38 / 52
38.
しおりを挟む
「今日はどこにいく予定なんだ」
「まずはお買い物をして、その後は二人でお散歩して、お昼ご飯を食べるんです。
その後は二人でゆっくり過ごすつもりです。
何かやりたい事とかはありませんか?」
「そうだな、ならお前の部屋に行きたい」
「私の部屋にですか?別に構いませんけど、何もないですよ」
「それでも構わない。それに、お前と一緒にいたいんだが、駄目だろうか」
「いえ、私もアンダレシュと一緒がいいです」
「そう言ってくれると嬉しい」
「ふふっ」
私達はそのまま私達の家に帰ると、アンダレシュが私の部屋の中を見て回り始めます。
特にこれといって珍しい物はないと思うんですけど、何を探しているのでしょうか。
「アンダレシュ、どうかされたんですか?」
「いや、なんでもない。それより少し疲れた。
どこかで休まないか」
「そうですね。では、あそこにしましょうか」
私は近くにあるカフェを指さします。
そこは落ち着いた雰囲気のお店で、
コーヒーの種類が豊富で、私もよく利用しているところでした。
「ああ、そこがいいな」
私達が店内に入ると店員が寄ってきて、席に案内してくれます。
窓際の方でしたので、外がよく見えました。
私は紅茶とケーキのセット、アンダレシュはコーヒーとサンドイッチのセットをそれぞれ頼み、 頼んだものが運ばれてくるまでの間、
話をすることにします。
「昨日は何をしていたんだ」
「昨日ですか?昨日は、そうですね、 アンダレシュが帰ってこられた後に、夕食の準備をしたくらいですね。
後は一人で執務をしていました」
「そうか。そういえばこの間言っていた課題は終わったのか」
「はい!完璧です!」
「そうか、頑張っていたようだからご褒美をあげないといけないな」
「本当ですか!?」
「嘘はつかない」
「やったー!楽しみにしてますね!!」
「ああ」
その後も他愛のない話をしながら時間が過ぎていきました。
やがて注文したものがテーブルの上に並べられたので私達は食事を始めることにしました。
「ん~おいしい」
私は紅茶を飲みながら一口食べてみて、
思わず感想が漏れてしまいました。
それほど美味しいということなのですが、それを聞いていたアンダレシュが羨ましそうな顔をしていました。
「そうか、それはよかった」
「ふふっ、今度一緒に来ましょうね」
「ああ」
私達は食事を済ませると、外に出て街の中を散策する事にしました。
「そういえば、もうすぐ感謝祭が行われるみたいだぞ」
「へぇ、そうなんですね。
でも、感謝祭って何をするんでしょう」
「それは俺も知らない。ただ祭りが開かれるというのは聞いたことがある」
「お祭りですか、それは楽しそうですね」
「ああ」
アンダレシュはそう言うと私の手を握ってくれました。
私はそのことが嬉しくてつい微笑みを浮かべてしまいます。
アンダレシュはそんな私の顔を見ると優しく微笑み返してくれました。
「さて、そろそろ帰るとするかな」
「ええもう帰っちゃうんですか」
「ああ、あまり長居すると帰りたくなくなるだろう」
「それもそうかもしれませんね。じゃあ最後にあれに乗りませんか」
私は近くにある観覧車を指差しました。
「ああ、いいな」
「じゃあ行きましょう」
私はアンダレシュの手を引いて乗り場の方に向かいました。
数分待つと私達が乗る番がやってきました。
係員の人がゴンドラの扉を開けてくれるので、私達は乗り込みます。
中には椅子はなく、床にクッションが敷かれているだけでした。
そのおかげでお互いの体が密着しているので、私は安心感を覚えていました。
しばらくすると、ゆっくりと上昇していきます。
窓から見える景色はとても綺麗なものでした。
やがて頂上に到達すると、私達はそこでしばらく過ごしました。
その時間はとても楽しいものでした。
アンダレシュも同じ気持ちだったらいいなと思いました。
「そろそろ降りよう」
「はい」
私達はゴンドラから降りると地上に戻りました。
「ありがとうございました」
私がそう言うと、係の人は笑顔で答えてくれました。
私達はその場を離れると、また街中を歩いていました。
「次はどこに行くんだ」
「そうですね。今度はあっちに行ってみませんか?」
私が示したのは公園です。
「そうだな、行ってみるか」
私達は公園に着くとベンチに座って休憩をしました。
「ふぅ、少し歩いただけなのに結構疲れますね」
私はそう言いながら、手に持っていた水筒をアンダレシュに差し出しました。
彼は私の意図を察してくれたようで、すぐに受け取って飲んでくれました。
私はその間に自分の分のお茶を入れました。
それからしばらくの間、私達は静かに過ごしました。
アンダレシュは読書、私は魔法端末を使って検索。
たまにはこういう静かな時間もいいものだと思いました。
やがて時間は過ぎていき、辺りも暗くなってきました。
私達は立ち上がり、帰路につくことにしました。
家に帰ると、既に夕食の用意が出来上がっており、 すぐに食べることが出来ました。
アンダレシュは先にお風呂に入り、その後に私も入りました。
お風呂上がりに私は自分の部屋でくつろいでいます。
お腹も膨れて、今日は一日とても充実したものだったと思います。
お城の方はどうなっているでしょうか。
アルルさんに会えるといいのですけど。
そう思っていると、部屋のドアがノックされました。
私は返事をして、どうぞと言うと、アンダレシュが入ってきました。
彼と一緒にワインを飲もうと思っていたので、グラスを用意します。
アンダレシュはベッドの端に座ると、隣に来るように促してきたので、私はアンダレシュの隣に行きました。
