6 / 44
6.
しおりを挟む
私が黙っているのをいいことに、篠宮さんはキスをしてくるのです。
「んんッ!?」
唇を塞がれて、口内に侵入してきた舌が歯列をなぞるように動き回り、
上顎や頬の内側など弱い部分を的確に攻め立てられていくうちに、抵抗する気力を奪われていく。
それどころか、もっとして欲しいと思ってしまうほどに頭の中が蕩けていき、
何も考えられなくなるほど夢中になっていく自分に驚くと同時に興奮していくのがわかった。
唇が離れた時には、名残惜しさを感じながらも物足りなさを感じてしまい、
無意識のうちに自分からキスを強請ってしまいます。
そうすると、それに応えるように優しく応えてくれる彼に嬉しくなって、つい甘えてしまう自分を抑えきれなくなり、
自ら求めてしまうようになりました。
「どうしたんだい? 咲良、キスをもっとしたいのか?」
「はい……」
素直に頷くと、彼は嬉しそうな顔をしてくれました。
そして、ゆっくりと顔を近づけてきました。
私も目を閉じて受け入れようとします。
「ちゅっ……」
軽いリップ音と共に、柔らかい感触が唇に触れ、離れていくのを感じて目を開けてみると、彼の顔がありました。
その顔はどこか満足げな表情をしていて、見ているだけで幸せな気持ちになれるような、そんな顔です。
(やっぱりかっこいいなぁ……)
そんなことを思いながら見つめていると、彼が口を開きました。
「……どうしたんです?」
そう尋ねると、彼は少し照れたような表情で答えます。
その表情に胸が高鳴るのを感じた次の瞬間、抱きしめられて耳元で囁かれました。
それだけで顔が真っ赤になってしまうくらい恥ずかしかったですが、同時に嬉しさが込み上げてきました。
だって、好きな人に抱きしめてもらえたのですから、嬉しいに決まっているじゃないですか!
でも、流石にそろそろ恥ずかしくなってきたので離れようとしたのですが、
「もう少し、こうしていたい」
と言われてしまい、断れなくなってしまいました。
仕方なく、暫くそうしていることにしたのですが、篠宮さんの体温を感じていると、
不思議と安心できて、ずっとこうしていたいとさえ思ってしまいます。
暫くの間、抱き合っていた私達は、どちらからということもなく、自然と離れていきました。
そして、見つめ合い、微笑み合った後、篠宮さんに手を引かれて、ベッドへ向かい、横になると、
彼は、私の頭を撫でてくれます。
それが心地よく、思わず、目を細めてしまう。
それから、暫くお互いに無言のまま時間だけが過ぎ去っていく。
私は、この時間が、永遠に続けばいいのに、なんて、柄にもないことを思ってしまう。
しかし、それは、叶わない願いだとわかっているからこそ、余計に切なくなるのだ。
だが、今は、今だけは、この温もりに包まれていたかった。
そう思いながら、彼の胸に顔を埋め、背中に腕を回し、抱きつくようにして、彼の匂いに包まれる。
彼の鼓動、息遣い、肌の感触、全てが心地良く、安心する。
そして、私は、彼に身を委ね、目を閉じた。
「咲良、そろそろ帰るな、明日また会社でな」
そう言うと彼は私の額に軽く口付けをして帰って行った。
彼が帰った後の部屋は、いつもより広く感じて寂しく感じるのだった。
そんなことを考えていたら、急に寂しさが溢れてきて涙が溢れ出してきた。
止めようと思っても止まらない涙は頬を伝っていく。
しかし、このままじゃ良くないと思い、気を引き締めて寝る事にしたのです。
明日は休みだからゆっくり休もうと思ったのですが、なかなか寝付けないのです。
「んんッ!?」
唇を塞がれて、口内に侵入してきた舌が歯列をなぞるように動き回り、
上顎や頬の内側など弱い部分を的確に攻め立てられていくうちに、抵抗する気力を奪われていく。
それどころか、もっとして欲しいと思ってしまうほどに頭の中が蕩けていき、
何も考えられなくなるほど夢中になっていく自分に驚くと同時に興奮していくのがわかった。
唇が離れた時には、名残惜しさを感じながらも物足りなさを感じてしまい、
無意識のうちに自分からキスを強請ってしまいます。
そうすると、それに応えるように優しく応えてくれる彼に嬉しくなって、つい甘えてしまう自分を抑えきれなくなり、
自ら求めてしまうようになりました。
「どうしたんだい? 咲良、キスをもっとしたいのか?」
「はい……」
素直に頷くと、彼は嬉しそうな顔をしてくれました。
そして、ゆっくりと顔を近づけてきました。
私も目を閉じて受け入れようとします。
「ちゅっ……」
軽いリップ音と共に、柔らかい感触が唇に触れ、離れていくのを感じて目を開けてみると、彼の顔がありました。
その顔はどこか満足げな表情をしていて、見ているだけで幸せな気持ちになれるような、そんな顔です。
(やっぱりかっこいいなぁ……)
そんなことを思いながら見つめていると、彼が口を開きました。
「……どうしたんです?」
そう尋ねると、彼は少し照れたような表情で答えます。
その表情に胸が高鳴るのを感じた次の瞬間、抱きしめられて耳元で囁かれました。
それだけで顔が真っ赤になってしまうくらい恥ずかしかったですが、同時に嬉しさが込み上げてきました。
だって、好きな人に抱きしめてもらえたのですから、嬉しいに決まっているじゃないですか!
