元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

一ノ瀬 彩音

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元勇者は、勇者が来るまで世界を守る守り人であり、王が召喚して異世界から勇者が
現れるまでの勇者役である。
これが勇者召喚の基本であり、ルーツである。
元勇者には、勇者の次に権力がある要設定されており、何度か転移をした結果やわかったことは、その力で世界を勇者かま来るまで守れば何をしてもいいということらしく……。
ハクと仲良くなるまでは、俺もハクに土を何度も舐めさせられた。
当時は、ハクがそれを悪用し、ミリアを妻にしたり、アリアを魔王に仕立てたりと、さんざんさせられたせいで、嫌でも、その効力が絶大なのだと、思い知らされた。
そして、この世界では元勇者は神の使いと言われていて元勇者ではなく、神子様と呼ばれているようで俺はハクにその情報を教えた。
「神子、ユウトね、神のお使いかすごいな」
ハクがそう言ってはくれるが実際はお飾り職であると伝えると苦笑された。
「て、ことはお前のオリジナル武器、エルシオンはまだ探してないわけ?」
「探す必要がないんだよ」
「もったいないな、異世界のジャンヌ・ダルクみたいになればいいのに」
「お前な、他人事だろう?」
「面白いじゃん、ユウト、勇者パーティー、出し抜かないか?」
「へ?」
「今回、俺が勇者じゃないのと、早くも、お前見たくされているんだよ」
「そういうことか?」
だから頼むよ……。
と言われて無二の親友の話なので真剣に考える。
だがしかし結論はでなかったので後日連絡を取ることを約束した。
そして勇者達は俺達の住む城から出て行く時にハクが
「俺達家族に また会えなくなると思うが元気で過ごしていろ」
と言い残してくれた。
その時に俺は彼に言ったのだ。
「俺は元勇者だけど元勇者は勇者ほど強い力を持っていないし、ましては魔族を倒すなんて
できっこ無い」
と俺は言った。
ハクが勇者になったとしても勇者のようにはなれないだろうと。
それから俺はハクに向かってこう言ったのだ。
「なぁ、ハクよ、この世界のミディアによろしくと言っておいてくれないか、それと勇者になる前にミディを勇者として育てる事は可能だと思うが、どうだ、ハク?」
小声だがハクには聞こえたらしいそっと親指を立ててくれていた。
そのまま頷きあうと、ハクは出かけて行った。
それからしばらく経ったある日の事だった。
俺は久しぶりに魔族領に行って来た。
魔族達が暮らす町が出来上がっている様子を確認する為であった。
そこで魔族達にお疲れさまと言った後に俺の家族がいる国を作ると宣言したのだ。
その言葉を聞いた者達からは歓声が上がり国づくりが順調な事を再確認できた俺は満足し、
その後には子供達と一緒にお祝いをしていたのだった。
その数日後だっただろうかミリアが、急に子供達を連れてどこかに行くと言ってきたのだ。
その時の俺と息子達は驚いていて何処に行くのかを質問したが、 ミリアは何も言わなかった。
子供達も黙っているだけだった。
その日はそのまま何も無く過ごすことができたのだがその晩のこと俺は寝ていると、
隣で寝てるミレア達が起き出すと部屋から居なくなりしばらくして帰って来ることはなかった。
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