「まずはお買い物をして、その後は二人でお散歩して、お昼ご飯を食べるんです。
その後は二人でゆっくり過ごすつもりです。
何かやりたい事とかはありませんか?」
「そうだな、ならお前の部屋に行きたい」
「私の部屋にですか?別に構いませんけど、何もないですよ」
「それでも構わない。それに、お前と一緒にいたいんだが、駄目だろうか」
「いえ、私もアンダレシュと一緒がいいです」
「そう言ってくれると嬉しい」
「ふふっ」
私達はそのまま私達の家に帰ると、アンダレシュが私の部屋の中を見て回り始めます。
特にこれといって珍しい物はないと思うんですけど、何を探しているのでしょうか。
「アンダレシュ、どうかされたんですか?」
「いや、なんでもない。それより少し疲れた。
どこかで休まないか」
「そうですね。では、あそこにしましょうか」
私は近くにあるカフェを指さします。
そこは落ち着いた雰囲気のお店で、
コーヒーの種類が豊富で、私もよく利用しているところでした。
「ああ、そこがいいな」
私達が店内に入ると店員が寄ってきて、席に案内してくれます。
窓際の方でしたので、外がよく見えました。
私は紅茶とケーキのセット、アンダレシュはコーヒーとサンドイッチのセットをそれぞれ頼み、 頼んだものが運ばれてくるまでの間、
話をすることにします。
「昨日は何をしていたんだ」
「昨日ですか?昨日は、そうですね、 アンダレシュが帰ってこられた後に、夕食の準備をしたくらいですね。
後は一人で執務をしていました」
「そうか。そういえばこの間言っていた課題は終わったのか」
「はい!完璧です!」
「そうか、頑張っていたようだからご褒美をあげないといけないな」
「本当ですか!?」
「嘘はつかない」
「やったー!楽しみにしてますね!!」
「ああ」
その後も他愛のない話をしながら時間が過ぎていきました。
やがて注文したものがテーブルの上に並べられたので私達は食事を始めることにしました。
「ん~おいしい」
私は紅茶を飲みながら一口食べてみて、
思わず感想が漏れてしまいました。
それほど美味しいということなのですが、それを聞いていたアンダレシュが羨ましそうな顔をしていました。
「そうか、それはよかった」
「ふふっ、今度一緒に来ましょうね」
「ああ」
私達は食事を済ませると、外に出て街の中を散策する事にしました。
「そういえば、もうすぐ感謝祭が行われるみたいだぞ」
「へぇ、そうなんですね。
でも、感謝祭って何をするんでしょう」
「それは俺も知らない。ただ祭りが開かれるというのは聞いたことがある」
「お祭りですか、それは楽しそうですね」
「ああ」
アンダレシュはそう言うと私の手を握ってくれました。
私はそのことが嬉しくてつい微笑みを浮かべてしまいます。
アンダレシュはそんな私の顔を見ると優しく微笑み返してくれました。
「さて、そろそろ帰るとするかな」
「ええもう帰っちゃうんですか」
「ああ、あまり長居すると帰りたくなくなるだろう」
「それもそうかもしれませんね。じゃあ最後にあれに乗りませんか」
私は近くにある観覧車を指差しました。
「ああ、いいな」
「じゃあ行きましょう」
私はアンダレシュの手を引いて乗り場の方に向かいました。
数分待つと私達が乗る番がやってきました。
係員の人がゴンドラの扉を開けてくれるので、私達は乗り込みます。
中には椅子はなく、床にクッションが敷かれているだけでした。
そのおかげでお互いの体が密着しているので、私は安心感を覚えていました。
しばらくすると、ゆっくりと上昇していきます。
窓から見える景色はとても綺麗なものでした。
やがて頂上に到達すると、私達はそこでしばらく過ごしました。
その時間はとても楽しいものでした。
アンダレシュも同じ気持ちだったらいいなと思いました。
「そろそろ降りよう」
「はい」
私達はゴンドラから降りると地上に戻りました。
「ありがとうございました」
私がそう言うと、係の人は笑顔で答えてくれました。
私達はその場を離れると、また街中を歩いていました。
「次はどこに行くんだ」
「そうですね。今度はあっちに行ってみませんか?」
私が示したのは公園です。
「そうだな、行ってみるか」
私達は公園に着くとベンチに座って休憩をしました。
「ふぅ、少し歩いただけなのに結構疲れますね」
私はそう言いながら、手に持っていた水筒をアンダレシュに差し出しました。
彼は私の意図を察してくれたようで、すぐに受け取って飲んでくれました。
私はその間に自分の分のお茶を入れました。
それからしばらくの間、私達は静かに過ごしました。
アンダレシュは読書、私は魔法端末を使って検索。
たまにはこういう静かな時間もいいものだと思いました。
やがて時間は過ぎていき、辺りも暗くなってきました。
私達は立ち上がり、帰路につくことにしました。
家に帰ると、既に夕食の用意が出来上がっており、 すぐに食べることが出来ました。
アンダレシュは先にお風呂に入り、その後に私も入りました。
お風呂上がりに私は自分の部屋でくつろいでいます。
お腹も膨れて、今日は一日とても充実したものだったと思います。
お城の方はどうなっているでしょうか。
アルルさんに会えるといいのですけど。
そう思っていると、部屋のドアがノックされました。
私は返事をして、どうぞと言うと、アンダレシュが入ってきました。
彼と一緒にワインを飲もうと思っていたので、グラスを用意します。
アンダレシュはベッドの端に座ると、隣に来るように促してきたので、私はアンダレシュの隣に行きました。
0
お気に入りに追加
350
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる