元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

一ノ瀬 彩音

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「うそだよね、娘はまだ、10歳よ、最高位魔法じゃ無いの、エレメントバーストなんて、貴方出来る?」
妻はそう言ったが正直言って今の威力は間違いなく上級クラスであった。
中級以上の魔法使いでないと使えない筈の高位の術であったのだ。
そうこうしているうちに、俺とアリシアの娘のアリアは、妻に向かって不満そうな視線を送り始めると
不機嫌そうに口を尖らせると妻に突っかかり始めた。
本当は褒めて欲しかったのだろう。
「ダメて絶対に使ってはダメよ、貴女はまだ子供なのよ、アリア」
俺もすかさずそれにフォローを入れながら二人を止めるのであった。
その後もしばらくは二人は口論を続けたのだが最終的にお互いの主張は交わることなく
平行線を辿っていたので俺が強引に間に入る形で無理やり仲裁をする羽目になったのであった。
すると俺の介入によって一旦、矛を収めてくれたのだが。
そのことで俺に対する信頼感が高まってしまったのかそれからもちょくちょく二人で会話をしていると、
次第に打ち解けていっているようで、気づけばアリアはアリシアの膝の上で寝ていた。
「にしても、何で、そんな所まで、貴女に似るのですかね、貴方が高位魔法使えたのって歳いくつでした?」
「俺は、20だったよ、それで最年少最強魔術師を名乗るようになった」
20歳ではまだまだ若手だったのだ。
まあ今は30半ばなので中堅といった感じで落ち着いたのだが。
妻に質問されたことに俺は普通に答えたつもりだったのだが全く理解されていないらしく
怪しげなものを見る目つきでこちらを見てくる始末だった。
「えっと……私よりも若いのにもうそんな年だったんですね……見た目はもう既に
初老のおじさんといったところですね……」
などと言われる。
失礼すぎるぞ、おい、確かに見た目はおっさんだけど…… 中身は一応現役バリバリの若者なのだ。
見た目だけ若々しくしておいたのだ、これで年齢を誤魔化せるはずなんだと内なる
俺は訴えかけるものの見た目だけはどうしようもない現実に諦めかけていた。
「俺の子はさらに早いがな」
とりあえず自分の娘に負けている事実を突きつけてみたわけであるが、
意外と効果があって逆に焦らせれたような気がした。
すると急に立ち上がり、
「私は、仕事に戻ります!」
とだけ残し逃げ去って行ってしまうのだった。
「は?」
と俺は思ったがそのまま放置することにしたのである。
ただそこでアリアが起きるとまだ話の途中であることに気づき中断していた
話題について再開させるのだった。
俺は、アリアの話を聞くためにその前に座りなおすことにした。
そうすると彼女は真剣に悩み始めてしまい、暫く黙り込んでしまうとようやく
覚悟が決まったのだろう。
「お父さん、私変なの? お母さんが使っちゃダメってなんで?」
と俺に聞いてきたので俺は頭を悩ませて考えた結果、アリアは俺にとってかけがえの
無い愛すべき存在であることに変わりはないので本当のことを言うと、
「そうだねぇ、アリア、今はまだ分からなくてもいいがいつかは分かる日が来るかも知れないが、
もしも本当にその時が来るといいな、今はまだ、ダメとだけ覚えて起きなさい」
とはぐらかすことにしてみることにするとアリアはよく分かっていないようで
はあったが俺の指示に従うとばかりに大きくうなずいて見せた後また俺の隣に来ると
座ったまま再び眠ったしまった。
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