でも、流石にそろそろ恥ずかしくなってきたので離れようとしたのですが、
「もう少し、こうしていたい」
と言われてしまい、断れなくなってしまいました。
仕方なく、暫くそうしていることにしたのですが、篠宮さんの体温を感じていると、
不思議と安心できて、ずっとこうしていたいとさえ思ってしまいます。
暫くの間、抱き合っていた私達は、どちらからということもなく、自然と離れていきました。
そして、見つめ合い、微笑み合った後、篠宮さんに手を引かれて、ベッドへ向かい、横になると、
彼は、私の頭を撫でてくれます。
それが心地よく、思わず、目を細めてしまう。
それから、暫くお互いに無言のまま時間だけが過ぎ去っていく。
私は、この時間が、永遠に続けばいいのに、なんて、柄にもないことを思ってしまう。
しかし、それは、叶わない願いだとわかっているからこそ、余計に切なくなるのだ。
だが、今は、今だけは、この温もりに包まれていたかった。
そう思いながら、彼の胸に顔を埋め、背中に腕を回し、抱きつくようにして、彼の匂いに包まれる。
彼の鼓動、息遣い、肌の感触、全てが心地良く、安心する。
そして、私は、彼に身を委ね、目を閉じた。
「咲良、そろそろ帰るな、明日また会社でな」
そう言うと彼は私の額に軽く口付けをして帰って行った。
彼が帰った後の部屋は、いつもより広く感じて寂しく感じるのだった。
そんなことを考えていたら、急に寂しさが溢れてきて涙が溢れ出してきた。
止めようと思っても止まらない涙は頬を伝っていく。
しかし、このままじゃ良くないと思い、気を引き締めて寝る事にしたのです。
明日は休みだからゆっくり休もうと思ったのですが、なかなか寝付けないのです。
0
お気に入りに追加
122
あなたにおすすめの小説
再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです
星空永遠
恋愛
6年前、ホームレスだった藤堂樹と出会い、一緒に暮らしていた。しかし、ある日突然、藤堂は桜井千夏の前から姿を消した。それから6年ぶりに再会した藤堂は藤堂ブランド化粧品の社長になっていた!?結婚を前提に交際した二人は45階建てのタマワン最上階で再び同棲を始める。千夏が知らない世界を藤堂は教え、藤堂のスパダリ加減に沼っていく千夏。藤堂は千夏が好きすぎる故に溺愛を超える執着愛で毎日のように愛を囁き続けた。
2024年4月21日 公開
2024年4月21日 完結
☆ベリーズカフェ、魔法のiらんどにて同作品掲載中。
大事な姫様の性教育のために、姫様の御前で殿方と実演することになってしまいました。
水鏡あかり
恋愛
姫様に「あの人との初夜で粗相をしてしまうのが不安だから、貴女のを見せて」とお願いされた、姫様至上主義の侍女・真砂《まさご》。自分の拙い閨の経験では参考にならないと思いつつ、大事な姫様に懇願されて、引き受けることに。
真砂には気になる相手・檜佐木《ひさぎ》がいたものの、過去に一度、檜佐木の誘いを断ってしまっていたため、いまさら言えず、姫様の提案で、相手役は姫の夫である若様に選んでいただくことになる。
しかし、実演の当夜に閨に現れたのは、檜佐木で。どうも怒っているようなのだがーー。
主君至上主義な従者同士の恋愛が大好きなので書いてみました! ちょっと言葉責めもあるかも。
一夜限りのお相手は
栗原さとみ
恋愛
私は大学3年の倉持ひより。サークルにも属さず、いたって地味にキャンパスライフを送っている。大学の図書館で一人読書をしたり、好きな写真のスタジオでバイトをして過ごす毎日だ。ある日、アニメサークルに入っている友達の亜美に頼みごとを懇願されて、私はそれを引き受けてしまう。その事がきっかけで思いがけない人と思わぬ展開に……。『その人』は、私が尊敬する写真家で憧れの人だった。R5.1月
不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました
入海月子
恋愛
有本瑞希
仕事に燃える設計士 27歳
×
黒瀬諒
飄々として軽い一級建築士 35歳
女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。
彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。
ある日、同僚のミスが発覚して――。
シングルマザーになったら執着されています。
金柑乃実
恋愛
佐山咲良はアメリカで勉強する日本人。
同じ大学で学ぶ2歳上の先輩、神川拓海に出会い、恋に落ちる。
初めての大好きな人に、芽生えた大切な命。
幸せに浸る彼女の元に現れたのは、神川拓海の母親だった。
彼女の言葉により、咲良は大好きな人のもとを去ることを決意する。
新たに出会う人々と愛娘に支えられ、彼女は成長していく。
しかし彼は、諦めてはいなかった。
【溺愛の恋】~あなたは、私だけのモノ~
一ノ瀬 彩音
恋愛
平凡な毎日を過ごしていた主人公は、ある日、事故に遭い、記憶喪失になってしまう。
そんな主人公の前に現れたのは、美形な王子様で……?!
溺愛の恋、開幕です!
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる