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彼の腕枕はとても心地よくてずっとこうしていたかったですけど、そろそろ起きないといけませんよね。
私は彼の腕から頭を離すとゆっくりと目を開けます。
すると目の前にはアンダレシュの顔がありました。
「おはようございます、アンダレシュ」
私がそう言うと、彼はまだ半分夢の世界にいて意識がはっきりしていないようでした。
でもすぐに覚醒したようですね。
「あ、ああ、おはよう、リリィ」
「ふふっ、昨日は激しかったですもんね」
「う……すまない」
「謝らなくてもいいですよ。むしろ感謝しています。
だってあんなに求めてくれたんだって思うだけで幸せになれますから」
「そうか」
「はい!」
私は笑顔を向けながら答えました。
そして体を起こして服を着ようとしましたが、それは止められてしまいました。
「その前に……」
「え?……きゃ」
アンダレシュは私を抱き寄せるとその唇を奪っていきました。
舌まで入れられてしまって、しばらく彼にされるがままになってしまいました。
やっと終わったと思った頃には息も絶え絶えの状態でした。
「な、なんですかいきなり」
「朝だから元気が出た」
「もう」
私は呆れながらも彼の事が好きだという気持ちが強くなっていきました。
その後、身支度を整えてから朝食を食べている時に思い出したことがあります。
「あの、アンダレシュ」
「なんだ?」
「実は今日、お城の方でちょっとしたイベントがあるみたいなんですよ」
「そうなのかい?」
「はい。それで私も行ってみようと思っているのですけど、もしよろしければ一緒に行きませんか?」
「俺もついて行けばいいのかな」
「いえ、アンダレシュにではなく、アルルさんに用事があるんです」
「そうなのか」
「駄目ですか?」
「いや、そんなことはないよ。じゃあ俺は先に行っている。また後で会おう」
「はい。お待ちしておりますね」
私は部屋を出て行くアンダレシュを見送ると、
自分の身支度を始めました。
それからしばらくして、私は街へと出かける準備を終えました。
といっても、着ていく服を選んでいるだけなので、すぐに終わったのですが。
私は鏡の前で最終チェックをしている時、ある事に気がつきました。
「あら、このネックレスどうしたんでしょう」
いつもは着けていなかったはずなのにどうして。
まぁいいでしょう。今はそれよりもアンダレシュとのデートの方が大切です。
私はネックレスを外すと鞄の中に入れておきました。
そして私の部屋を出ると、アンダレシュのところへ行きました。
「お待たせしました、アンダレシュ」
私が声をかけるとアンダレシュはすぐに気づき、こちらに向かって歩いてきてくれました。
「待っていない。それでは行こうか」
「はい」
私達は手を繋いで歩き出します。
アンダレシュとこうして二人きりで歩くのは初めてではないでしょうか。
私はとても幸せな気分でいっぱいでした。
私は彼の腕から頭を離すとゆっくりと目を開けます。
すると目の前にはアンダレシュの顔がありました。
「おはようございます、アンダレシュ」
私がそう言うと、彼はまだ半分夢の世界にいて意識がはっきりしていないようでした。
でもすぐに覚醒したようですね。
「あ、ああ、おはよう、リリィ」
「ふふっ、昨日は激しかったですもんね」
「う……すまない」
「謝らなくてもいいですよ。むしろ感謝しています。
だってあんなに求めてくれたんだって思うだけで幸せになれますから」
「そうか」
「はい!」
私は笑顔を向けながら答えました。
そして体を起こして服を着ようとしましたが、それは止められてしまいました。
「その前に……」
「え?……きゃ」
アンダレシュは私を抱き寄せるとその唇を奪っていきました。
舌まで入れられてしまって、しばらく彼にされるがままになってしまいました。
やっと終わったと思った頃には息も絶え絶えの状態でした。
「な、なんですかいきなり」
「朝だから元気が出た」
「もう」
私は呆れながらも彼の事が好きだという気持ちが強くなっていきました。
その後、身支度を整えてから朝食を食べている時に思い出したことがあります。
「あの、アンダレシュ」
「なんだ?」
「実は今日、お城の方でちょっとしたイベントがあるみたいなんですよ」
「そうなのかい?」
「はい。それで私も行ってみようと思っているのですけど、もしよろしければ一緒に行きませんか?」
「俺もついて行けばいいのかな」
「いえ、アンダレシュにではなく、アルルさんに用事があるんです」
「そうなのか」
「駄目ですか?」
「いや、そんなことはないよ。じゃあ俺は先に行っている。また後で会おう」
「はい。お待ちしておりますね」
私は部屋を出て行くアンダレシュを見送ると、
自分の身支度を始めました。
それからしばらくして、私は街へと出かける準備を終えました。
といっても、着ていく服を選んでいるだけなので、すぐに終わったのですが。
私は鏡の前で最終チェックをしている時、ある事に気がつきました。
「あら、このネックレスどうしたんでしょう」
いつもは着けていなかったはずなのにどうして。
まぁいいでしょう。今はそれよりもアンダレシュとのデートの方が大切です。
私はネックレスを外すと鞄の中に入れておきました。
そして私の部屋を出ると、アンダレシュのところへ行きました。
「お待たせしました、アンダレシュ」
私が声をかけるとアンダレシュはすぐに気づき、こちらに向かって歩いてきてくれました。
「待っていない。それでは行こうか」
「はい」
私達は手を繋いで歩き出します。
アンダレシュとこうして二人きりで歩くのは初めてではないでしょうか。
私はとても幸せな気分でいっぱいでした。
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