元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

一ノ瀬 彩音

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俺と彼女は、
「ねぇ。これから何処に向かう予定?
もし良ければ 教えて欲しいんだけど」
と俺が言うと 彼女は、
「私にも分かりません」
とだけ言い残してどこかに行こうとした時、俺は引き留める。
俺にはこの子を行かせる訳にはいかない理由があるからだ。
なぜなら、今の俺はレベルが上がりステータスがかなり上がっているはずだ。
もし万が一に魔物に不意打ちでもされたら対処が難しいと思った俺は念のためにこの子の力を借りる事にした。
俺はアイテムボックスの中に入っていた 武器を取り出し、剣を選ぶとそれを渡そうとしたのだがどうもうまく受け取れないようだ。
「えーっと。
ちょっと貸してくれるかな?」
と俺がお願いすると彼女は素直に俺に手渡してくる。
俺は試しに持って見ると やはり俺が持つと軽すぎて違和感を覚えるほど軽く感じるが彼女は俺より身長が低いのに持てるというのに驚いた。
おそらくは何らかの加護の力を使っているのではないかと俺は考えたが、それは置いておいて俺はこの子に俺の持つ最強の武器の一つ 魔鋼製の短刀を渡してみるが彼女は重すぎるらしく持ち上がらないようで俺はため息を吐きつつ アイテムバッグの中から取り出した大鎌に取り替えると、
「これで俺に貸してくれる?」
と俺が聞いてみると俺の大ぶりのナイフよりも刃渡りの長い 刃物は扱えないようなので、俺が持っていた普通のショートソードを 差し出すとやっと受け取ってくれた。
俺の予想が正しければ、俺の魔力を纏わせたら切れ味が鋭くなるはず。
俺の持っている中で最高の品だしこれならば彼女の安全を守ることが出来るかもしれない。俺は、アイテムボックスの中に入っている素材を取り出すと、 彼女の服を作ってあげた。
俺はアイテムボックスの中にある、布生地を使って彼女に合う大きさに裁断すると縫っていく。
「こんな感じでしょうか?」
と出来上がった衣服を見せて反応を確かめると 彼女は俺の作った物を着て満足げにしている。
俺は彼女に似合っているよと言うと嬉しさからなのか 頬を赤く染めている姿を見ると可愛いらしいと俺は思った。
(俺は、もう我慢できないかもしれん……)
俺は彼女を後ろから抱き締めたくなるが、なんとか思い止まることが出来た。
だがしかし彼女の方は違った。
いきなり背後に立つと俺の首筋に向けて 勢いよく噛みついてくると、そこから血が流れ出ていく感覚が伝わってくると意識を失いそうになるが俺はギリギリ踏み止まり彼女の体から 離れることに成功する。
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