元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

一ノ瀬 彩音

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そうすればそのうちにきっと伝わるようになると俺は考えた。
そこで、まずは自分の指をさしながらゆっくりと喋る。
次に同じようにやってもらいながら自分も同じ言葉を言ってみる。
それからゆっくり発音しながら自分が言えた分だけ、俺も繰り返していった。
(とりあえずこれくらいでいいかな?)
そう思ったところで次は簡単な単語から順番に説明をしていく。
まずはあいさつを覚えてもらって、少しずつ会話が出来るように頑張ってもらおうと考えていた。
そうしているうちに時間はあっという間に過ぎていき気がつけば日が傾き始めていた。
そろそろ切り上げることにしようとしたその時、ふと気になって聞いてみた。
俺は最後にどうしても気にかかった事をきいてみる。
「あの……俺の事好き?」
俺の質問に不思議そうな表情をする。
俺は自分の事が好きかどうか聞いたんだと伝えようとすると、
やっと伝わったようで少し照れながらも返事をくれた。
俺は嬉しくなり、ありがとうと言って 頭を撫でてから抱き寄せた。
その日の夜は、 俺は久しぶりに一人で眠る事になった。
俺はベッドの中で目を瞑り、色々なことを考えながら眠りについた。
翌朝、俺はいつものように目が覚めるとミハルの姿はなかった。
俺は起き上がると服を着替えて、荷物をまとめて 宿屋の部屋を出た。
俺は、食堂でミハルが来るのを待つとしばらくして やって来たので席に着く。
俺はミハルに
「おはよう」
と言うとミハルも笑顔で答えてくれ 俺の向かいに腰掛けた。
俺とミハルは二人で宿を出ると 街の中央広場へと向かう。俺はそこに向かう途中、市場により食材を購入した。
ミハルはその様子を嬉しそう見ている。俺はそれを横目に見ながら歩くと
やがて目的地である中央通りが見えてきたので
ミハルに声をかけて先へ進む。
俺はこの街に来てからはなるべくミハルの手を繋いで行動するようにしてみた。
俺は少しづつではあるが慣れてもらう為にそうしてみた。
ミハルが恥ずかしいと言っていたが、
「人混みの時はぐれたら危ないですよ」
と説得すると納得したようだったのでそうした。
しばらく歩いて行くと 大きな噴水のある場所に着いた。
ここは俺とミハルが出会った所であり、俺が初めて冒険者になった場所である。
俺達はここに来るまでにいろんな店で買い出しをしていたのでかなりの大荷に
なっていたので休憩するのにも丁度良かった。
俺は近くにいた 男性に声をかけた。
男性はどうやら道に迷っていたらしく案内すると感謝されてお礼として昼食に誘ってくれたので
俺とミハルはその誘いを受けることにした。
俺は男と一緒に食事をした。彼はこの町に住んでおり、商人をしているという事で
様々な商品を見せて貰ったりしていた。
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