元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

一ノ瀬 彩音

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それを見ていたら、ミリアに
「ちょっと、カボチャ取って来る」
「え? 」
と言い残すとダッシュで駆け出してしまった。
そう、これは、昨日の夜から準備をしていたものだったのだ。
そう、あれはそう 夜中の出来事、皆が就寝している時間であった……。
その当時俺は、明日が早かったため寝ていたはずだったが 突如誰かの呼ぶ声に目覚めさせられることになる。
「誰だよ、うるさい」
そう呟きながら俺は、仕方なく外に出て行くと、 そこにいるのは、村長であり、
俺の父である人だった。
こんな時間に訪ねてくるとはどういう風の吹き回しなのかと不審に思っていたがとりあえず
要件を聞いて見ることにする。
そうすると意外な回答が待っていたのだった。
それは……。
『お願いです。どうか娘を助けてください!』
そう頭を下げられたのだった。
「どゆこと?」
と聞くと、実は最近この村に魔物が大量に出現しており、この村の近辺では見慣れないものだった。
それを聞いた父はある可能性を考え始めたのだという。
そうここ最近は、アリアの魔力が高まっていた影響で、何かしらの異常が発生しているのでは
ないかということだ。
そうでなければ説明が付かないほどの魔物の増殖具合である。
俺もそれに納得してしまい思わず父に尋ねる。
「一体どのくらい増えてる?」
そうすると彼は、少し悩むそぶりを見せるも正直に答えるのであった。
「だいたい10倍近くになっています、おそらく100以上……」
と父が言うと俺もその意見に賛同せざるを得ない。
「わかった協力します。ただこちらもアリアや、ミリアのことがある為、長引かせることは
できませんよ。いいですか!」
そう伝えると、
「わかっております、明日の朝には、ご報告ができると思いますの、アリアちゃんのこと、頼みました」
とだけ言い残して帰って行った。
その後直ぐに、アリアが眠そうな顔をしてこちらに向かってくる。
「あら、お父さんは、もう帰ってしまったんですね」
と寂しそうに話す。
俺は彼女の目を見つめながら
「ああそうだな、アリアもしっかり休めよ」
「うん、おやす……」
とそれだけいうと眠りにつくのであった。
それから俺は、 その次の日になると 父との待ち合わせ場所で待機すると彼が走ってやって来た。
「すまんな」
そういう父の表情からは疲労が見て取れるほどだったが、 どうも様子がおかしい、
俺が質問をするよりも早くに、俺にだけ聞こえる声でささやくのであった。
「頼む……村を救ってくれ…… 私の妻と娘が危険にさらされている……私が足止めをしてる間に」
「そんなの駄目ですよ、相手は何匹いたんです!?無理しないでください!!」
俺は必死で説得を試みたのだが
「あいつらが来てしまえばもう終わりなんだ」
と俺の制止を聞かずそのまま村の入り口まで行ってしまうのだった。
俺達は急いで追い掛けるものの既に入り口付近で待ち構えており俺は、
魔法で援護しようとしたが、 それより前に彼の剣で切り付けられ、意識を失うのだった。
「ここは?」
と目を覚ますと見渡す限り真っ暗だった。
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