元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

159.

そして俺が家の中に入ろうとすると、家の中からは子供の泣き声が聞こえてきたのだ。
「嫌だよぉ。死にたくないよぉ」
と子供が言うと俺は急いで家の中に入っていった。
するとそこでは1人の子供が血塗れで倒れており、その子供の母親らしき女性が涙を流しながらその子の名前を呼んでいたのだ。
そして俺は倒れている子供をよく見ると、
その子供は俺が助けた少女だと気づくと俺はその女性に話しかけた。
「安心しろ。もう大丈夫だから」
そう俺が言うと俺はその子を回復魔法で治療すると、その子は俺の顔を見てから嬉しそうに笑った。
「ありがとうございます。あなたは命の恩人です」
そうその子が言うと俺はこう言った。
「礼なんて必要無いよ。俺は当然のことをしただけだ」
そう俺が言うとミリアはこう言った。
「そうよ。ユウトは雑用様なんだから、困った時は私達を頼ればいいのよ」
ミリアの言葉を聞いた女性は驚いた顔をした後にこう言ったのである。
「あの……もしかして雑用様ですか？」
と彼女が聞いてきたので俺はこう言ったのだ。
「ああそうだよ。君達を助けるためにここに来たんだ」
そう言ってから俺はミリアを見た後に彼女は笑顔でうなずいてくれたのだ。
そして俺は彼女の母親に事情を聞くことにしたのだ。
彼女の母親は涙ながらに自分が魔族に捕まってしまったせいで、娘に危険が迫ってしまった事を謝っていたのだ。
それから彼女は泣きながら今までの経緯を話し始めたのだ。
どうやら彼女は魔族に攫われて奴隷として売られてしまい、そして今日たまたまその商品として売りに出される前に逃げ出して助けを求めにここにやって来たらしい。
その話を聞いた俺は彼女を抱きしめてから彼女の頭を撫でた。
それからしばらくして落ち着いた彼女は立ち上がってから俺達に頭を下げた。
それから彼女は娘のそばに行くと言った。
「ごめんね。怖い思いをさせて本当にごめんね」
そう母親が言うと、ミリアも俺も彼女の頭を撫でてあげたのである。
それから彼女はこう言ったのだった。
「どうかお願いします。この子だけでも救ってあげてください！」
そう彼女が言えばミリアもこう言ったのだった。
「任せておいてよ！   ユウトがいる限り私は無敵なんだからね！」
そうミリアが言えば彼女も笑顔になってこう言ったのだ。
「はい！  信じています」
そうして俺とミリアはその親子を街に連れて行く事にしたのであった。
そうして俺とミリアがその親子を連れて歩いていると街の人達が俺達に話しかけてきたのだ。
「おお！  雑用様！  また魔族を倒してくださったのですね」
と人々が言うと俺はこう答えた。
「ああそうだよ。俺が魔族を倒したんだ」
と俺が言うと人々は俺を称えた。
そうして俺が人々に感謝されていると、突然大きな音が響いて建物が崩れたのだ。
そして俺が音の方を見るとそこには魔族の兵士が立っており、彼は俺達を見つけると俺達に向かってこう叫んだのである。
「見つけたぞ人間どもめ！！
皆殺しにしてやる！！」
そう叫ぶと魔族が俺達を殺そうと襲いかかってきたのだ。
そして俺はミリアと母親の前に立つと、迫り来る敵を次々と倒していったのである。
そうしてしばらく戦うと、魔族は全員俺に倒されたのだった。