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(俺がいなければもう少し戦えるようだ。
それにレベル差もかなりあるはずだ。
これは思ったより 早く決着がつくかもしれないぞ。しかし……..)
俺には一つ気になることがあった。
それは二人の表情だ。
俺が倒した時、二人の顔はどこか寂しそうで、
悲しげな雰囲気を感じさせた。
もしかすると俺が何かしてしまったのではないかと
考えてしまう。そんな事を考えていて動きが止まって
しまったので声をかけてみた。
するとやはり、二人は笑顔を見せた。
しかし、それでも何処か影がありそうに見える。
それから何度か戦いを繰り返すうちにミリアの
動きが良くなっていくのを感じた。
俺が見ている限りでも 最初と比べると格段に
良くなっているだろう。
俺としても そろそろいけるかと思い、加勢する事にした。
俺が加わる事で一気に有利になる。
そこから俺達が圧倒していく。
最後の一振りが終わると 勝負が決まったかのように
思われたが、最後に残っていた一体だけ逃げてしまった。
(これじゃあ討伐した証明ができないじゃないか!?
くっ……どうしたものか。
追いかけても恐らく見失う可能性の方が高いし……。
いやまて、気配探知を使えば何とかなるのではないか?
それなら追いつく事も可能なはず!! やってみるか……)
早速試してみると見事に成功する事が出来た。
(よし……これでなんとかなった。
このままギルドに行ってもいいかも知れませんな。
あそこには学園長もいるので事情を説明した
ほうがいいかもしれませんね)
こうして俺達は無事に帰還することができた。
するとギルドで学園長が待っていてくれた。
学園長曰く、今回の事はこちらでどうにかしてくれるので
安心して欲しいとのこと。
私たちは依頼料を貰うとそのままギルドに向かった。
ギルドでは特に変わったことは無かったが、
俺はアリア達に確認したいことがあるために話かけた。
しかし二人共俺の声を聞いても何も返事をしてくれない。
それどころか無視してくる。
そこで俺の方からもう一度聞いてみると二人は
驚いた様子を見せる。まるで今まで俺の事を
忘れていたような素振りを見せてきたのだ。
俺は思わず驚いて固まってしまっていた。
(おかしい……絶対に変ですよ……あの時の
二人がこんな簡単に人を無視したりするなど
あり得ませんから……。
きっと何か理由があるんですよ……。
そうでなければ二人に限ってこんな行動をとるわけがない……。
もしかしたら……この前の ことが原因か?)
俺はそう思うものの、 二人に聞くことが出来ないでいた。
そればかりかミリアに至っては完全に俺から離れて
行ってしまった。
(こうなっては仕方ない。
直接本人に会って確かめるとしますかね)
(ただ、いきなり会いに行ったところで俺のことを
覚えているかどうかも怪しいところではあるが……)
そう思っているとアリアに会った。
ちょうど良かったので再び尋ねて見たが
案の定、俺のことを覚えていないらしく
困惑されてしまった。
(ここまで来た以上引き下がることはできない)
(俺だって、ここで退いたりしたら一生後悔するに違いない)
そうして俺はアリアに付いていくことにした。
学園長がいるところまで行くとミリアの姿が 無かったので
探そうとしたら アリアがミリアを探してくれた。
結局見つからなかったのでもとの場所に戻ると学園長に
呼ばれていると言われた。
(やっぱり俺の事など知らないのであろうな……)
俺が呼ばれた部屋に案内されるなり学園長がいた。
学園長は、俺を見るなり嬉しさのあまりに抱き着かれた。
(学園長、そんなキャラではなかったでしょうが!!!!
何ですか急に積極的になってしまわれて……しかも柔らかい
感触が……!)
俺はそんな気持ちを抑えながら必死に引き剥がす。
はっきり言おう、学園長のような見た目と性格の人は嫌いではないが苦手なのだ!
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