元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

331.

「勇者よ、そちはあの魔王アリアについて
調べて何がわかったのじゃ？ 申すがよい」
俺は王の問いに答えるために、
アリアについて知っていることを全て話した。
俺の話を聞き終えた王はしばらく考え込むような
仕草を見せると俺に告げてきた。
「勇者よ、よくぞ伝えてくれた。
礼を言うぞ。
だが、残念ながら今のところは何もわからぬ。
だがもし、また新たな情報を得たら報告してくれ。
下がって良いぞ」
そう言われてそのまま起き上がると家臣のひとりが
「陛下、彼の、専属訓練教官としての、お給料がまだです」
「あ、そうじゃったな、これを受け取るがいい」
家臣が動き出し、金貨の入った袋を持ってくると、
俺に渡してくる。
俺は礼を言うと、早速中身を確認する。
すると、中には金貨が50枚入っていた。
俺はこんなにも貰えるのかと驚いていた。
すると、王が声をかけてきた。
「勇者よ、そちの働きには期待している。
これからもよろしく頼むぞ」
俺はもう一度礼をすると、部屋を退出すると、
城の外に出て、城下町へと向かった。
俺は城下町で買い食いをしたり、
露店を見て回ったりしていた。
すると、いつのまにか夕方になっていたので、
俺は家へと帰ることにする。
そして、俺が帰っている途中で一人の少女が
倒れているのを発見する。
しかし、俺はそのまま素通りした。
「お父様」
「すまない、アリア、お前が魔王ではないにしても、
魔王の時のイメージが強くてな」
「私は大丈夫ですよ。それよりもお母様に会わせてください。
私、ずっとお母様に会いたかったんです！」
どうやらこの子は俺の娘らしい。
俺にそっくりだ。
しかし何故だろうか、
この子の顔を見ると、妙に懐かしい気持ちになる。
俺は不思議に思いながらも、とりあえず、
この子を連れて家に帰った。
俺はミリアに事情を説明すると、
ミリアは俺にお礼を言いながら娘を抱きしめていた。
どうやらミリアはこの子を溺愛しているらしい。
俺は苦笑いしながらその様子を眺めていた。
すると、ミリアが俺の方に近寄ってきて、こう言ってくれた。
「あなた、アリアはどの時代でも、私達の子ですよ」
俺はミリアの言葉を聞いて嬉しくなった。
俺はミリアにアリアを任せると、再び外へと出た。
そして、買い物を済ませた俺が帰宅すると、
アリアが俺に抱きついてきた。
俺は優しく受け止めると頭を撫でてやった。
すると彼女は嬉しそうな表情を浮かべた。
それから、しばらく経つと、ミリアが夕食ができたと
言ってきたので、俺はアリアと共に食卓へと向かった。
夕食を終えると、アリアが眠そうにしていたので、
俺は彼女を寝かしつけることにした。
すると、彼女は俺に抱きついて離れようとしない。
俺は困り果てていたが、やがて諦めて一緒に眠ることにした。
すると、彼女は嬉しそうに微笑むと俺の胸に顔を埋めて
静かに眠りについた。
俺が目を覚ました時には既に朝だった。
隣ではミリアが幸せそうに眠っている。
俺は彼女の頭を撫でてやる。
すると彼女はゆっくりと目を開くと
俺の方を向いて笑顔を見せた。
俺はそんな彼女に微笑み返すと、
朝食の準備を始めた。
しばらくして朝食が完成すると、
二人で朝食を食べた。
そして、食べ終わると、俺達は身支度を整えて、
冒険者ギルドに向かった。
そして、俺は受付嬢に話しかけると、
依頼書を見せてもらった。