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彼女のことを慰めようと俺はこう言った。
すると少しばかり元気が出たようで笑顔で返してくれたわけだ。
しかしこんなことになるとは思わなかったので非常に困った事態に陥ったわけだがこれは果たしてどうしたものやらと悩むことになったわけだけれど結局の所はこの先どのようにしていくべきかを決めておかないといけなくなったようだ。
そもそも俺の予想が正しければの話なのだが、今の状況的に考えておそらくは転生させられてこの世界に来たわけなのだがもしかしてそれが関係しているのではないのかという疑問を抱くようになっていた。
何せ神様と名乗る存在に出会えたわけだしね。
しかしそれでもこの世界のことがよく分からない状態であり何も知らない状態ではあるためこれから先の事を考える必要があるわけだった。
そこでふと気づく事がある。もしかして俺は今この世界で最強なのか? という考えに至ったわけだ。
しかし仮にその通りだったとしたならばこの国の王城で魔王として迎え入れようなどという話が出てくるわけはないと思うんだよな……。
「おい、お前の連れて来た奴らは本当に魔王なのか? そうじゃねぇだろう! 
魔王の配下は女子供だけだぞ。男なんか連れてくるわけがないだろうが!」
俺の目の前でそう怒声を上げて叫ぶ男が居た。
その男は見た目が30代後半ほどに見える男性で身長は180cmほどで細身。
茶色の髪の毛で顎髭が生えていて青い目をしている。
彼は魔王の側近だと名乗り、さらに配下の者が魔王を連れ帰ったと言っていた。
だが実際に連れ帰って来たのは俺だ。
この場に連れて来られた際に、その魔王様が倒れてしまったために仕方なく担いで帰るしかなかったというのが真実だ。
だからこの魔王を連れてきたのは俺であって、決して魔王の部外者ではないということを告げたうえで反論した。
だが相手は全く納得しようとはしないのでこちらも引かずにずっと口論を続けていった。
結果、最終的には力ずくで解決することになりかねないところまで来てはいたのだが運が良いことに魔王が目覚めるのと同時に起き上がってくれたおかげで
この争いは魔王によって止められることになったのである。
そして魔王は側近の男を睨みつけるなり、ただ一言。
その口を開いて言い放った。
魔王は俺のほうを見て何かを言いかけたが俺はそれを遮るように、 魔王が俺の事を庇おうとしていることは理解したが、 その行為が余計に状況を悪化させることになる可能性がある。
そう思ったので、あえて魔王のその言葉を聞かなかったふりをした。
そして俺は魔王のその行動に感謝しつつ、魔王をその場に残して魔王の寝室を後にした。
魔王の事は信頼しているが、
「俺にだって守れるものと、そうでないものがある。だから頼む、俺に魔王を任せてくれ。あいつは俺が守る。俺に、俺に魔王を守らせて……ください」
魔王の目を見ながら、俺は心の底からの本音で魔王に頼み込んだ。
魔王はその真意に気づいたのか、
「分かった。頼んだ。くれぐれもこの国をよろしくな。俺は俺にしか出来ないやり方で勇者を倒す、絶対にな」
「ああっ、任された。必ずこの国は俺と仲間で守り抜く。約束する。だからあんたが魔王のままでいろ」
その瞬間、俺たちの周りには一瞬にして黒い霧が立ち込めてきた。
魔王の力の一端である闇魔法を発動させたのだ。
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