上 下
574 / 737

574.

しおりを挟む
そいつは俺の妻の一人である。
ミリエッタと名乗る女性なのだが。
この世界の住民とは思えない格好をしていたがそれでもミレアが対応してくれた。
そこで分かった事は彼女いやその女は魔族と呼ばれる一族の一員である。
それで彼女が言うにはミレアと同じ境遇だというのである。
そしてそれからというものはどういったわけなのかわからないが、それからの日々の中で俺は妻二人を甘え
させたくて、ただそれだけの為に行動して行く。
ミリアが俺に言いつけたのは、最近巷で有名なパン屋に行けば分かると告げられた俺は、すぐに駆け付けて
パン屋の行列に並ぶ事になるが、その最中俺は一人の男と出会う。
そうミリアのストーカー野郎のドラグさんだ。
彼もまた並んでいたのだが……いきなり俺の目の前に立って来た挙句に、喧嘩を売ってきたのだ。
俺は、その行為自体 別に問題はなかった。
その事に腹を立てた男は逆ギレしてくるが、俺は冷静を努めていた。
「あなた、一体私の夫に何を言っているのかしら?」
そのタイミングで現れたのは妻のミリアであった、そういえばミレアから連絡を受けてきていてミレアを
連れてこの店にやって来たんだった。
俺はその事に気付くと謝るように促すとミリアはそれに同調してきて男が
ようやく謝罪し始めるがミレアは 許してくれる はずもなく、男の髪の毛を掴んでいる。
ミレアにはそういった趣味があるのではと思ったりする。
それから数分後 その男が逃げて行きそうになるとミレアは逃さまいと追いかけて行くと俺はその姿を
見ながら俺はこう思っていた。
あの人は大丈夫そうに見えるならミレアについて行って様子を見に行った方がいいんじゃないかと、
「あら、おはようございます」
目が覚めて、真っ先に聞こえてきた声の主――見知った少女のものだ。
寝起きでぼんやりとした視線を向ける。
長い銀髪と大きな金色の瞳を持った人形のように美しく整い過ぎた顔のその美少女に見覚えはある。
名前は……あれ?
誰なんだっけ、この娘。
どうして俺はここにいるんだ。
そもそもここはどこ……!?
頭を抱えたくなるくらい次々と浮かぶ記憶への疑問。
頭が酷く混乱していてまともにものを考えられなくなり、思考を無理矢理中断させて大きく息を吐き出した。
そのまま瞼を閉じて深呼吸、何度か繰り返せば少しずつ落ち着いてくる。
視界を遮断したまま、とりあえず状況の整理から始めた。
確か俺は死んだ筈、間違いない。
俺自身はっきりと憶えてるが、間違いなくトラックに轢かれた。
で、気付いた時には森の中。身体を見下ろそうとした時に思い出す。
そうだ服を探さないと、全身を確認してから歩き出すと近くに倒れている死体を発見。
慌てて身なりを確認すれば、自分も同じ恰好をしているではないか。
しかもこれはコスプレとかではなく、本当に着せられたらしいということが分かる。
なぜなら……サイズぴったりだからな! 俺よりも少し身長の高い金髪の男性の死体を見る限り
どうやら男性物みたい。
良かったよ ズボン履かせてもらったことには礼を言っておこうかな。
……そうそう名前、自分の名前が思い出せないんだよな ぁ、まあいいか適当に考えればいいだろうさ、
よしまず第一目標は安全の確保だ。
現状で把握できるのは目の前に街っぽいものが存在しているのが見えるってことだけだが、
少なくとも日本じゃないことは理解できる。
あ、服装に関してだが俺の場合黒を基調としたローブのようなものを着ており、その上にマントを
付けていますね。
見た目から魔法使いをイメージしていただいたらいいかもしれません。
でもこれ実は、魔法で召喚されたと予想できる。
それ故に自分に起きた不幸を思い返す。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

全能で楽しく公爵家!!

山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。 未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう! 転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。 スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。 ※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。 ※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」 その天使の言葉は善意からなのか? 異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか? そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。 ただし、その扱いが難しいものだった。 転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。 基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。 ○○○「これは私とのラブストーリーなの!」 主人公「いや、それは違うな」

俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉

まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。 貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

処理中です...