浮気する人とはもう恋愛出来ないので婚約破棄します~その後、義父に愛されて可愛がられて、蜜愛な住処~

一ノ瀬 彩音

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リリィはアンダレシュに言う。
「貴方は私の夫です、私が愛している唯一の人です。
貴方に捨てられたりしたくありませんし、貴方以外に愛されたくもありません。
ですからお願いです、どうか私を捨てたりしないで下さい。
私は今でも貴方を愛しています、貴方なしでは生きていけない程に。
ですから貴方にも私を愛して欲しいのです。
私はいつまでも待ちます、貴方が私を愛してくれて、私に子供ができた時、
その時にもう一度プロポーズを聞かせて下さい。
私はその日までずっと貴方のことを待っているつもりなのですから」
「わかった、そこまで言われては仕方がない。
リリィ、改めて君に伝えよう」
「はい」
「リリィ、俺は君のことが大好きだ。
愛している」
「はい」
リリィは嬉しくなる。
アンダレシュが自分の事を本当に愛してくれたのだということがわかったからだ。
リリィは思わず涙を流す。
「ありがとうございます、私も貴方のことを心のそこからお慕いしております。
この先何があっても決して離れません、永遠に貴方の傍にいます」
こうして二人は再び結婚することになった。
リリィは妊娠したことで体調を崩すことが多くなり、仕事を休んで自室で療養することが増えた。
そのためアンダレシュが仕事から帰るとリリィが出迎えてくれた。
「おかえりなさい」
「ただいま」
アンダレシュはリリィの体を抱きしめてキスをする。
「んっ、ちゅ」
リリィはアンダレシュの首に手を回して抱きつく。
「今日は遅かったのですね」
「ああ、ちょっと公務が忙しくてな」
「そうでしたか」
「夕食は済ませてきたのか?」
「いえ、まだですが」
「そうか、なら一緒に食べよう」
「わかりました」
アンダレシュはリリィを連れて食堂に向かう。
そこには既に食事の準備がされていた。
「待たせたみたいですまない」
「いいえ、私もさっき準備を終えたところですので」
「そうか、じゃあ早速食べるとするか」
「はい」
リリィとアンダレシュは向かい合って食事をする。
「うん、美味しい」
「ありがとうございます」
「ところで体調の方はどうだい」
「今のところは大丈夫です」
「なら良かった」
「心配していただけたのですか」
「当たり前だろう」
「ありがとうございます」
リリィは微笑む。
リリィは妊娠してから笑うことが多くなった。
元々リリィはとても美しい女性なのだから、そういう笑顔を見せると破壊力は抜群だ。
アンダレシュはリリィの顔を見てドキッとする。
(美人になったな)
以前はどこか暗い雰囲気があったが、今は違う。
とても明るくなった。
そして優しい笑みを浮かべるようになった。
「どうしたんですか?」
「いや、なんでもない」
「そうですか」
「ああ」
リリィは少し不思議そうな顔をしたが、すぐにアンダレシュの視線の先に気がついた。
「あっ」
「その、なんだ、綺麗だなと思って」
「ふふ、ありがとうございます」
リリィは嬉しそうにする。
(ああ、俺はこの人が好きなんだな)
アンダレシュはリリィのことが好きになっていた。
リリィの事を本気で好きになり始めていた。
リリィはそんなアンダレシュの変化を感じ取っていた。
アンダレシュはリリィの事が好きで好きでたまらなくなっていた。
リリィの事が愛おしくて堪らない。
リリィが他の男と話をしているとイラっとしてしまう。
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