いんですよ。
俺は生き返る事が出来ましたし、これからはずっと一緒に居れるんですし)
(いえ、そういうわけにもいきません)
(どうしてだい? ミミリィは私の事が嫌いになってしまったのかい)
(いいえ、私は今でもマハティスさんの事を愛しております)
(それなら)
(でも、それは私が許せない事なのですよ)
(どういう事なのだろうか)
(マハティスさんは、自分の事だけを考えて今まで生きてきていましたよね?
そのせいで周りの方達に多大なる負担を掛けている事に気付いていますか?
特に私にはかなりの重圧を与えてしまっているはずなのですよ)
(そんな事はないと思うけどなあ)
(いいですか、マハティスさんは確かに魅力的な男性だとは思います。
でも、だからと言って他の女性に対して酷い事をしていても良いというわけではないのですよ。
マハティスさんのやった事は決して許される事ではないのですよ)
(でも、それは俺がミミリィを都合の良い女としか思って無かったからだ。
……でも、ミミリィがそんな風に思っていたなんて知らなかった)
とマハティスは項垂れる。
(本当にすみませんでしたマハティス)
とミミリィは再び頭を下げるのであった。
(いや、いいんだよ別に……。むしろこちらこそごめんね。
ミミリィの気持ちを考えていなかったようだからさ)
(いいんです。
私はもう覚悟を決めていますから)
(それは、どういった意味かな?)
(それは、私はもう二度とマハティスから離れるつもりは無いという意味です)
(ミミリィ……。
ありがとう。
本当に嬉しいよ)
そう言うと、二人は自然と顔を近づけていき、唇を重ねるのだった。
その光景を見ていたのは、窓から差し込む月明かりだけであった。
ミミリィは、マハティスと和解をした後、すぐにマハティスとルナティスの三人で暮らす事となる。
ミミリィの主治医でもある男が現れた。
ミミリィは、二人から話を聞くことになる。
なんでも、ミミリィは高熱を出して生死の境を彷徨っていたが奇跡的に一命を取り留めたこと。
さらに言えば、ここ数か月の間に急激に痩せ細ってしまったのだという。
そのため、一時は本当に危なかったらしい。
しかし、ミミリィの主治医の話によると、今はまだ体調が悪いだけで
いずれ良くなるだろうとの事だったので安心した。
その後、ミミリィは1週間程してようやく退院する事となる。
(皆様ご苦労をお掛けしました)
と感謝の言葉を述べるミミリィに、一同は笑顔を浮かべる。
ミミリィは、自分の家に帰ると、家族から抱きしめられると、涙を流して喜んでいた。
その後しばらくのんびりと過ごしていたが、ふとマハティスの事を思い出して、
マハティスの屋敷へと向かう。
マハティスの家に着いたミミリィを出迎えたのは、ミミリィの夫と息子のルナティスだった。
2人ともミミリィの姿を見て驚きつつも歓迎してくれたのだった。
その後、ミミリィはマハティスに面会を求め、2人きりで会う事になった。
マハティスは、ミミリィの姿を見た途端に抱き着こうとするが、ミミリィはそれを手で制する。
そして、深々と頭を下げて謝罪をしたのだった。マハティスは、その行動に驚く。
(ミミリィどうしたというのですか)
(マハティスさん、私のせいで大変な事になってしまい本当にすみませんでした)
(そんな事は良いんですよ。
俺は生き返る事が出来ましたし、これからはずっと一緒に居れるんですし)
(いえ、そういうわけにもいきません)
(どうしてだい? ミミリィは私の事が嫌いになってしまったのかい)
(いいえ、私は今でもマハティスさんの事を愛しております)
(それなら)
(でも、それは私が許せない事なのですよ)
(どういう事なのだろうか)
(マハティスさんは、自分の事だけを考えて今まで生きてきていましたよね?
そのせいで周りの方達に多大なる負担を掛けている事に気付いていますか?
特に私にはかなりの重圧を与えてしまっているはずなのですよ)
(そんな事はないと思うけどなあ)
(いいですか、マハティスさんは確かに魅力的な男性だとは思います。
でも、だからと言って他の女性に対して酷い事をしていても良いというわけではないのですよ。
マハティスさんのやった事は決して許される事ではないのですよ)
(でも、それは俺がミミリィを都合の良い女としか思って無かったからだ。
……でも、ミミリィがそんな風に思っていたなんて知らなかった)
とマハティスは項垂れる。
(本当にすみませんでしたマハティス)
とミミリィは再び頭を下げるのであった。
(いや、いいんだよ別に……。むしろこちらこそごめんね。
ミミリィの気持ちを考えていなかったようだからさ)
(いいんです。
私はもう覚悟を決めていますから)
(それは、どういった意味かな?)
(それは、私はもう二度とマハティスから離れるつもりは無いという意味です)
(ミミリィ……。
ありがとう。
本当に嬉しいよ)
そう言うと、二人は自然と顔を近づけていき、唇を重ねるのだった。
その光景を見ていたのは、窓から差し込む月明かりだけであった。
ミミリィは、マハティスと和解をした後、すぐにマハティスとルナティスの三人で暮らす事となる。
0
お気に入りに追加
589
あなたにおすすめの小説
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

一途なエリート騎士の指先はご多忙。もはや暴走は時間の問題か?
はなまる
恋愛
シエルは20歳。父ルドルフはセルベーラ国の国王の弟だ。17歳の時に婚約するが誤解を受けて婚約破棄された。以来結婚になど目もくれず父の仕事を手伝って来た。
ところが2か月前国王が急死してしまう。国王の息子はまだ12歳でシエルの父が急きょ国王の代理をすることになる。ここ数年天候不順が続いてセルベーラ国の食糧事情は危うかった。
そこで隣国のオーランド国から作物を輸入する取り決めをする。だが、オーランド国の皇帝は無類の女好きで王族の女性を一人側妃に迎えたいと申し出た。
国王にも王女は3人ほどいたのだが、こちらもまだ一番上が14歳。とても側妃になど行かせられないとシエルに白羽の矢が立った。シエルは国のためならと思い腰を上げる。
そこに護衛兵として同行を申し出た騎士団に所属するボルク。彼は小さいころからの知り合いで仲のいい友達でもあった。互いに気心が知れた中でシエルは彼の事を好いていた。
彼には面白い癖があってイライラしたり怒ると親指と人差し指を擦り合わせる。うれしいと親指と中指を擦り合わせ、照れたり、言いにくい事があるときは親指と薬指を擦り合わせるのだ。だからボルクが怒っているとすぐにわかる。
そんな彼がシエルに同行したいと申し出た時彼は怒っていた。それはこんな話に怒っていたのだった。そして同行できる事になると喜んだ。シエルの心は一瞬にしてざわめく。
隣国の例え側妃といえども皇帝の妻となる身の自分がこんな気持ちになってはいけないと自分を叱咤するが道中色々なことが起こるうちにふたりは仲は急接近していく…
この話は全てフィクションです。


【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる